The American people want a solemn ass as a President.
サイモン・ブラックが“The American people want a solemn ass as a President.”というレポートを書いた。
第10代アメリカ大統領ジョン・カルビン・クーリッジJohn Calvin Coolidge Jr.は評価の別れる人だ。
アメリカの研究者の中には、彼をワースト歴代大統領ベスト10に入れる者もいる。「曰く何もしなかった男・自由競争を放置したため大恐慌を招いた男」
しかし・・たとえばレーガンは彼を尊敬すべき大統領の一人として執務室に彼の肖像画を飾っていた。
レーガンが見ていたクーリッジは、任期中に4回の大減税を実施し醜く肥大化していた財政赤字を徹底的に削減した男だった。ではどのくらい削減したのか?、クーリッジは、在任中の6年間(23-29)年22.3億ドルから16.9億ドルへ削ぎ落したのである。これは20世紀最大の削減率だ。彼は「小さな政府のアメリカ」を目指した。「アメリカの仕事(ビジネス)はビジネスだ」という言葉を残している。
サイモン・ブラックはこう書く。
「クーリッジが大統領になったとき。内務長官は賄賂を受け取っていた。退役軍人局長が資金を横領していた。ハーディングの親友たちがホワイトハウスへの陳情仲介を商売にしていた。そしてFBI捜査官は、ギャングからリベートを受け取っていた。
人々は、そんなアメリカにうんざりしていた。政府に対する国民の信頼は、南北戦争以来見られなかった最低レベルまで急落していた。
さらに事態を複雑にしていたのは。上下議会が内紛で瓦解していたことだ。12月初旬の議長選出するときも、下院が妥協点に達するまでに9回の投票が繰り返すほどだった。
たしかに1923年には、アメリカ世界最大の経済大国になっていたが、けっかとしてもたらされたのはスキャンダルと機能不全だった。
クーリッジは、これらの困難に敢然と立ち向かった。彼は前任者のスキャンダルに断固と対処し、関係者全員を解雇し、起訴を次々とおこなった」
僕はサイモン・ブラックのレポートを読みながら"Why Coolidge Matters: How Civility in Politics Can Bring a Nation Together"を思い出した。
なぜ現メディアは、ウッドロー・ウィルソン、フランクリン・ルーズベルト、ジョン・ケネディ、リンドン・ジョンソンたちを偉人とするのか?
アメリカを「富める国」にしたクーリッジやレーガンが誹謗され、歴代ワースト大統領という評価をうけるのか・・今一度考えてみるべきだ。
ちなみに・・日本人にとって「黄渦論」の立役者のようなレッテルを貼られることが多いクーリッジだが、関東大震災の時、最も支援をしてくれたのは彼/アメリカだったことを忘れてはならない。
震災発生時9月1日の夜、クーリッジは直ちに大統領令を出し、フィリッピン・マニラや清国に寄港していた米軍艦隊に救援物資を届けるように指令している。そして彼自身がラジオの前に立ち「困難に直面している日本を助けよう」と演説し、800万ドルの義援金を集め、これを日本に送っている。
日本ではまだ対策本部すらできていなかったときだ。いかにクーリッジが即応即断の人だったか・・このことからも判る。