のら猫から家族 夢を叶えた猫の思い出10
『もう家族でしょ』
新年、母屋の縁側に大きめのケージが
置かれ、そこがボクの家。
夜は湯たんぽ入りベッドで眠り
備え付けのトイレを使うボク。
すっかり家猫してるでしょ。
朝「雪だ!」
だけど、見回りはボクの日課だから、
雪の上に足跡を付けながら出かけてみた。
東側のコミュニティーはお姉さん猫がいっぱい。
ゴウの姿はないなぁ、元気ならいいんだけど…。
「女の子の手術をすれば確実。猫さん増えないようにね」
ボランティアで避妊手術をして、
のら猫の世話をしている人たち。
サヨさん、ボクの手術の予定を立てているけど
なかなか病院側とのスケジュールが合わないし、
ボクの体調も心配なんだって。
他のコミュニティーにも顔を出してみた。
前のボクは嫌われ者だったけど、
今は他の猫たちとも仲良くできてる。
「モフモフちゃん、散歩ですか」
「あら、イケ猫さんですね」
なんて、人間からも声を掛けられる。
あちこちハゲててボロボロだったボクはもういないよ。
毎日おいしいゴハンを食べて大きくなったし、
モフモフの豪華な毛並みで寒さなんて平気だけど
サヨさんや皆が待ってるからそろそろ帰るよ。
あったかいお家にね。
ボクだけ特別。
夜は皆と一緒に母屋でゴハン。
ワンは母屋に来るといたずらするし、
スモモ姉さんはビビりですぐに戻ってしまう。
ボクだけ特別。
皆に抱っこしてもらえる。
茶の間でマッタリ~。
ワンは重いし、じっとしていない。
スモモ姉さんは抱っこが好きじゃないらしい。
ボクだけ特別。
ババさんにも可愛がられている。
ワンもスモモ姉さんもババさんとは微妙…
ボクだけ特別。
時々だけどチュールがもらえる。
ワンももらってるけど…
スモモ姉さんはゲ~ってするから違うやつを
チュールだと騙されてもらっている。
ほらね。
もうすっかり家族でしょ。
あとは…
サヨさんと一緒に寝たいなー。
ワンやスモモ姉さんと遊びたいなー。
ひとつ夢が叶うと
また新しい夢ができる。
小さな夢。
大きな夢。
もっともっと一緒に。
もっともっと長い時間を。
ボクの命が続く限り
夢をみていたい…
※読んでくださってる方々、ありがとうございます。
書きたいことがありすぎて…
文章に統一性もなく進めてきましたが
家族になったマロのエピソードは
少し形を変えて書き続けていこうと思っています。
これからもよろしくお願いいたします。