『ベル・フックスの「フェミニズム理論」-周辺から中心へ-』
第1章「黒人女性」
ウーマン・リブから現代フェミニズム黎明期、中心となったのは中産階級から上流社会の白人既婚女性で、そこには非白人女性や、経済的に恵まれない白人女性の存在、受ける苦悩、偏見が語られることはなかった。
女性たちは性差別主義により抑圧されている。そうした抑圧に対して声を上げることは当然で、必要なことである。しかし、「全ての女性共通の抑圧」という概念は、丁寧に、彼女たちの階級差別的、人種差別的視点を覆い隠す働きをしてきた。
そうした階級的、人種差別的社会に対しても声を上げるフェミニ