ベルジュラック02/サンテミリオン村歩き#47
ベルジュラックの駅には予約したTAXIがプレートを持って待っていてくれた。手を挙げると笑顔でクルマまで案内してくれた。
「わざわざプレートまで用意してくださったのね」嫁さんが言うとドライバーが笑った。他にも降車する方がいますからね。予約済をアピールするのが目的なんです」完全なイングリッシュスピーカーだった。
「もしよろしければ、明日、ホテルへお迎えに行くときも、コレを持ちますよ」と笑った。
予約したホテルはLe Colombier de Cyrano et Roxane(17 Rue du Grand Moulin, 24100 Bergerac)という。2kmほど先のドルドーニュ川に近い旧市街グラン・ムーラン通りに有る。
https://www.lecolombierdecyrano.com/
クルマは5分ほどで到着した。
「お天気なら歩ける距離ね」
嫁さんがクルマを降りようとすると、ドライバーが急いで傘を差し出してくれた。お礼を言いながら前の公園に有る白い彫像に気づいた。少し上を見つめている像である。
「シラノ・ド・ベルジュラックだよ」
「あら!ベルジュラックの人だったの?」
「いや違う。彼の名前となったベルジュラックは、パリの西サン=フォルジュにあるあベルジュラックという地区のことだ。彼の祖父はサン=フォルジュの祖父だったからな。それでその名前を使っているんだ。それが、いつのまにかこのベルジュラックの人のようにされているがな、彼がドルドーニュのベルジュラックへ来たことは一度もない。パリで生きてパリの近く(サンノア)で死んだ人だ」
「あらま。。なんとなくがっかりね・・でホテルは?どれ?」嫁さんが周囲を見回した。
僕が目の前の2階建ての古民家を指すと、嫁さんはベルジュラックの彫像のように上を向いて立ち留まった。
「これ?」
「ん。18世紀に建てられた屋敷を改造してるそうだ。Colombier de Cyrano et Roxaneだからシラノとロクサーヌの鳩小屋という名前だよ」
「・・ああ。そう・・ふうん、鳩小屋ね。そう言えばB&Bの看板が出てるわね」
ついでにロクサーヌというのはシラノの妹だという話をしようと思ったがやめといた。
レセプションに到着を告げると、チェックインは15時だったが快く部屋へ案内してくれた。ちょっとキツい階段を昇った2階だった。部屋は文字通りフランスの古民家の雰囲気だった。
荷物を置くと、さっそく嫁さんがお腹すいたと言い出した。1階へ降りると、レセプションにいた男性が傘を2つ渡してくれた。礼を言いながら、この近くにお勧めのレストランはないか聞いてみた。男性は指を立てて「ちょっと待って」というと電話をしてくれた。
「この先にL'Imparfaitというレストランが有ります。素晴らしい店です。必ず気に入られると思いますよ。予約が取れそうですが如何されますか?」予約をお願いした。
男性は、自分も傘を差してシラノの彫像が有る交差点まで一緒に出てくれた。
「マソー通りRue de Mazeauxを行くとすぐなんですが、幾つか路が交差しているので、マソー通りがどれだか判り難いので通りのところまでご案内しましょう」そう言ってくれた。
たしかに六差路で判りにくい。教えてもらわないと迷うかもしれない。店はマソー通りが大きく右に曲がった角に有った。
L'Imparfait(8 Rue des Fontaines, 24100 Bergerac)
http://www.imparfait.com/
クオリティは、びっくりするほど高かった。