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そのままの京都日記(01.11)
2025年1月11日(土)
朝は食べず、淹れてもらったコーヒーを啜る。いつも日記の書き出しに迷い、そうだったこれは「そのままの日記」だった!と思い出す。でも「朝は食べず、淹れてもらったコーヒーを啜る」の一行の中にだって、本当は覚えておきたい瞬間があったはずなのに、と惜しい気持ちになる。
ひとつ思い出したのは、部屋に陽が差し込んだときに「いい天気になってきたね」と彼が言ったこと。これは書いておこう、覚えておきたいから。
昼、パスタをつくる。冷蔵庫にあったしいたけとお揚げを細く切ったら、フライパンにオリーブオイルを回し入れて、刻んだニンニクを入れる。香りが出たら、しいたけとお揚げも入れて炒める。火が通ってきたら、みりん、醤油、鶏ガラスープの素を順番に入れて、最後に茹でたパスタを馴染ませる。少しだけ塩で味を整えたら完成。しいたけの旨みのおかげか、思ったより深い味になった。
夕方、新風館のアップリンクで『ロボット・ドリームズ』を観る。わたしは2回目。隣の女性がボロボロ泣いていて、わかります、と心で声をかけた。彼の感想は「ずっとかわいい映画だったね」だった。その通りだ。
ぐんと冷え込んだ夜、一乗寺の「そば鶴」さんを訪れる。「アテが美味しすぎて、蕎麦に辿り着けなくなる」と聞いていたけれど、本当に。焼き物、揚げ物、小鉢、お品書きが充実していて、すべて魅力的。
長芋のたたき、すじこん、お造り、だし巻き、子持ちししゃも、白子の塩焼き、カキフライ、蛸のぬた和え(書き出すとすごい品数)と、3人で結構な量を食べて、蕎麦の前に満腹に。とはいえ蕎麦を食べずには帰れない。友人と1枚のせいろを半分ずつ分け合う。澄んだ水のような、雑味のない蕎麦。満腹だったことなんて嘘みたいに、するするお腹に入った。
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夜更け、最近オープンしたという「koen」のイベントへ。到着すると、大きなテーブルをぐるりと囲むようにして、たくさんのひとが談笑していた。賑やかな夜。また新しい京都を覗けた気がして嬉しかった。
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きっとわたしは今「東京から遊びに来ている」と「東京と京都を行ったり来たりしている」の、ちょうど間にいるのだと思う。日々のすべてが新しく感じる高揚感と、ほんの少しの所在なさが混ざった、転校生みたいな季節。せっかくだから、今しか感じられないものを存分にたのしみたい。