柳家小ゑんさんの「アキバぞめき」のこと
感動した。ジャケットもいい。
柳家小ゑんさんの「アキバぞめき」
聞きながら、ネタのほぼ100%が分かる自分がコワいな・・と思った。
噺の描く世界は、元々狭いものだ。そして狭いからこそ、その場所を知っている聞き手から強い共感を得るものだと思う。
「アキバぞめき」はすごい。あの時代の、あの場所を知っている者には、ズシッとくる噺だ。
http://www.radiodays.jp/item/show/300502
吉原を描く話も品川宿を描く話も、そこを知ってる人にはきっと目の前に鮮々と浮かんでくる噺だったんだろうと思う。落語の醍醐味は、そこに有ったんだろう。
先代金馬の書き残したものを読んでも、落語の背景になっている場所の地誌について、感心するほど噺家さんたちは詳細に調べていることが分かる。よく金馬が枕で「メモ取っても良ござんすよ。」と言っていたが、噺の裏に有る含みは、それほど膨大なものなのだ。
でもね。それだけじゃない。落語の凄いのは、その場所を知らなくてて、聞く者に、その場所の匂いや風を嗅がせてくれることなんだよ。またそれが出来る演者がいることなんだよ。
柳家小ゑんさんは、まさにそれが出来る巧者だ
無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました