「お姉さまキャラ」好きのオタクに無期迷途を布教したい件
無期迷途(むきめいと)
というソシャゲをご存知だろうか。
説明はあとだ。とりあえずこのスクショを見てほしい
うわー!イケメンお姉様だ!!!
こっちもお姉様!!
お姉様だ!!!右も左もイケメンお姉さまだ!!
よくね?よくね?
はい。おわかりいただけただろうか。
無期迷途とはこういうゲームです。
「無期迷途という、お姉さまキャラがいっぱいいるソシャゲがある」というのは何度かTwitterでバズっているのを見て知っていたのだが、令和のオタクは既に抱えているソシャゲに忙しく、なかなか手を出さずにいた。
それが2週間前、年度末進行の労働のあまりのキツさに耐えきれず心が限界を迎えた時にふと血迷ってDLしてしまった。
たぶんハマった。
私は「お姉さまキャラ」が好きなオタクである。
年上ならではの落ち着いた雰囲気、
歳を重ねたことで生まれる自信と強さ、
知性を感じさせる言葉遣い、気品…
完成されたプロポーション…
そういうものが好きである。
しかし、「お姉さまキャラ」というのはオタク世界では主流になれない。
同志諸君ならわかるだろう。
お姉さまキャラはどんな作品においても基本的に副菜・あるいはトッピングの位置づけである。
メインストーリーで大活躍するヒロイン枠にこの属性が採用されることはあまりない。
ソシャゲのイベントなんかでも出番はそんなに多くない。
人気キャラランキングでも微妙に三位以内には入らない。
グッズやコラボも、「ま、一人入れといたらええやろ」くらいの扱いをしてもらえれば御の字。
「お姉さまキャラ好きのオタク」は確実に存在するため一定数の人気は手堅く取れるが、決して多数派にはならないので推しの扱いも所詮そんなもん…それがお姉さまキャラ好きとして生きてきたオタクの宿命であり諦めであった。
(※以下読まなくていいです※あと、強くてカッコいいお姉さまキャラに実は可愛い一面が!?みたいなのよくやられがちなんだけど個人的には本気で萎える…お姉さま系が何人かいるうちの一人とかだったらまあ分かるけど全員にやられるとホンマにきつい。あと敵対陣営として出てきたお姉さまが主人公陣営と和解して仲間になった途端はにかみ屋さんになったりデレデレになるのも机を叩きたくなる。どうして世間は強くてカッコいいお姉さまを強くてカッコいいお姉さまのまま居させてくれないんだ!!!!うわーー!!!!)
なんか荒ぶってしまったのでお姉さまを見て落ち着こう。ふー
そもそも、だ、お姉さまキャラというのはまずその数が多くない。
女性キャラが複数人いるコンテンツの中でも大体は「少女系」「ロリ系」が大半を占めていて、それらと比べると「お姉さま系」は少なめだ。
お姉さま系の中にも更に性癖やなんかで分類すると個人的な好き嫌いがあるわけだが、そんな贅沢はいってられない。そもそもの選択肢が少ないのだから、まずはお姉さまというだけで感謝して出されたものを食べるしか無い。
私はそうやって生きてきたのだ。
無期迷途に出会うまでは。
無期迷途の世界観
無期迷途はどんなゲームなのか。
ストーリーをざっくり説明すると、ゾンビウイルス的な人を凶暴化させる病気が蔓延した世界。
大半の人間は感染すると理性を失いただ暴力を振るうだけの獣と化すが、その中にごく僅か、感染しても理性を保ったまま超人的な戦闘力に覚醒する者たちが居た。
そんな危険な覚醒者たちを捕らえるのが主人公(プレーヤー)の役目である。
とまあ、よくあるやつ。
ゲームシステム的にはアークナイツと同じタワーディフェンスである。
ここまでならよくあるやつ、だが、無期迷途には明らかに他のソシャゲと違う部分があった。
もうお分かりいただけるだろう。
お姉さまが多いのである。
ストーリーで出会うキャラ、大体お姉さま。
味方になるキャラ、大体お姉さま。
敵対するキャラ、大体お姉さま、
ガチャで出るキャラ、大体お姉さま。
正確に言うと普通の少女キャラとかロリとか男も全然普通にいるのだが、割合が一般的なソシャゲと逆転している感じ。(お姉さましかいないゲームだと思って始めるとアレってなるので注意)
飢えなくてええんやで…みんな…しっかり食え…
好きなタイプのお姉さまを選んでええんやで…おかわりもいいぞ…
うめ…うめ…
お姉さまのバリエーションが多いということは、お姉さま属性の中でもいろんなキャラがいるので!!!!
絶対キミの気に入るお姉さまに出会えるのである!!!!
ではここから、個人的に無期迷途ここがすげぇ!と思ったところを紹介していく。
無期迷途の推しポイント①
キャラ一人あたりのイラストが最低でも3枚あること。
オタク、立ち絵、好き。
立ち絵というものはキャラ収集系のソシャゲには必須である。しかし皆さん、こんな思いをしたことはないだろうか…
(人気キャラには新しい立ち絵が追加されるのに自分の推しキャラはいつまでも初期立ち絵一枚のまま…)
無期迷途ならそんな心配は不要!
なんと全てのランクのキャラに最低でも各3枚はイラストがある!
え、すごくない??
例えば私がひと目で気に入ったこちらのお姉さま。
まずは標準の立ち絵。
次にマグショット。(犯罪者が捕まった時に撮られるやつ)
そしてキャラレベルを上げて開放される背景付きのイラスト
このキャラが特別に優遇されているわけではない。全てのキャラに最低でもこの3種類は用意されているのである。
無期迷途のキャラは一応B級・A級・S級の3種類のレア度に分かれているのだが、このお姉さまは真ん中のA級である。
差分とかでもないし手間すごくない??
すごくオタク心をわかってるし、キャラを推させてくれる気のあるゲームだなと思った。
通常立ち絵一枚だけで押し切ってもゲームは成立するのに、あえて二手間かける、そういうのオタク好きだな〜〜好きになっちゃったな〜〜
ちなみに、これは無期迷途だけの推しポイントではなく最近のソシャゲならあるやつにはある機能なのだが、ホーム画面に好きなキャラを配置する際に拡大縮小したり場所を動かしたりとある程度のカスタムができる。
こういう、なくてもいいけどあったほうが少し楽しい遊び要素、オタク、好(略)
無期迷途の推しポイント②
UIが徹底的に磨かれていて、必要最小限のタップで目的の動作ができるよう考えられている。
これは実際にやらないと分かりにくいのだが、とにかく「ユーザーがどういう動きをするのか」「それをストレスなくサポートするにはどんなUIがいいのか」をしっかり実装してくれている。
あらゆる画面にホームへ戻るボタンがあるので、「戻る」を何度も押す必要がない。
素材を集めるためのダンジョンはもちろん回数を指定した自動周回ボタンがあるし、自動周回中にキャラの素材が十分集まった場合は「ここでやめますか?」みたいに聞いてくれる。
細かいことだけどそれが隅々まで徹底されているので本当に操作にストレスがない。
無期迷途の推しポイント③
タワーディフェンスが苦手な人でもなんとかなる優しめ設計
気になっていた無期迷途をなぜ早く始めなかったのか。それは私が極端なタワーディフェンス苦手マンだからである。
実は同ジャンルのアークナイツをやっていたことがあるのだが、世界観・シナリオ・キャラはすごく好きだし早く進めたいのに肝心のゲーム性の部分があまりに苦行でやめてしまった。
アークナイツは何も悪くないのだが私はそっちのジャンルのオタクではなかったのだ。
タワーディフェンスになじみがない人のために説明すると、画面の右側からぞろぞろと敵が歩いてくる。この敵が画面内を横切って左端の自分の陣地に入ってしまったら負け。
だから、敵をブロックして動きを止めることのできるキャラや、敵を攻撃できるキャラを置いて、自陣に入られ前に何とかする、というゲームジャンルである。
しかし一体の敵をやっつける前に次々と新たな敵が来て突破されたり、自キャラを置くことのできるマスが限られていて攻撃が届かない、という問題が発生するため、よーく考えて必要な場所に必要なキャラを置く必要がある。
たぶん、この、「よく考える」という工程を楽しめる人向け?要はパズルである。
私はこれが本当に下手で、何度考えて配置してもクリアできないものだからタワーディフェンスを敬遠していた。
しかし、そんな私でも無期迷途は頑張ればなんとかなる。
へたくそ向けの優しい仕様になっているからだ。
具体的に言うと
①出撃コストがない
②キャラの置き直しができる
という仕様だ。
本格タワーディフェンスを求めている人には物足りないかもしれないが、「タワーディフェンスよくわかんないけどキャラとストーリーが気になる」層もきちんと取り込める設計にしてくれている
無期迷途の推しポイント④
翻訳のクオリティが高い。
無期迷途は中国のAISNO GAMESが開発運営している中華ゲーである。
外国産ゲームの課題である日本語ガバガバ問題。
これに関しては実際にやってみてもらわないと伝えづらいのだが、中華ソシャゲ好きとして中華ソシャゲ黎明期から色々遊んできた私の実感では、このゲームはトップレベルに翻訳のクオリティが高い。
ブルアカ分かる人いるかわからないけどブルアカと同じレベルなので安心して読めます。
冒頭のチュートリアルに一瞬怪しいところがあったが、それ以外は本当に全く違和感がなく、今までのところシナリオを読んでいる時に外国産ゲームであることを思い出すことはなかった。
ちなみにAISNO GAMESとはいったいどういう会社なのか。自分自身も無期迷途に触れるまで聞いたことがなかったため、この記事を執筆するにあたって調べてみた。
AISNO GAMESは2019年に設立された会社であり、2022年にリリースしたこの「無期迷途」が初めてで唯一のゲームである。
AISNOはグローバル向けの社名であり本社は中国上海にある上海自意网络科技有限公司。こちらも同じく2019年に設立されている。
日本語風に言うなら自意インターネットテクノロジー有限会社、といったところか。日本語版のサイトでは開発運営会社についての情報がほぼ得られなかったのだが、中国語版の公式サイトに会社紹介が載っていたので引用させていただく。
さて、ここからは公式の情報ではなくあくまでインターネットユーザー上での噂のようなものなのだが、2019年に設立されたばかりの会社が一作目でなぜこんなにクオリティの高いものを出せるのか?
どうやら自意网络は叠纸网络の子会社、あるいは独立した関連会社だろう、というのが中国のユーザーでは暗黙の了解になっているようだ。
中華ソシャゲに詳しくない方向けに説明すると
あの「ミラクルニキ」の開発運営が母体であり、そこから子会社化した、もしくは独立したのが「無期迷途」だろう。ということだ。
何故かというと無期迷途リリース前のテスト時に公開されていた開発の連絡先が叠纸网络と同じだったとかそんな感じの話のようだ。詳しく知りたい人は自意网络跟叠纸有什么关系あたりのキーワードで調べてみてね。
「ミラクルニキ」というのは2015年にリリースされた女性向けの着せ替えゲームで、私が知る限り「日本で成功した最初の中国産ソシャゲ」作品である。
今でこそ中国のゲームすごい!という認識がオタクの中では当たり前になっているが、2015年以前はまだ国際的に知られる中国のゲームメーカーは存在せず、権利的に怪しいパチモンゲームとか、個人情報を抜くためのスパイウェアだろうとかそんな認識であった。
そこに風穴を開けたのが「ミラクルニキ」である。
開発運営が当時全くの無名であったため怪しいとか詐欺だとか散々言われていたものの、素晴らしい音楽と美しいイラスト、それまでなかったゲーム性で女性オタクを中心に爆発的に流行った。私も遊んでた。
ニキの成功をきっかけに様々な中国のソシャゲ会社が生まれ、日本進出し、現在のように楽しく遊べる高クオリティの中華ソシャゲが競い合う戦国時代が幕を開けたのだ。
ミラクルニキの会社がそのあと何をしているのか知っている人は少ないかもしれないが、今ではすっかり大企業に成長し3D版のニキをリリースしたり、乙女ゲームの「恋とプロデューサー」をリリースしている。
今のところ両社ともに正式に関係性を認めるような公式発表はされていないようなのだが、もし本当にミラクルニキの開発メンバーが無期迷途に関わっているならば無名の新会社がいきなりこんなに高クオリティのゲームを作れていることに納得がいく。
無期迷途が気になり始めたオタクに最後のひと押しをするQ&A
Q:課金圧はどんな感じ?
A:メインストーリーを攻略するうえで必須レベルになる優秀なキャラが低レアに固まっているので「ガチャ産の高レアがいないと遊べない」ということはまったくない。
ガチャシステムはほぼ原神で、累計〇〇連で絶対にPUキャラが来る。みたいな方式なのでコツコツ続けてれば絶対高レアキャラも手に入る。
800円の月パスで十分だしレビュー見ててもそんな感じの先輩方が多そう。
また、中国版が先行していて数ヶ月後にそのまま同じ内容のものが日本版に実装されるので、欲しいキャラがいる場合ガチャスケジュールが立てやすい。
Q:結局ストーリーは面白いの?
A:悪くないと思う。
世界設定がありきたりなやつと紹介したが、確かによく見かけるような雰囲気であるものの文章のレベルはそれなりに高い。
一つ一つの会話がよく考えられており、登場人物のことを好きになれるように工夫されている。
読んでいて楽しいし続きが読みたくなる。
似たような雰囲気の作品が他にもあるという意味では唯一無二感は薄いが、普通に楽しめた。
Q:運営は良心的?
A:始めたてなのでなんとも言えないけど、自分の目ではかなり親切だと思う。
ちなみに私はGoogle Play Storeのレビューに運営がめっちゃ返信しまくってるのを見てなんかいいなと思って背中を押されてDLした。
Twitterでパブサしててもファンから支持されてる運営さんだな〜と感じる。
始めたてだけど既に2回くらいアンケートがあって要望や不満点を聞いてくれた。
おわりに
初心者なのにこんなこと言うの失礼かもしれないけど、無期迷途、マジで知られてないんですよ!
公式youtubeの登録者数が1.5万しかいなくて、しかも今日の昼間に情報番組やってたんだけど同接4桁行ってなくてびっくりした。
だってゲーム遊んだ感じ明確に悪いところが見当たらないの!
普通にコレええやんって思うし、完成度も高いうえに作り手のやる気も感じるし、ストアのレビューもかなり良い……のに人が少ないのはこれはもうシンプルに存在が知られてないんだなと思った。
2022年リリースというのも難しくて、中華ソシャゲが乱発されまくってたので(またか…)と思われちゃってあんまり個々の中身を評価してもらえなかったんだろうね…
良いものなのに知られてなくて正当に評価されてない奴、を見かけるとお気持ち表明せずにいられないオタクなので勢いでこのような文章を書いてしまいました。
とりあえず「お姉さんキャラ」が好きなオタクへ。
絶対に後悔させません。やってみてください。
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