肩の力を抜いてって言うけれど
肩の力を抜くって、どういうことだろう。肩肘張らずに、身体の余分な力みや気張りをせずにってことか。気合いを入れる、頑張ると言うのとは逆の状態を言うのかな?
みけ子がその肩の力を抜くって事が出来るようになったのは、実はつい最近の事だと思う。つまりこれまでは、気合いを入れて頑張って必死になって何かをこなしていた。そうしていたのはつまり
がんばって気合いを入れて取り組まないと、人並みな事が出来なかったからなのだ。💦
元々、器用に色んなことをこなせる人間ではなかった。新しいことや知らない事、やった事がないことに取り組むのが恐ろしく苦手だった。本当に段取りが悪くて頭の回転も早くはなかった。理解力もイマイチだし。謙遜ではなく事実ずっとそうだった。
出来ない自分が悔しかったし、出来るようになりたかった。頭の良い人やテキパキ出来る人が心から羨ましかった。「何モタモタしてるの?」って出来る人の視線が怖かったし、実際そう言う人たちを避けていたと思う。バカにされたくなかったし、自分の出来なさ加減を思い知るのもイヤだったから。
以前、ホテルの客室清掃の仕事をしていた時のこと。先輩に当たる人がいつも何か仕事のことを自慢気に話していて「なんかこの人苦手だなぁ」と思っていた。自分の優秀さ加減をひけらかしている、というか何と言うか。そんな感じがしていたのだ。
しかしある日。その人とチームを組んで同じフロアを掃除することになったら、みけ子のことをフォローしてくれたり、さりげなく手伝ってくれたり。その人は別に優秀さをひけらかしていた訳でも何でもなく、「ただ本当に普通にしているのに賢くて、仕事が早い」人だと言うことが分かった。だから極フツーに自分のことを話しているだけが、出来ないみけ子からは「自慢している」ように聞こえてしまったらしい。普通のレベルが高い人だったのだ。そんだけ、その頃の自分はどうしようもなく「仕事が出来ない人」だった訳だ。
そうなんだよね、そんな優秀な人と少しでも肩を並べたいと思ったら、「気合いを入れて、精一杯やるしかなかった」のよ。リラックスなんかしてたら、そのスピードとキレイさが求められる仕事では、全く成果を出せない。きっとどこかの時点で、その仕事を辞めざるを得なかったと思うのだ。
幸にして、雇い主からクビを言い渡されることはなかったが、その職場で仕事をしていた1年半ほどの間、ずっと気持ちの上でも体力的にも無理をしていた。自分がどんなに出来ない人で、テキパキと素早く、段取りの良し悪しと体力も求められる仕事が合わない人だったかを思い知った。
ひとまず、クビになった訳でも中途半端で仕事を投げ出した訳でもなく、パートだったけどフルで働いた。社会保険も付けてもらっていた1年半だったから、まずまず上出来と自分では思うのよ。
そのホテルの客室清掃で働いていた時に、自分が短時間に仕事の成果を出すことを要求される仕事が、途轍もなく苦手だったことを思い知った。
その仕事に比べると「面倒な人間関係なし、時間内に終わらせれば良い余裕のある仕事、自分でスケジュールを組んで実行すれば良い現在の仕事」は、まさに「肩の力を抜いて出来る仕事」なのだ。
大変な仕事をくぐり抜けての現在だから、自分のペースで肩の力を抜いて出来る仕事であることが、非常にありがたい。
表題写真のような優雅なスイーツと紅茶などを、平日午後にのんびり楽しめたりするのも現在の仕事のお陰だ。高給取りでも何でもないけど、自分の実力からすればとても恵まれていると言える毎日だ。
↓家の中で過ごす時間が長くなる秋。こんな明るい花模様のピッチャーにコスモスをいっぱい飾ったら素敵ですよ〜♬