トヨタに見る五輪スポンサーの説明責任
※音声でもお聴き頂けます。幾朗はSDGs推進派です。
トヨタが東京オリンピックで「テレビCMを流さない」という方針を明らかにしました。トヨタは紛れもない東京五輪・パラリンピックの最高位のTOPスポンサー(ワールドワイドパートナー)です。そのトヨタがオリンピック開幕を前にした19日の月曜日に、以下の様に発表しました。読売新聞の記事です。
トヨタの長田准執行役員が、オンラインで報道陣の取材に答えた。大会に対するトヨタの考え方などを伝えるCMを作成していたが放送しない。豊田章男社長を含むトヨタ関係者は、開会式などへの出席も見送る方針だ。長田氏は、「色々なことが理解されていない五輪になりつつある」と述べた。
これは画期的なことだなあ、そう私は感じます。
スポンサーするから、お金を出してオリンピックを金銭的に支える、その意味が何であるかを、企業としてキチンと示してくれました。お金を出すことの責任を示してくれました。支えるからにはその責任を私たちは負っていますということを示してくれました。
トヨタが日本の企業であることを、私は誇りに思います。
長田氏は、こうも言います。
「アスリートが集中し、ベストなパフォーマンスができることを一番に考えたい」とも強調した。東京五輪とパラリンピックには、トヨタに所属するなど関係するアスリート計約200人の出場が内定している。自社メディア「トヨタイムズ」で取り上げて、アスリートを応援していくという。
トヨタの立ち位置
トヨタが章男社長になって、大きくトヨタが変わったことのひとつに、外からも見えるトヨタ、があります。その代表的なものが、YouTubeで積極的にトヨタの今を発信している「トヨタイムズ」です。
外から「も」としたのは、外から見られれば、内側の佇まいは整えないわけにいかなくなる、という二重の効果を狙っているのだと思うからです。
私は以前から、章男社長に注目してきました。
この豊田宗家のお坊ちゃん社長は、トヨタ入社から試練の連続でした。元々はアメリカの金融機関に勤め、トヨタに入ることは考えていませんでした。
今のトヨタには「徳」がある:徳のある人に、人は付いていく
彰男氏が社長就任して直ぐ、彼への試練は始まりました。米国議会公聴会への出頭です。その後も章男社長にには数々の苦難が降り注ぎました。それを愚直にこなして、今のトヨタがあります。
昨年の緊急事態宣言で、トヨタは記者会見を開き、この未曽有の危機に日本の製造業のトップ企業がなすべきことを明確に打ち出しました。
そして今、トヨタの株価は上場来最高値を更新しています。これは、市場がトヨタを認めたことを意味しています。
現政権・自民党に徳はあるか?
徳のある人、この逆が現政権に見て取れます。説明しない、説明責任を負わない。これは安倍政権になってから、ずっと続いています。
菅総理になって、それが一層ひどくなり、国民がこれほど大変な目に遭っていながら、キチンと説明しません。いやできません。その理由は簡単です。
菅さんは誰が担いでいるのか。総理という役目は、神輿のようなもので、総理が引っ張って動かすようなものではありません。そこにはキングメーカーがいて、自民党を動かす実権者は幹事長です。そして、その人とつるんでいるのは、3A、麻生氏、甘利氏、安倍氏です。そのどれもが説明責任を果たさない人たちです。
これはお金という側面を見ても明らかです。
1.5億円を説明しない自民党 vs. 1円を大切にするトヨタ
自民党は不明朗な1.5億円の選挙支援金について、口を閉ざし続けています。これは国民の税金が入っているお金です。国のお金の配分に采配を振るう与党が、自分たちの金庫も管理できない。1.5億円くらいはタクシー代だと思っているのでしょう。
製造業で3%以上の純利益を上げるのは至難の業です。トヨタはコロナ禍に際して、全社で全力を挙げて「製造業として出来る事をやります」と社長自ら記者会見に臨み、何をするのか、何をやっているのかを説明しました。
それに対して現政権を担う自民党は何をやっているのか。
数値的な裏付けを示さない。場当たり的な対処をする。その対処の仕方は一元化されたものとは程遠く、
本来危機管理というのは、窓口が一元化され、出てくる内容に一貫性がなければいけません。ところがやっていることは、その真逆です。
本来は田村厚生労働大臣(石破派)が先頭になって全部指揮する役目でしょう。それが、なぜか出てきた、西村コロナ担当大臣(経産省:細田派)。そしてなぜか今年になって登場した河野太郎ワクチン担当大臣(麻生派)。
全て秋の総選挙への布石です。石破さんとは水と油の3Aは、石破さんが首相になどなったらお終いです。(詳しい解説はこちらです)
司令塔が増えればその下で働く官僚は、たまったもんじゃありません。その3人は各自三様に勝手なことを言います。首相の座獲得に向けての一枚岩になどなれない人たちがやることですから、支離滅裂です。互いに別の思惑を持つ3人に、別々に対応する官僚はたまったもんじゃありません。
働き方改革を声高に言う足元の厚労省が、80時間を超える残業で悲鳴を上げているのです。
詳しくはこちらを読んでいただきたいのですが、全くもってお粗末としか言いようがありません。
誰が自民党を選んだ?その責任は選んだあなたにある
だれが、彼らを選んだのか。だれが自民党に投票したのか。記憶の限りにおいて自民党に投票したことの無い私には、自民党に投票することは理解を超えます。
投票したあなた人が責任を取ってください、そう私は言いたいです。この酷い状態を作ったのは、彼らに投票したあなたです。そしてそれを助長したのは、投票に行かないあなたです。中学生以上の知性があれば、投票に行かないことは与党を事実上指示したことになります。よしんば投票を放棄して有権者の権限を放棄したとして、その先に起こることは容易に予想されます。それすらも考えなかったとするのなら、何も文句を言う権利はありません。貧困だの非正規だの不平等だの、あらゆる文句を言う権利はありません。なんせ投票を放棄しているんですから。もう一度言います、あなたは民主主義の最後の道具である投票権を放棄したのですから。そんなあたなたに「徳」はあるのか、人徳と呼べるものがあるのか、そう考えていただきたいと思います。
トヨタは投票権を放棄しませんでした。スポンサーを降りませんでした。日本を代表する企業として、東京オリンピックのトップスポンサーとして名乗り出た以上、その仕事を全うしています。2000億円と言われるスポンサーフィーをドブに捨ててでも、悪いイメージにまみれたオリンピックに汚染されないように、CM放送はやらないとトヨタは決めたのです。
企業のコアコンピタンスが何か、を分かった経営者がやっている企業は違います。政府にお願いして株主総会を切り抜けようとした東芝、間違いを黙って30年続けた三菱電機。徳のない会社には市場から消えていただきたい。
同様に、徳の無い政治家には、消えていただきたいです。
ではでは
三川屋幾朗@mikawaya1960
公共メンターhttps://menta.work/plan/954
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