『度胸星 続編もどき』_原作のあらすじ
続編もどきの連載をスタートさせる前に、『度胸星』原作のストーリーを復習しておきましょう。
以下、ネタバレ注意です。
小学館文庫版1巻
人類は初めて火星に到達した。NASAもアメリカ全土もこの偉業に沸き立つ。しかし突然映像が途絶えた。未知のなにかが着陸機と宇宙船を破壊したのだ。生き残ったのはスチュアートのみ。
状況がわからないアメリカ大統領は救助を決意し、世界中で宇宙飛行士志願者が集められる。主人公の三河度胸もその応募者の一人となる。
NASDAへの志願者は多く、選考は厳しい。お金がない度胸と筑前は仲良くなる。英語面接をハッタリでパスする筑前に対し、バカ正直に答えながらもなんとか滑り込む度胸。
度胸の見せ場は閉鎖環境適応検査。モジュールのなかフォーマンセルで13日間熱帯魚の世話をしなければならないが、NASDAは途中から停電を装い電気供給をストップ。度胸は「火はあるさ。俺の身体の中に。」と言い、熱帯魚の水槽を体温で温める。
火星のスチュアートは過去の無人探査機から通信機を取り出そうとするが、裏返しになった着陸機とクルーを見つけ、テセラックと名付けた謎の物体への復習を誓う。
度胸たちは二次選抜へと進み、水中での船外活動シミュレーションに臨むが、同じ候補生の暴力団員、武田から横槍が入る。
小学館文庫版2巻
暴力で度胸を失格に追い込もうとする武田に対し、火事場の馬鹿力と父親譲りの気迫で窮地を救う。そこから武田は度胸に一目置くようになる。
火星でテセラックの観察をしながら限界ギリギリで生き残っているスチュアート。ある日砂嵐に見舞われた彼を助けたのはテセラック。しかしスチュアートは凍傷にかかってしまい、死期を悟る。後日、地球へのSOS信号を送り終わったスチュアートは、居住モジュールを破壊したテセラックを爆破しようとする。
NASDAでは低圧環境適応訓練が始まる。成績優秀でスカしていた石田の唯一の弱点がこの低圧環境だったが、度胸のフォローと筑前の激によってピンチを脱する。
ここまで選抜に残った度胸、筑前、茶々、武田、石田、坂井輪夫妻の7名は最終のサバイバル訓練に臨むことになる。それを見届けにアメリカからやってきたのは火星行きが決定しているブラッドレーとブロンソン。
最終訓練の舞台は極寒のシベリア。吹き荒れるブリザードのなか、早く着いたチームが選抜合格者としてNASAへと送られることが決まったのだった。
小学館文庫版3巻
一進一退を繰り返しつつも、最終的に勝ったのは筑前チーム。最初は日本人候補生たちをみくびっていたブラッドレーだったが、両チームの生死をかけた奮闘、とくに度胸の執念と責任感に感嘆するのだった。
一方、酸素がなくなるという絶望感から、スチュアートは命を懸けて最後の攻撃をテセラックにしかける。燃料プラントごと爆破するが、テセラックは無傷。帰還船をぶつけても無傷。スチュアートは死んでしまうが、テセラックを分析したディスクを残すことには成功する。
NASAでは先に火星に着いた無人貨物船の小型探査ローバーから送られてきた映像で、スチュアートたちの被害の状況を知る。ほどなくNASAの救出隊が火星に飛び立つ。直前で辞退したハリコフの代わりを務めるのは石田だった。
長い宇宙飛行を経て、ついに筑前たち救出隊の面々は火星に降り立った。しかし、着陸するやいなやテセラックに遭遇。攻撃を受けて、着陸機は大破する。そしてブラッドレーはテセラックに連れ去られる。筑前たちはなんとか逃げのびて居住モジュールにたどり着くが、前回同様、地球と連絡がつかない事態となる。
その頃アメリカでは大統領が交代。新しい大統領は火星計画の中止を宣言する。救助がだせなくなったアメリカを尻目に、ロシアが非公式で火星探査船を打ち上げるという。林の仲介で、度胸たち3人の日本人がロシア船の飛行士として採用される。
火星の筑前たちはスチュアートの残したディスクを回収し、スチュアートが分析した内容を知る。そしてブラッドレーを探しに行く筑前と石田。
ロシアでは度胸たちが乗った火星探査船M1が打ち上げられた・・・
では、次回からいよいよ連載を開始します。
これはひとつの「真夏の夜の夢」なので、夏休み中に終わらせることを目標にします。