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夫婦で歩くブルゴーニュ歴史散歩4-2/バスを使ってヴォーヌ・ロマネ歩き#01

VOSNE-ROMANÉEまでは車上20分弱。
「コンブロンシャン・・ね。大理石もその名前なのね」嫁さんが窓の外を見つめながら言った。F974からは石材所は見えない。でも割とショックだったようだ。
「由来のBLANCAはゲルマンの女性名だそうだ。CORは農民という意味。TAKAは地名にするときの接尾辞だよ。COR-BLANCA-TAKA。これが語源だそうだ。「Climats et lieux-dits des grands vignobles de Bourgogne: Atlas et Histoire des Noms de Lieux Relié(https://www.amazon.fr/Climats-lieux-dits-grands-vignobles-Bourgogne/dp/291623120X)」にそう書いてある」
「クリマの本も役に立つのね」
「ん。たしかに」

VOSNE-ROMANÉEの名前が付いたバス停は二つある。
19.VOSNE-ROMANÉE Petite Auberge
【06:41 07:43 08:48 10:05 12:46 14:46 17:25 17:53 18:46】
20.VOSNE-ROMANÉE Nord
【06:42 07:44 08:49 10:06 12:47 14:47 17:26 17:54 18:47】
前者はヴォーヌ・ロマネの入口であり、後者はちょうど真ん中。畑の中にある小さな小屋のようなバス停だ。僕らはひとつ前のPetite Aubergeで降りた。こちらのバス停は目印の小屋もない。小さなポールの看板一つで、ここを目指して歩いて来たら絶対に判らないタグイだ。
目の前に明るいワイン色したレストランRestaurant La Toute Petite Aubergeの裏側がある。
バスが停まって降りた時、最初はホントに「おいおい此処かよ」と思った。
Restaurant La Toute Petite Auberge⇒とHOTELのサインが見えるので、それを追って細い横道を入ると目指すホテルに辿り着いた。
Le Richebourg Hotel, Restaurant & Spa(Rle du Pont, 21700 Vosne-Romanée)
http://www.hotel-lerichebourg.com/


荷物を置いて、食事は隣のRestaurant La Toute Petite Auberge(5 RN 74, 21700 Vosne-Romanée)へ入った。いずれにせよ夕食はホテルのレストランになるからだ。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100063562210907
しかし・・どうやら要予約らしい。でも「隣に泊っているんだよ」とガルソンに言ったら「だったらランチは当店にしなさい」とウインクされて言われた。スターターなしの素敵なランチだった。ランチにワインが出たのが、ちよっとたサプライズだった。
「ロマネ村は、いつ来てもランチには困ってたけど、ここは良いわね」と嫁さんが喜んだ。
「泊まるところもな。いつも食事に困る」
実は此処を含めてロマネ村には4軒しかホテルがない。
Le Richebourg Hotel, Restaurant & Spa(Rle du Pont, 21700 Vosne-Romanée)
http://www.hotel-lerichebourg.com/
La Cuverie De Vosne(1 Rue des Communes, 21700 Vosne-Romanée)
http://lacuveriedevosne.fr/
Maison d'hôtes la Colombière(11 Rue des Communes, 21700 Vosne-Romanée
http://www.lamaisondejacqueline.fr/
La Maison de Jacqueline(17 RD 974, 21700 Vosne-Romanée)
http://www.lamaisondejacqueline.fr/
しかし、Richebourg Hotel以外はレストランがない。朝食だけだ。ケータリングしてくれるところもない。
つまり、観光客はツアーガイドの車で来て指定された所を彷徨して帰る・・場所である。
つまり、夕食は村の外へ出て済ませて、ホテルへ戻るという選択になってしまうのだ。・・となりのNuits-Saint-Georgesのほうが少し大きな町だから、ここには幾つかレストランがある。
だから、ロマネ村での宿泊は、僕は此処一択としたい。

ランチの時に出たワインのボトルを見ながら嫁さんの「どーして」病がはじまった。
「VOSNE-ROMANÉEでしょ?どうしてBEAUNEじゃないの?場所は近いけど、違う言葉からきたものなの?ラテン語じゃないの?」
「またムツカシイこと聞くなぁ。ラテン語じゃない。
Beauneは・・ほら、そばに泉があったろ?Bouzaiseだ.アレが語源だ」
「へえ、泉ってガリア語なの?」
「ん~違う。もしガリア語由来なら・・泉はAcionnaが水神だからそう呼ばれていたはずだ」
「はず?なぜはず?なの」
「文字がないからな。分からない。Bouzaiseに替わったのはサン・マルタンのころだ」
「あ・でた。サン・マルタン。よっぽど嫌いなのね」
「別に嫌いじゃない。Bouzeというのは、塵とか泥とか・・食事の時に言い難いが・・クソという意味だ。ガリアの清らかな水神の泉を、それに替えたのはサン・マルタンとそのご一行という話さ」
「あぁ、あなたの云う神殺しね。そんなことまでしてるの?」
「そうだ。Acionnaの息吹は、力ずくでBouzaise/クソの流れに言い換えられた。それがBeauneの語源だ。
ところが・・Vosneは違う、どうやらvidumosのことらしい。vidumosは森のことだ」
「あ、水じゃなくて森」
「も一度クリマの本を引っ張り出すと。”Climats et lieux-dits des grands vignobles de Bourgogne: Atlas et Histoire des Noms de Lieux”の中に、文献として『Abbaye de Bèzeベーズ修道院が残したワインの産地の話にVaonaとある・・というのが最初だ。630年だ。同書によると、村にはVaonaという泉が有ったという。森の中に隠れた泉だからVaonaなんだろうな」
「そっちはサンマルタンの御一行様はまかり通らなかったの?」
「vidumosは、ただの森のことだからな、神様の名前じゃない。このVaonaという名前は、Bornueという川の名前で残ってるよ。このレストランのそばを流れてる小川だ。この辺から村に向けて暗渠になってる」
「帰りに見てみましょ」
「そうしよ」

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勝鬨美樹
無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました