のら猫から家族 夢を叶えた猫の思い出7
『首輪を無くしてくる猫』
翌日、また首輪を着けられた。
「今度はヒャッキンね。マロはうちの猫ね」とサヨさん。
この頃にはボクの毛並みはモフモフしていた。
一目見ても首輪には気づかない。
ボクには邪魔でしかない。
昨日、自分で外そうとして外れなかった首輪。
帰った時には無くなっていた。
いつの間に無くなった?
そういえば、崩れた蔵の隙間を潜り抜けた時、
ちょっとグェっとなって、勢いよく転がった。
何かに引っかかった?
シンから逃げていたので、そのまま走り抜けた。
ということは「自分で外せるかも!」
見回り中、狭いところをくぐりながら
わざと首輪をひっかけた。
ちょっと引っ張ったら簡単に外れた。
コツを掴んだ!
万が一を考えて、負荷がかかると外れる首輪。
他の猫や動物に気付かれないようにと鈴は取り外してある。
サヨさん、懲りずに3つ目の首輪を着ける。
ボクはまた首輪を無くしてくる。
4つ目の首輪を着ける時
「マロ、うちの子になろうよ」と言われた。
そのうち、首輪は気にならなくなった。