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猫と月夜

たぶんあれは中秋の夢だったと思う。
月がきれいな夜だった。
近所を散歩中に出会った顔の大きな猫に「ナイショやで」と、秘密の「ネコ道」を教えてもらった。
ネコ道とは人間が通常通る道ではなく家と家の間の細長い隙間とか草地の中にできた枯草のトンネルなど・・人間が知らない猫の通り道らしい。

「ここね、大きな犬がいるから気を付けて」
・・ああ、犬居さんちの獅子丸だ。
獅子丸は意外と大人しいんだよ、と猫に教えてあげる。

猫は加糖さんちの庭を通り抜け胃ノ上さん宅のブロック塀にヒョイと飛び乗った。
「この町もタクチカイハツが進みましたやろ」
だから新しい地図を作っている、と顔の大きな猫が言った。
塀の上で毛繕いを終えた猫は細いブロックの上をしゅるしゅる進んで行く。

「えっとね、ここまでがあたしの縄張り、つまりここが境界線な訳」
犀頭さん宅の倉庫からぐるっと町内を回り約一㎞
賢犬軒のランチ半額と書かれた看板辺りが境目らしい。

「ほんまに・・町は生きてるみたいですなぁ」
顔の大きな猫はよく肥えた月を見上げながら言う。
「あたしら人間が新しくこさえた家と家の間の道が安全かどうか調査しますねん。それでここは良しと思たら頭の中にある地図を更新しますのや」

猫は「ああ〜忙し忙し」と呟いてさっさと行ってしまいそうだったので「また会えますか?」と尋ねてみた。
「五縁玉が道に落ちていれば会えますやろ・・・知らんけど」と去って行った。

ただ今地図の更新中だにゃ



最近、夜の散歩を始めました。
今年の健康診断が怖いからです!
まったく・・お腹の脂肪が酷すぎる。
子供の頃は痩せてたと人に話すと笑い話になるのは何故?!(^^;

でもまぁ、夜の散歩は涼しく星やお月さまがきれいです。
目指せスレンダーボディー(絶対無理)