自由≠楽? 巡礼路で思ったこと
イギリスのカンタベリーからイタリアのローマを結ぶ巡礼路、Via Francigena。歩き始めて1ヶ月が過ぎ、フランスとスイスの国境もあと数日で越えようとしています。歩いた距離は900㎞。かなり進んだ気がしますが、これでもまだ、全長2000㎞の半分には届きません。
ローマは遥かに遠いなぁ…なんて思いがよぎると、心に迷いが生じてきます。
このまま歩き続けるの?
巡礼なんかやめて、どこか別のところでのんびりしてもいいんじゃない?
ローマへ行きたいなら、飛行機を使えばすぐだよ?
何かの特命を受けて歩いているわけではないので、巡礼を続けるのもやめるのも自由。どんな選択をしても誰に咎められるわけでもありません。
雨の日の歩きは修行のような心地で、景色を楽しむ余裕もなく、ひたすら次の宿までの道のりを急ぐばかり。
レインコートを着ていても、服も荷物も靴もずぶ濡れで、何だか惨めな気分になります。
こんな日は特に、
「なんで歩いているんだろう。やめようかなぁ〜」という思いがムクムクと沸き起こってきます。
それでも歩き続けているのは、この巡礼路の旅以上にワクワクするものが、今のところ、他にみつかっていないからです。
自由であることは楽ではありません。常にどの選択をするのも自分次第なので、時には深く悩むこともあります。けれども、やっぱり楽しい!
ローマまでは遠いけれど、こんな経験は滅多に味わえるものではありません。だから一歩一歩、明日も歩みを進めていこうと思います。