文化を壊すステルス値上げの厄災
商いの本質的な道義感/正すべき襟が崩れ始めてるように思う。・・背に腹は、というやつなのか?
先日、店を閉めるのが遅くなっちゃったんで「ピザでも頼もうか」とママが言いだした。無類のピザ好き(アメリカ人の血)としては大歓迎なんだ。喜び勇んで、近くにできた持ち帰り半額のピザ屋に出かけた。
・・ところが愕然とした。チーズと生地の品質劣化が目に余るのだ。とくにチーズ。まるで韓国製かなんかの混ざりもの満杯の、まさに「とろけるチーズ(のようなもの)」になっていた。生地の小麦粉も酷い。
食えたもんじゃないピザに出会うことは、あまりないのだが・・まさに「食えたもんじゃ」なかった。
「どこもかしこも、デリバリーピザはこんな劣化してるのか!」僕が言うと、嫁さんが「これでも良いというお客さんがいるということでしょ?」と達観したようなことを言った。そんなこと言うから、よけいムカっぱらが立ったが、嫁さん相手に怒るような話じゃないから「ううううう」といって黙った。
結局、ピザは半分も食べられなくて・・ゴミ箱いき。もうたのむことはないだろう・・人生の大事な楽しみを一つ失ったような落胆感があった。まともなデリバリーピザが食べたかったらNYCに帰るしかない・・ということか・・
原価の高騰を品質の劣化で補う。これが日本式ステルス値上げか・・そう思って暗くなった。やはり・・どこかで、商いの本質的な部分が壊れ始めてるように思う。
先日、和歌山へ出かけたとき、一泊35000x2というところを選んだ。ネットに食事が秀逸という書き込みがあったからだ。
そしたら、いわゆる「ゴートゥ・トラブル」てぇやつで、県民は格安で(5000~6000)で泊まれる集客にぶつかっちまった。そこはディナーもモーニングもバイキング方式で、他の泊り客と同じところで、同じものを食べる。
つまり一泊35000x2の客も6000円の客も、同じ場所へ押し込み同じものを食べさせるのだ。もちろん食事の喧騒ぶりは、ガッコの学食なみだった。・・・・二泊の予定だったが、さっさと一泊で逃げて帰ってきた。
こんなことが続くと日本式スタグフレーョンの過ごし方が、垣間見えるようで辛いなぁ~しかしこうした「ステルス式値上げ」一体全体どこまでできるのか? どこまで国民は我慢するのか? そのうち、定食屋の白飯も、中国なみに米の形をした発泡スチロールを10%くらい混ぜるようになるのか?
食だけではない。こうした度すぎた「ステルス値上げ/シュリンクフレーション」は、日本のあるべき姿を荒廃させる。
無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました