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グローバーオールのダッフルコート/ホンモノやブランド物の持つ意味

冬になると、ダッフルコートは老若男女に着用される。男女問わず着られる機能的なデザイン。カジュアルにも少々きちんとした場でも身につけられる許容範囲の広さ。そのダッフルコートなるものを初めて作ったメーカーがイギリスのグローバーオールという衣料メーカーである。1951年の創業以来ダッフルコートを作り続けている。今年で創業71年目になる老舗メーカーだ。

その「ホンモノ」のダッフルコートがだいぶ前から我が家にはある。古着ではなく新品で買った物である。調べてみると今も恐ろしく高い値段がつけられて売っているようだ。

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↑ジャーナルスタンダードのHPから写真をお借りしました。

実はこのダッフルコート、売っていた小売店が閉店するということで投げ売り同然のとんでもない安値で売られていたの。みけ子はブランドにはとんと疎いのだけど、めざといダンナが見つけて「これは絶対買いだ!一生モノのコートだ!」と強調したので買うことにしたのだ。正規品の1/10以下の値段だった。正規の値段なら買うことはなかっただろう。

そのダッフルコート、男物でサイズもLサイズだったからとてもみけ子が着られるものではなかった。大きい上にとっても重いの。だけど実はこのサイズ大きめのダッフルコートを重宝して着ていたことが一時期あった。それは子どもをおんぶしていた頃にママコートとして着ていた時だ。

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幼稚園に通っていた長女を迎えに行くのに、長男をおんぶしてママコートとしてこれを羽織った。サイズが大きくて、しっかり厚地。風も通さないし少々の雨や雪でも大丈夫。オーバーサイズのダッフルコートがママコートとして大活躍してくれた。寒い夕方の長女のお迎えの待ち時間、このコートが赤ん坊だった長男と私を暖かく包んでくれた。私がこのダッフルコートを着たのはこの時だけだ。

良いもの、本物は長く使い続けられ買う時は高くても結局は得だ、ということはある。

だけど私自身はどうしても本物がいい、とは実は思っていないの。ホンモノやらブランドに価値を求めるのって何なのか……?と思うことが時々ある。自分自身が本物とは程遠いテキトーな人間だから(笑)。そして結局ファッションは着る人を引き立てないと意味がないと思っているから。似合うか似合わないか、だけだ。似合わない服はその人にとって価値がないと思っている。ブランドの高価格と本物であることの価値。そして着こなしている、とはとてもじゃないが言えない着方をしていた自分。

たまたま手に入れた「本物の」ダッフルコートは入手して20年近くたった今もウチのクローゼットにある。さすが上質な生地としっかりした縫製で作られたもので、型崩れも傷みもなく買った時とほぼ変わらない状態のままだ。

そしてママコートの下でおんぶされていた、赤ん坊だった長男は来春には成人する。今や我が家で一番背が高く、私にはダボダボだったダッフルコートをちょうどピッタリサイズの冬の防寒着としてここ数年毎年お気に入りで着ているようだ。

ママコートとして着ていた思い出もその「本物の」ダッフルコートには宿っているのだが、いまだに自分には「ファッションとブランドや本物」の価値や意味がわかっていない。ブランドにはまるで疎いままだしほとんど所有もしていない。

そんな事だからどんなに素晴らしい価値のあるブランド物であろうとも、自分には「豚に真珠」でしかないと思っている。








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