夫婦で歩くプロヴァンス歴史散歩#10/アヴィニョン#10
https://www.youtube.com/watch?v=zMkSbhA-zDc
アヴィニョン宮殿を正面から出ようとしたら、嫁さんが言った。
「このあと、なにか行きたいところあるの?」
「いや、サンベネゼ橋を見て昼してからホテルに戻ろうかなと思ったんだけど」
「どこか行きたいところが特別になければ、もう一度レアール市場Les Halles d'Avignon(18 Pl. Pie, 84000 Avignon)へ行きたいんだけど・・」
http://www.avignon-leshalles.com/
「おお!いいね。だったらまたホテルのほうへ出ないと、こっちからは遠回りだ」
レアール市場はティエール通りRue Thiersにある。
「じゃ、案内頼む」と僕がホテルの前で言うと
「案内?自分で案内できるなら亭主なんか飼っておかないわよ。連れてって」って居直られた。
「確かサン・ピエール教会Basilique Saint-Pierreの先だったよな。だいたいわかる」
「そば行けばわかるわ。あなたは一回行けば30年経っても必ず行ける・・というのが自慢なんでしょ?連れてって」
「ハイ奥様。でも12:30時からランチの予約が有るんだ。12時までには終わらせてな」
はは♪返事はなし。どうやら自分でも買いたいものが有るらしい。
レアール市場Les Halles d'Avignonはティエール通りにある。何年か前、アルルへ行った帰りにアヴィニョンに寄ったことが有るそのときに街歩きをして偶々見かけたので大体は憶えていた。サンピエール教会からはエルサレム通りPl. Jérusalemを抜けるとすぐに辿り着いた。
「ああ、ここ。ここ。昨日の先生が連れてくれた通りと同じコースだわ。あなた、ホントは後ろから付いてきてたんじゃないの?」
「よくわかったな」
「そうだと思ったわ」
ンなわけきゃないだろ、と言ってもめんどくさいから止めておいた。
https://www.facebook.com/hallesavignon/?locale=fr_FR
レアール市場は・・調べると1624年に開業したそうだ。400年経っている。アヴィニョンの画家ピエール・グリヴォラスPierre Grivolasが1868 年にその姿を描いている。Musée Calvet(65 Rue Joseph Vernet, 84000 Avignon)で見ることが出来る。
https://www.musee-calvet.org/
少し歩いてみると・・パンやチーズなど。肉屋、魚屋、肉加工業、八百屋、ペストリーなど・・そのほかの食材が肩を並べている。ワイン屋もあった。
インドアだから、市場の中に幾つかコーヒーショップが有った。そこに座って嫁さんを待った。
レアール市場が今の形になったのは1899年からのようだ。それでも120年以上過ぎている。活き活きと今なお活動してことが素晴らしい。
しばらくして嫁さんが戻った。手にいくつか袋を下げていた。それどうするの?と思ったが黙ってた。
「ワイン、買わないの?」と嫁さん。
「買いたいのがないな。地元のもので面白そうだが・・買っても、ずっと持って旅行できないからな。自宅に送るワインは昨日、近くのワイン屋で買ったよ」
「あそ・・なにも買わないの?」
「買わない。そろそろ行こう」僕が言うと荷物は全部僕に手渡した。
出口に向かいながら「また来たいわあ」と名残惜しそうに振り向いていた。「こんなフレンチ向きの食材、日本だと手に入らないのよね~」
そりゃそうだ。ここ、フランスだからね。突っ込みたいけど黙ってた。
ランチの予約していたRestaurant SEVIN(10 Rue de Mons, 84000 Avignon)はホテルへ戻った方にある。
入り口の前で「ちょっと待って、荷物、ホテルに置いてくるわ」と言った。僕はレストランの前で待った。
https://www.restaurantsevin.fr/
席は広場を見渡すテラスだった。
ここは以前、クライアントに案内されたことが有る。素晴らしい店だ。その時にランチもやっているという話を聞いたので、今回の旅行で使ってみることにした。
席について、前菜に手を付けた瞬間、嫁さんが止まった。
「なにこれ!」
「いい店だよな」僕が言うと、返事しないまま食事を続けた。
「しばらくアヴィニョンに住みたいわ。勉強できること、いっぱい・・」
「そりゃ、ありがたい。また来よう」
僕はワインを選んだ。
M. Chapoutier Ermitage de L'Oréeの2000年が有ったので、これにした。
「こんな素敵なお店、ランチだけでさっさと帰れないわ」嫁さんが言った。
「大丈夫だよ。コンシェルジェにもしかするとホテルへ戻るのが遅くなるかもしれないから、TAXIは待ってもらうようにしてと言っといたから」
「あ・そう・・うれしいわ」
結局ホテルに戻ったのは午後2時過ぎになった。タクシーはホテルの玄関で待っていてくれた。
一度、コンシェルジェに挨拶をしてホテルを出たのが2時半頃。次の目的地まではローヌ川を北上、小一時間はかかる。