三龍戦騎RPG復刻リプレイ 第4話「星界への熱い道のり」第2章
ある日、央天青に未確認物体が墜落。調査のため、ランコと緋七は水上市に寄るが、突如、巨大ワニが大暴走! その尾には、謎の黒い花弁状ダーツが刺さっていた。何者かによる妨害工作を疑った2人は、情報を追って、ある島に向かうが……。敵国側の天魂・オニキス少佐、初登場!
【場面7:沙希見島】
ランコ ヤバそうだと聞いたので、気をつけながら沙希見島へ向かいます。泳ぎながら長距離を行くから、キズナ判定していいよね。
GM 年代「ジュラ紀後期」、環境「海洋」ね。
ランコ ……(サイコロを振る)来た、成功! さっき戦闘があったから、もう1回やっていいよね。もう1度成功。
結果、ランコは、武魂2点を獲得した。
なお、GMは、毎回極端に「年代」や「環境」を変えるべきではない。修正値がきつすぎて、ほとんどキズナ判定に成功しなくなるからである。基本的に、1回のシナリオでは、変化するのは「環境」だけにしたほうがいいだろう。
また、同じ環境・年代における2回目以降のキズナ判定では、修正値は加えなくてよい。環境や年代の変化によるマイナス修正は、同じ環境で複数回のキズナ判定を行う場合、最初の判定にのみ適用する。
GM 上陸するんだね。沙希見島は、熱帯雨林に覆われた無人島で、そこそこ大きいのかな。まあ、見た感じ、普通の島だ。
……そして、島の奥にある山に突っこむようにして、100メートルほどもある天航船が墜落して、くすぶっているのが見える。
機体は銀色に光っているが、表面は少し焦げている。知性で判定してもいいよ。「天航船」関連の技能があれば使っていい。
ランコ 平目で知性、6ゾロ出ろ! ……出た!!
GM マジか!? じゃあ何故か君には分かった。その天航船は、どちらかというとシンテツに似た構造の、無人型の船のようだ。横腹に巨大な穴があいていて、それが原因で墜落したようだ。
ランコ 「思い出した! 昔、母ちゃんが言ってたわ。ナナちゃん、あれシンテツかもしれへんで!」
緋七 「あんなに大きいシンテツがいるんですか?」
ランコ 「伝説のツブラヤ級なんて、凄いらしいで」
緋七 「航宙船型のシンテツなんて、いるんですか?」
GM 現在確認されている種では、少なくとも三龍共榮圏には存在しない。そもそもシンテツが外宇宙の種属だったということは、誰でも知っていることだけどね。
GM さて、君たちが砂浜に降り立って周囲を見てみると……破壊された装甲車の残骸が、ぶすぶすと黒煙を上げているのが見える。そして、周囲にはファーグニル軍らしい兵士たちの死骸が幾つも転がっている。陸上戦術技能か何かで判定してみて。
ランコ 8.
緋七 10.
GM 化学防護服をきたファーグニル連合軍兵士らしい、と分かる。一個中隊ぐらい、バタバタと転がっているわけですな。
ランコ 「連合軍も目ェつけてるんやな。高値で売れるかもしれんからな」
緋七 墜落した船の穴というのは、内側から開いてるの?
GM 見ればすぐ分かるとおり、内部から破壊されて開いた穴だ。そして、砂浜には、巨大な何かが這いずり回ったような跡が克明に刻まれている。
ランコ 「ナナちゃん、これヤバイんちゃうか?」
緋七 「あの天航船? の中から何かが出てきた、ということですね」
ランコ 兵士の傷跡について、何か分からないか。知性で判定してみよう。(結果は失敗だった)
「……なんやこれ、肉やで。食ったら美味いんかいのう?」(笑)
GM カワアガニにとっては男性は奴隷であって、ウミアガニのように食料にするわけじゃないんだが(笑)。ふと見ると、近くに5人ぐらい生きている兵士がいて、ピクピク痙攣している。
ランコ 「おい自分、どないしたんや!?」
兵士/GM ごく普通の、地球人の青年だ。血まみれになっている。
「突然、あの物体の内部から怪物が現れて、われわれを……ゴフッ(吐血)」
ランコ 「ゴフッ(吐血)やなくて、何がでてきたんやー!?」
兵士/GM 「島の奥には、まだ第二中隊が……助けねば……ぐうっ!」生死判定をしてみよう。あ、死んでしまった。
緋七 「なるほど、状況は分かりましたネ。では、帰って報告しましょうか」
GM それだけかよ!(笑)
緋七 天航船の状況を調べたいな。
GM 浜から300メートルほど行くと、熱帯雨林があって、山腹までそれが続いている。その山に、天航船らしき物体が墜落しているわけだ。
緋七 天航船に近づくには、森を抜けないといけないわけか。「この状況で行くのは危険かもしれませんね」
ランコ 「森には、怪物がいるかもしれんで。君子、危うきに近寄らずや。森はワニには向いてないし。けど、目の前に宝の山があるわけで……どうしたらええんやろ。そや、こいつら何かカネ目のもんでも持ってるんちゃうか?」
GM 兵士の死体を漁るのか(汗)。すると、突撃銃が二挺ほど落ちていたが。
ランコ 「こりゃあ売れるで!」拾ったアサルトライフルを袋につめて持って帰るかな。
GM と、森の奥のほうから、「助けてくれーー!」という声が聞こえてきた。異国の言葉だけど、単純な単語だから君たちでも分かる。
ランコ 助けてくれ、って叫んでるってコトは、何かヤバイのがいるわけだ。逃げよう!
GM カワアガニはともかく、天魂的には、それはどうよ?
緋七 緋七には〈地上人への愛〉技能があるんですよねえ。さて困ったな。
GM じゃあ、緋七は「根性」で判定してみて。難易度15。
緋七 11、失敗してしまった。「あそこに、困っている人がいるのです!」
プレイヤー視点と、PC種属特性の摺り合わせである。セッションはどちらに偏ってもよくないが、ここでは、良い妥協点を見つけたようだ。
GM 緋七は、思わず助けに行ってしまう。
ランコ 「ああっ、ナナちゃん! どこ行くんや!?」
【場面8:熱帯雨林の中】
GM 君たちが森の中に入ると、小さな川が流れていて、倒木が倒れている。その上を、兵士が7人ほど走ってくる。最後尾の一人が転んで、「ひいい」などと顔を引きつらせている。
その後ろで、森が揺れる。木々が倒れる音がする。そして樹冠を割って、巨大な生物が顔をのぞかせる。見たこともない生物だ。全長30メートルほどもある、宇宙竜だな。
ランコ ハハハ、30メートルですよ、ビル6階分ですよ~。
GM 巨大生物は、まだ君たちには気づいていない。くちゃくちゃと何かを噛んでいる。
ランコ 人間じゃんソレ(笑)。
緋七 「食事中のようですね」
GM 生物の顎から、ヘルメットがぼたっと落ちた。宇宙竜には、目はないようだ。黒っぽい尖った嘴がある。おぞましい、蛇のような巨大生物だ。
ランコ 「ナナちゃん、早く逃げるんや! やばいで!」
転んだ兵士/GM 「うわあ、助けてくれー!」と兵士が叫んだので、宇宙竜がこちらに気づき、森を割って突進してくるぞ。
緋七 ……それはアレかね、こちらに気づいてしまったということかね。はああ、ドキドキ。いよいよ、天華法が炸裂するときが来たか!?
GM 巨大生物は、甲高い咆哮をあげて迫ってくるぞ。
緋七 迎え撃つぞ、「戦火」!!
GM それキャラ違うから!(笑)
緋七 ちょっと待って、ええと、環境系の天華法で、何か使えるものはないか! ……明かりをともす術があるけどダメかな(笑)。
GM この生物は龍魂生物なので、〈龍魂の呼応〉により、ランコには5点の武魂が無条件に入るよ。凶悪な戦術生物を前にして、戦意が上がったわけだ。(ちょっと多すぎたかもしれない。)
ランコ 武魂が6点になった。しょうがない、龍化するよ!
「行くで、紅珊瑚!」
GM 判定は要らない。閃光と衝撃波が走り、瞬時に、ワニ型の怪獣へとランコは変化する。
キズナ判定を何回か成功させ、武魂が6点に達すると、恐竜や古代ワニのトモガミは、強力な怪獣のような形態に変異できる。「アラガミ」である。
こうした「武魂発動形態」は、種属ごとに異なり、それも種属の特徴となっている。
ランコ 咆哮をあげる。キシャアアア!
GM 敵獣のほうも、強敵の出現を察知したようで、ランコを睨みつける。目のない、翼をもつ蛇のような竜だ。獰猛な咆哮をあげて、踊りかかってくる。
緋七 歩兵を助けに行くべきか。しかし、そんな怪獣バトルの前に飛び出したら殺られるかも。
GM 運が悪ければ踏み潰されるな。
ランコは、龍化したから、力のせめぎあいに自我が飲み込まれないように必死に意識を集中してください。当然、会話とかはできない。
緋七 出来ることがないなあ。〈樹神〉になって、たくさん明かりをともしても、クリスマスツリーになるだけだ(笑)。救助活動にいそしみますか。
兵士を助けるため、緋七は、戦いの余波を避けながら走る。GMは、「体」難易度10で判定をさせた。
緋七 6ゾロが出なきゃ無理。あっ、やっぱり失敗。
GM 緋七は、川で転んで、流されていった(笑)。
緋七 「あ~れ~」
GM 緋七は、ころころと50メートルほど下流に流され、岸にひっかかって止まった。
緋七 天魂、役に立たなくね?(笑)
GM 交渉場面じゃないからねえ。
緋七 ガルナス・ダガンを招喚するワザとかないのか?
GM ないよ!(笑)
主導権は、ランコのほうがとった。
巨大ワニ型のアラガミが牙を剥き出し、敵獣へとかぶりつこうとするが、回避されてしまう。
GM 宇宙竜の攻撃、達成値15ね。避けるなら「動」、受け止めるなら「体」。噛み付きダメージは4ね。
ランコ あっ、食らった……けど、余裕で防いでいる。硬いワ(笑)。
緋七 幻覚を見せる種子弾を撃ちこんでみるか。
GM 射撃難易度は、まあこの状況なら12ぐらいかな。天華法技能で撃つ判定をする。
ここで緋七は6ゾロを出した!
緋七 「食らいなさい!」プシュッ!(笑)
GM 凄い、君の種子弾は敵獣に突き刺さった! じゃあ、幻覚を見せられて、この竜の「知」-2ぐらいで処理しよう。
緋七 今ので体力残り2になった。バタっと倒れる。(天華法を使うと体力を消費してしまうというこの規則は変更された)
GM まだ倒れないだろ(笑)。次ターンで、兵士たちを助けたことにしよう。
ランコ また、噛みつこう。11!
GM 17.宇宙竜は、ランコの噛みつき攻撃をガッキと受け止めた。ではこちらの反撃!
アラガミとなったランコは、また攻撃を食らうが、がっちり受け止めた。動きは遅いが、防御力は高い。
緋七 よろよろしながら、兵たちを助けに行きます。
「あの竜はいま、わたしが撃ちこんだ〈幻視の種〉で少し目がくらんでいますから、今のうちに!」大した役にたってない。
ランコ 兵士にしてみれば、救いの幼女?(笑)
緋七 もう出来ることがない……。木陰に隠れて「ガンバレ!」と、応援を送っておこう……。
GM かわゆい(笑)。
宇宙竜とランコ=アラガミは、その後数ターン、白兵戦を行う。
お互いに防御力が高く、ダメージが通らない。
焦れたランコ=アラガミが、口から熱線を放つが、彼女の「知」であたるはずもなく、森を焼いたにとどまった。
GM 次のターンね。宇宙竜は、生体ジェットの炎を下半身から噴射して、空へと飛び立っていった。そのまま、戦場を離脱していく。
ランコ なんやそれ! 空を飛ぶなんて反則や!(本当は龍化中は会話できない)
GM 龍化を解除するよね? 君は激しく消耗している。「和魂」も「生命」も、残り1になって、全裸のまま横たわっている。
ランコ 「ゴホッ(吐血)。な、なんや、ふざけんなっ。ゴホゴホッ」
緋七 現場から離れつつ、兵士の話を聞こうかな。「何があったんですか?」
兵士/GM 「この先に、野戦司令室があります。お話は、そちらで」
【場面9:野戦司令室】
GM そこから10分ほど歩いた浜辺の近くに、カーキ色の天幕を張った野戦司令室がある。分析を行っているらしい。
兵士がいう。
「実は、我々は一週間ほど前、あるカワアガニから古代シンテツの船体の破片を入手し、調査していたのです」
ランコ 「船体って……あの山に墜落してる奴は本体ちがうんかい?」
兵士/GM 「あれは本体ではありません。我々は、あのシンテツ船の知性核、すなわちCPUみたいなものなんですが、それだけをすでに発掘していました。それが突如、どういうわけか起動して、アレを宇宙から呼び寄せたようです」
ランコ 「アレは一体何なん?」
GM すると、黒いファーグニルの軍服を着た、黒百合を思わせる天魂が、分析装置の後ろから姿をあらわす。外観はもちろん幼い女性型だ。華麗な印象だな。「よく来ましたね」
緋七 なにい、ファーグニル連合側にも天魂がいるのか!?
兵士/GM 「(敬礼)ハッ、オニキス・リリー少佐殿! 報告します、我が中隊は甚大な被害を受け、私以外は……」
オニキス/GM 黒い軍服の天魂が言う。「しばらく休んでいなさい。わたしは、この者たちと話しています」
ランコたちに向かって、「やれやれ、あなた方がここまでいらっしゃるとは。あのとき、我が部下が暴走させたシンハダイオウワニによって撃破されたかと思ったのですが」
ランコ 「あんたの仕業やったんか! おかげでエライ目にあったわー!」
オニキス/GM 「あなた方の軍に悟られると厄介なので、少々、妨害工作をさせていただきました」と、薄く嗤っている。
緋七 悪者っぽいね。
ランコ 「あのワニの尾に刺さっていた黒い花弁は、あんたの仕掛けやったってことやな」
オニキス/GM 「アガニにしては察しがいいですね」
緋七 ヒナは、びしっと指をつきつけて、「ということは……あなたが犯人なんですね! あなた方はなぜ、連合軍になど味方するのです!」
オニキス/GM 「連合軍の方が、基礎工業力が圧倒的に高いからですよ。我々のもつ〈天航船〉の知識は連合軍に有益だし、連合軍のもつ先端航空宇宙産業の技術力とが合わされば、三龍共榮圏に味方するより早く、星界に到ることができます」
緋七 「ふっ、わかっていませんね。ただ星界に戻ればいいというものではない、そこには愛がなければ!」
ランコ 「愛ってなんや。儲かるのはどっちや~」てなかんじで。カワアガニなんで、利益重視だ。
「どうでもいいけど、アンタもヤバイんちゃうか。もう、あんたを守ってくれる兵隊はおらへんで?」
オニキス/GM 「ふむ……確かに」
ランコ 「どや? うちらと手ぇ組まへんか? うちらがあんたを護衛するかわりに、うちらは、無事この島を出られて、あとはちょっくら古代シンテツの部品を入手できれば、それでええんや。基本的に、調査と報告が今回の仕事やさかいな」
オニキス/GM 「まあ、すでにこの島の地下から発掘された機関部は、わが国に向けて洋上輸送中ですから、大丈夫なんですが。あとは、ここにある〈知性核〉だけ。
ただ、例の宇宙竜が、いつまた現れるか分からないので、確かに危険はあるわけですね。ううむ……なるほど、あなた方と手を組むというのは、面白い」
ランコとの話し合いの結果、オニキス少佐は、一時的にランコと緋七を自らの護衛として雇うことにした。
緋七 緋七はムスっとしている。この黒百合の天魂、あまり好きじゃない。
兵士/GM 「少佐! 知性核が、活動を始めました!」
見ると、分析装置の一角に、10センチ四方の立方体がある。表面は複雑な回路のような、光る幾何学文様で覆われている。そこから三次元映像が投影される。蒼い髪をした、10歳ほどの少女の映像だ。
ランコ 「うわ、星覇みたいな蒼い髪や、見てるだけでごっつムカツクわー」
知性核/GM 『わたしは宇宙(そら)に帰りたい。わたしの身体を返してください。なぜあなた方は、わたしの邪魔をするのですか?』と、少女の映像は手をあわせている。
緋七 むむむ。
オニキス/GM 「それが、わたしたちの生きる意味だから。あなたの身体は、有効に使わせていただく。ファーグニルの、最優秀宇宙産業に提供してね」と、微笑んでいる。
兵士/GM 「知性核の諸元が判明しました。アマミツヨ入植初期時代の古代シンテツ、〈蒼機224型〉と思われます」
ランコ カワアガニには分からない(笑)。
オニキス/GM 「なるほど、データファイルに追加なさい。つまり、こういうことですね。衛星軌道上に、古代シンテツの船体が残されていて、それに、宇宙竜、すなわち〈惑星掃討獣〉が巣を作っていたのですね。
そして今回、我が軍が知性核を目覚めさせたことにより、その船体が呼び寄せられた、と……」
「さて、あなた方。護衛なんですから、早速、歩哨に立ってください」
ランコ 「その前に、体力を回復させる例の果物を、ぽこぽこって産んでくれへんか?」
オニキス/GM 「失礼な! アレは無闇に人前で産むものではありませんよ!?」
植物種属独自の羞恥心表現である。
ランコ 「そんなら、うちら外で待ってるさかいな。体力を回復させないと龍化できないし、護衛にならないやん?」
GM 魅力で判定だな。わああ、やらないでいいよ。こっちは1ゾロが出た(笑)。
ランコ (笑)。
オニキス/GM 「し、仕方がありませんね」少し頬を染めて、天幕の後ろに隠れる。しばらくして、彼女は天魂桃を2つもってくる。
ランコ 産みたてなんだ、わーい。「なんや、産めるやんけ(笑)」
オニキス/GM 「赤裸々な発言は謹んでいただきたい! 全く、カワアガニという種属は!」二人とも、「生命」5点回復ね。
ランコ それでもまだ「生命」6だよ。フハッ。「ほら、紅珊瑚も、これ食え」
GM 紅珊瑚は、果物ばかりやっていたせいか、機嫌が悪い。
ランコ 「そう言わんと、そのへんに魚でもおるやろ?」
GM フゴフゴ。君のトモガミは、兵士の死体に興味を示しているようだ!(笑)。戦闘も終わったし、キズナ判定をしていいよ。環境修正はナシで。
ランコはキズナ判定に失敗。ワニの興味を死体からそらせる判定には成功した。(そうでないと倫理的にアウトな展開である)
GM しょうがねーなー、というかんじで、君のワニはふてくされて砂浜に寝そべった。
ランコ 「共和連合の男の死骸なんて美味くないでホンマ~」
【場面10:空襲】
兵士/GM 「オニキス少佐、電波状態がますます悪化しています。熱帯性低気圧が接近しているのでは?」
オニキス/GM 「気象観測班までやられたのは不味いわね。そちらの天魂! 無線機の修理を手伝ってください。少しはできるでしょう?」
緋七 「うむっ。やりましょう」
GM 「技術」で判定だね。難易度8で。
緋七 12。「適当に、同じ色の線をつないだだけなんだけど(笑)」
兵士/GM 「少佐、風速が上がってきました。このままでは危険です」
オニキス/GM 「共榮圏の天魂も侮れませんね。さあ、周波数を合わせて、早く輸送艦を呼び戻して下さい。わたしは電子工学は苦手なんです」
緋七 心の中で、「わたしもさっぱり分からないんだけどなあ」
緋七は、周波数を合わせる判定に失敗した。そのとき、別の兵士が慌てて報告をしてきた。
兵士/GM 「大変です、少佐! あの宇宙生物は、1匹ではなかったようです。発掘した天航船の機関部にも、あの生物の卵と思われる物体があったようです! このままでは、機関部を搭載した輸送艦が危険です!」
緋七 すでに出航した輸送艦の内部に、卵があるわけか。なるほど。
オニキス/GM 「そこの天魂! 早く輸送艦を呼び戻しなさい! ホラ早く早く!」
ランコ 「そうすると、こっちに宇宙生物が来るんとちゃうか?」
緋七 もう1回判定してみよう。あっ、失敗しました。テヘッ(笑)。「このままだと、ファーグニル共和連合に宇宙竜が!(笑)」
オニキス/GM コイツわざとやってんじゃねえのか、という視線で(笑)。
GM さて、緋七が無線機をいじっていると、無感情な合成音声が聞こえてくる。
「我々ハ、〈第192工廠〉所属ノ輸送シンテツ隊デアル。我々ニ、諸君ラノ全テノ研究成果ヲ引キ渡セ」
ほどなくして、ジェットの爆音とともに、野戦司令部の上空に、全長30メートルほどの大型輸送機タイプのシンテツが編隊を組んで現れる。6機もいるね。
ランコ うわあ、これと戦うのは無理!
GM そして、機銃掃射をいきなり地上に浴びせかけてくるネ。ドドドドドド!
ランコ ひええええ! 隠れろー!
緋七 おろおろ、おろおろ。
オニキス/GM 「退避ーー! 対空戦闘用意!」
緋七 そうだ、ドサクサにまぎれて天航船の知性核を奪おう!
GM 技術、難易度12かな。トモガミというか本体にやらせるなら「動」ね。
緋七 あ、駄目だった(笑)。
兵士/GM 「オットット、知性核を忘れていたナ」
緋七 そうだ、その兵士に話しかけよう。魅力で。
「知性核を持っていると、真っ先にあのシンテツ編隊に狙われますよ! わたしが代わりに犠牲になります!」
ランコ うわ、騙している。ナナちゃん黒いよ(笑)。
緋七は魅力判定に成功、兵士から知性核を託された!
ランコ きっとこの兵士、さっきもオニキスが桃を産むところをドキドキしながら見てたんだろうなあ。
鼻血を出しながら「しょ、少佐ハアハア(;´Д`)」みたいな。
本筋と関係ない変態NPCを勝手に生やすPLであった。
兵士/GM 「じゃあ知性核はお願いします! 少佐、さあ、こちらへ!」
外から、激しい銃声が連続して響く。銃弾が貫通し、天幕にドスドスと穴が開く。
「うわあ、早く退避!」
緋七 逃げながら、知性核に訊こう。「どうすれば、あなたは星界に帰ることが出来るの?」
蒼機224/GM 「ファーグニルの輸送艦に持っていかれたわたしの機関部さえ取り戻していただければ、わたしは星界へ戻ることができます」
ランコ 「輸送艦には、掃討獣の卵が産み付けられてるからヤバイんちゃうか?」
緋七 「機関部を呼び戻すことは出来ないのですか?」
蒼機224/GM 「ここからでも、機関部の温度を上昇させて火災を生じさせるぐらいはできますが、いかんせん機関部だけでは……」
ちなみに、輸送艦の現時点の座標は、ファーグニルより、こっちに近い。火災がおきれば、艦は、島に戻ってくるだろうね。
緋七 「あなたの船体を起動させたら、あの掃討獣をそのまま星界に連れて行って、どこかに放り投げる、なんてことはできるかな?」倒すのは無理だからなあ。
GM (龍化すれば十分倒せるけどね。敢えて言わない。)
蒼機224/GM 「軌道上に掃討獣を投棄するということですか? あなた方が協力してくださるなら、可能です」
ランコ よーし、やるか!?
蒼機224/GM 「まあ、わたしの船体は無人型なので、生命の保証はできませんけど(笑)」
ランコ なんか危ないこと言ってるで、この人。
兵士/GM 「敵編隊が着陸しました! 内部より、陸戦型とおもわれる戦闘用シンテツ、多数現出! こちらへ向かってきます! 応戦しますか!?」
オニキス/GM 「待ちなさい、まずは敵戦力を分析しなければ」
兵士/GM 「少佐! 敵は、照準にレーザーを使っています!」
オニキス/GM 「かなり高度な火力を有しているようね。退避! 退避!」
ランコ 絶対絶命やないの(笑)。
緋七 「とにかく、輸送艦をこの島に戻らせて、天航船を復活させなきゃ。そして掃討獣の卵が孵化したら、シンテツ部隊に放り込んでやれば混乱が生じるから、その隙に……」
ランコ うは、なんかめっさ危険なこといってる(笑)。でも、宇宙生物がシンテツを襲うって保証はあるの?
シンテツ部隊/GM 『〈軌道華族〉の機体を、我々に直ちに引き渡せ。これは、三龍帝国との友好平和条約・第23条に基づく正当な権限行使である!』と言いながら、陸戦型シンテツが接近してくる。
キャタピラの音が響く。探照灯が強烈に君たちを照らしている。
風も、どんどん強くなってくる。
緋七 「今、嵐が近づいていますが、あなたはそれでも星界に戻れるんですか?」
蒼機224/GM 「わたしは平気ですが、他の方の安全は保証できません」
ランコ 山腹に墜落している船体までは森から300メートルぐらいだよな。機関部と知性核と船体があれば、天航船を再起動させられるわけか。
オニキス/GM 「総員、森林へ撤退! ゲリラ戦を展開せよ!」ここで、知性で判定をしてもらえるかな。難易度11。
ランコ 9(泣)。
緋七 12。
GM 緋七は気づいた。これは、どうやらただの嵐ではない。この世界で最大最強の暴風を誇る巨大永久台風、〈豪嵐〉だ!
海洋惑星である惑星アマミツヨには、赤道上に大陸がない。環赤道海流が流れており、そこに永続的な巨大台風〈豪嵐〉が発生するのだ。
襲い来る上級シンテツ部隊、惑星掃討獣、そして〈豪嵐〉。
この危機を、緋七とランコは脱することができるのか!?
つづく
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