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全身を泥で洗う

ガスールという美容素材をご存知だろうか?モロッコ産の乾燥させた泥のカケラを水で戻して、パックにしたり入浴剤がわりに使う。使おうと思えば、洗髪にも使える。

灰色のカラカラに乾かした、固形のものをかつて使っていた。10年以上前の美容関係にどっぷりと関心を寄せていた頃のことだ。その当時に買ったものを、洗面台付近を片付けていて発見した。開封してあるし重さとカサがあるので、メルカリで売るのは難しい。無くなるまで自分で消費するしかないな。泥だから消費期限も関係ないだろう。

このガスールを買った10年ほど前のこと。その頃はこういう物を風呂に入るたびに顔に塗りつけたりして楽しんでいた。天然素材で余計な香りもない。とにかく大地から採取されたただの「土・泥」というところに魅力を感じて使っていたんだと思う。

こんなカラカラに乾いた、泥の小さな塊り
これは旧紙パッケージ。いま販売されている物は
プラスチック製の別のパッケージになっている

このガスールを入浴時のパック等で使っていた頃は、両親の介護でとにかくストレスフルな毎日だったと思う。時間がある時はできるだけゆっくり入浴し、夕食時にはほぼ毎日ワインを開け酔っ払って眠る毎日だったように思う。自分が出来るだけ気分よく過ごせるように気をつけないと、何かのキッカケで自分自身が潰れてしまいそうだった。よくあんな毎日を過ごしていたなぁ、と今になって思う。

洗面台付近を片付けていたこの日は、久しぶりに何も用事のない1日だった。昨日作った、作り置きのスープもまだ鍋にたっぷりある。買い物にも行かなくて良かった。だから洗濯機の排水ゴミ受けの掃除とか、洗面所、トイレと風呂場も時間をかけて丁寧にやった。キレイになった風呂場に、泥状にふやかしたガスールを持ち込んだ。夕方でまだ家族は帰って来ていない。顔のパックと全身の泥マッサージ、それでもまだ余っていたので洗髪にも使ってみた。軽く濡らした髪と地肌に泥状のガスールをもみ込んで、全身泥まみれだ。どろんこ遊びをしているようでなんだか楽しい。

そんな感じで小一時間ほど入浴時間に費やした。泥の美容素材を思いっきり使った後は、また風呂の掃除が必要になる?と思ったが、シャワーで流せば済む程度だった。

みけ子は洗髪する時は、固形せっけん(アレッポのオリーブ石鹸)か、粉状のせっけんをお湯で溶かして液体にしたものを使っている。それももちろん良いけれど、泥で頭を洗った後は、何となく頭が軽くなったような感じがして気持ちが良かった。気のせいだと思うけど。

美容関係や化粧品に一生懸命に入れ込んでいたあの当時。楽しかったけど、今思うとそのハマり方やのめり込みようが尋常じゃなかったような気もする。お金もたくさんかけたし、目新しい美容講座を目的に上京までした。

それがいま何かの役に立っているかなぁ?無駄だったとも思えるけど、そんな風に入れ込む対象があったから救われたのかも。両親とも介護ってフツーじゃない状態でも、自分はかろうじて自分らしさを保っていられた気もするのだ。



↓実用性のある金属製のテープカッターです。卓上の小物にもお気に入りを使いたい方は、是非。


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櫻井みけ子久美
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