90st3aveのウチのアパート
911以降のNYC。マンハッタンは激変した。 安全な街になったのだ。
かっぱらいも、ボトラーズも、出会うのが難しい街になった。すごいね。本当にそう思う。 我が家がアッパーイーストサイドに越したのもその頃だ。90thの3rdである。 総数三千世帯のアパートである。うちは37階だ。
マディソン・アベニューからパーク・アベニューにかけて、この辺りに立ち並ぶビルは瀟洒な美しいものばかりである。うちのアパートも見事だ。アッパー・イースト・サイドは間違いなしに金持ちたちの街なのだ。ほとんどのマンションの前には正装したドア・ボーイが立ち、不審な闖入者が無いように目を光らせている。(不審な闖入者とはもちろんワタクシのことです。)特にパーク・アベニューからマディソン・アベニュー、5thアベニューに繋がる各ストリートは、まさに彼らの聖域である。
この辺に住んでいるミリオネラーは掃いて捨てるほど居る。アスター家、ホイットニー家、ヴァンダーベルト家なんて名前を挙げたらきりがないほどの豪邸・富豪の家が有るのもこの付近である。
はっきり言って、僕の趣味とは相当ずれる。だから家内とムスメで、ここを決めたとき、僕はグズった。
「どうせスタバはないんだろ。スタバのない街にゃ住みたくないなあ」
NYCを席巻しているスタバも、アッパーイーストには極端に少ない。ここに住む人々は、スタバなんそというシモジモの者が行く店は利用しないのだ。
「大丈夫。ワンブロック先にあるわよ。」ムスメが言った。それで・・アパートは此処に決まり。
でも僕はその頃一番多忙なときだったので、殆んどそのアパートに帰ることはなかった。なので嫁さんが毎日「今日の窓から見た夕景」というのをメールで送ってくれていた。それを見て、癒されていた。
マディソン・ストリートの有名ブランド・ブティック巡りをした後は、ほんの少し足をのばして、この街を歩いてみよう。大きな犬を連れてセントラル・パークへ散歩に出かける見事なプロポーションの大富豪夫人にすれちがえるかも知れない。この見事なプロポーションというヤツ。実は猛烈に金のかかる道楽なのです。
無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました