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高校卒業間際〜専門学校生の半ばまでアルバイトしていたハンバーガーショップ

まだ10代の頃、アルバイトでハンバーガーショップに勤めていた事があった。学校帰りに繁華街をぶらついていて、店先のアルバイト募集の張り紙でも見つけて応募したのだろう。どんな感じで採用の面接があったとか、履歴書を持参したのかなど細かいことは覚えていない。

勤務する前に、本部の控室で研修用のビデオを見せられ、接客の基本を簡単に教えられた。ビデオではTVの語学放送のような感じで「後について同じように繰り返して言ってみてくださいね♬」「いらっしゃいませ。お持ち帰りですか?」「ご注文は@@バーガーとコーラのM、ポテトのSですね?」「合計で**円です」「ありがとうございました。またお越しください♬」とファストフードショップで今もスタッフに言われるセリフを何回か復唱して簡単な研修は終了。すぐにシフトに入ることになった。

明るいカラーのワンピースのユニフォームを着て、紙製の店名ロゴが入ったキャップをかぶり店先に立った。最初は緊張でガチガチ。「いらっしゃいませ」と言うのもぎこちなかったが、そんな挨拶もすぐに慣れて笑顔と共にスムーズに口から出せるようになった。

ユニフォームを着て笑顔で接客。それは良いのだが、なんせそんなに賢くもないみけ子のことだ。お店の商品の値段がちっとも覚えられない。お釣り銭を間違える、注文商品を渡し間違える……(T . T)  一生懸命だったけど、そんな間抜けなスタッフだったよ。

小さなミスはとにかくたくさんしでかした。開店間もなくの朝早い時間は、通勤前にテイクアウトでハンバーガーと飲み物類を買うお客でかなり混み合った。その混み合う時間帯は接客に慣れていなくて、最初の半月くらいはアルバイトに入るのが恐怖だった。それでも何とか仕事は辞めずに続けたのは、まぁまぁエライとは思う。だけどきっと、一緒に仕事をしていた先輩たちには迷惑を掛けまくっていたとは、今更ながらに思うのよ。

そして、今でも思い出すそのファストフード店勤めで最大の「大ポカ」な事件がある。みけ子は先輩店員の指示でレジで使う小銭類の両替で銀行に行くことになった。両替するためのお札(結構大金)を持ち、お金を入れた蓋付きの紙箱を小脇に抱えて銀行に向かった。雪の降る寒い日だった。しかし、向かった先の銀行に着いて窓口に行くと「当行ではそちらのお店との取引はありません。どこか別の銀行とお間違えではありませんか?」と言われてしまった。

自分は両替などどこの銀行の窓口でも問題なく出来ると思っていた。先輩から言われていったその場所の銀行が指定された銀行だとばかり思い込んでいたのだが、どうも違っていたらしい。かなりの金額の硬貨の両替だったのでそのように言われたみたいだ。それでそのまま一度お店に戻れば良かったのだが、「あ、きっとあそこの銀行だ」と勝手に思い込み、何ヶ所かの銀行をまわり雪の降る中、小一時間も大金を抱えてその周辺をウロウロしてしまった!

両替に行ったままなかなか戻ってこない新人アルバイトに、そのハンバーガーショップの先輩はイライラハラハラしながら気を揉んで待っていただろうと思う💦(自分がシフトに入っていた時間帯は販売が1名、製造が1名の2人体制でお店を回していた)何とか無事に両替を終えて戻って来たけれど、早とちりで目的の銀行とは違う銀行に行く自分の出来なさ加減に、自分でも心からうんざりだった。しばらく落ち込んで立ち直れなかったよ(T . T)

そのお店には卒業制作で忙しくなって、辞めるまで2年ほど勤務したか。そんな使えないアルバイトであった自分を、それでもクビにもせずにそのまま使ってくれたチェーン店のハンバーガーショップも現在はもう無い。ありがたいやら情けないやらで、その時のことを思い出すと今もいたたまれない気持ちになる💦


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櫻井みけ子久美
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