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三年寝太郎


ひとりで街にでると
わたしは邪魔者だわ と感じる


自転車で走っていて
子どもたちの横を通る時に お母さんが
「危ないから端に寄りなさい!」って言ったり


おばさまたちの横を通ると
「奥さん自転車自転車!危ないわよ!」なんて言ったり

道行くひとを危険にさらし
楽しい時間を邪魔している


歩いていて前からひとがどんどんきて
わたしを邪魔そうに見る

道を譲ってばかりで前に進めない
わたしもどんどんゆこう!とやってみたけどダメだった
誰かが怖い思いをしているかもしれない


わたしは邪魔者でしかない
みんなに疎ましく思われていて
敵しかいない と感じてしまう


それはただの勘違いで
自意識過剰なだけとわかっている


わたしの心ではそう感じてしまうのだ
もしくはただ街の喧騒が合わないだけだ
と気を引き締める


悲しくなって
ときどきしにたくなってしまうから


小さい頃からつらいと思うことがたくさんあって
それはけして当たり前じゃないのに
当たり前にこなそうとひとりで耐えていた
そんな子のおしりをまだたたくのか
もういいじゃない と涙がでた
この子はうまれもったへなちょこなんだよ
もうむりさせなくていいよ


もう外に出なくてもいいと自分にゆるした
なにかなしとげなくてもいい
なにものかにならなくてもいい
三年寝太郎もいいじゃない

猫たちを食わせてゆく最低限だけがんばって
あらゆる不快から自分を遠ざけて


自分の心を
慈しんで慈しんで慈しんであげるんだ

必ずうごけるようになるから

もってうまれたものを
するすると体現できるようになるから


鼻歌がうたえるようになるくらい


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