【ドールズフロントライン2:エクシリウム】CBTレビュー
一週間ガッツリ遊んだのでレビュー。良いところも悪いところもあるけど個人的には思ってたより楽しんでしまった。
ドールズフロントライン2:エクシリウムとは
2024年12月5日配信予定の中国Sunborn Gamesによる新作ゲーム
「少女×銃」の終末っぽい世界観で指揮官となって戦うお話。
オイオイありきたりじゃねーかそういうのお腹いっぱいだからもうええて。と思われるかもしれないがちょっと待って欲しい。この作品は2016年にリリースした前作「ドールズフロントライン」の10年後を描いた続編なのである。
今でこそ「終末世界で戦う女の子のゲーム」いわゆるポストアポカリプスが使い古され食傷気味に感じられるが、2016年にそのようなジャンルの作品はほとんどなく、さらに言えば「中国のソシャゲ」というものがほぼ日本で遊ばれていない時代だった。(アズールレーンも崩壊3rdもまだリリースしていない)
マンガ・アニメ・ゲームといえば日本のお家芸、日本以外でクオリティの高いオタクコンテンツを作れる国などないだろうと高をくくっていた当時の私にとって、スタイリッシュな音楽、UI、ダークな世界観、ゴツい銃×タクティカルな服装の女の子という組み合わせはどれも初めて目にするものであり、それが中国の作品であるというのはまさに黒船来航さながらの凄まじい衝撃であった。
あれから10年経たないうちに中華ソシャゲが乱立し覇権を争う戦国時代になるわけだが、まあ、それはおいといてつまりドルフロは「終末世界で戦う女の子のゲームの第一世代」であり、ポストアポカリプスブームの火付け役であり、中華ソシャゲの最長老であり、それがいよいよ令和クオリティにリニューアルされて帰ってくる!ということである。
前置きが長くなってしまったがCBTのレビューを始める
【よかったところ①キャラが綺麗】
SNSでも散々言われてるが、前作のキャラのデザインが垢ぬけた感じになって、かつそれがすごいクオリティの3Dになっている。
SUGEEEEEEEEEEE!!!!!!これをいじくりまわしてるだけで無限に時間使える。
自分はアニメ調3Dのゲームが好きで原神、スターレイル、ゼンゼロ、鳴潮、スノブレあたりを触ってるんだけども、細部の造り込みはドルフロ2が一番だと感じた。
キャラだけでなく武器のモデルもなかなかのもので、アタッチメントが収集要素になっておりパーツごとにちゃんと見た目も違うので色々つけ変えると楽しい
【よかったところ②音楽】
これは文字では伝えにくいんだけども、BGMが前作の雰囲気をしっかりと受け継いでおり、他のゲームでは代替できない「ドルフロの空気感」がきちんとあった。というか前作のBGMをアレンジして使っている部分もあり、初めて遊ぶはずなのに「帰ってきた…!!!」と感動する。何もかもがアップグレードされて綺麗になってるのに耳馴染みのある知ってる音楽が流れている。まじで感動しました。
ドルフロ無印をある程度やってたよという元指揮官さんにはぜひ体感してほしい。
【よかったところ③シナリオ】
前作は「シナリオ自体は悪くないが翻訳がガバガバすぎて何言ってるか分からん」という印象があったのだが、今回は日本語訳がしっかりしており特に違和感を抱くことなく読めた。例えるならブルアカくらい自然。(誤字脱字などテキストを流し込む際のミスがSNSでは話題になっていたが、文章そのものはかなり出来がいい)
再びオタク語りになるのだが、ドルフロのストーリーをざっくり説明すると
「2030年代に核兵器的な奴で地球のあちこちが汚染されてしまった。」
「人間が生身で出歩くのは危険なので女性型アンドロイドが戦闘要員として活躍している。」
「主人公はウクライナらへんの東欧エリアを拠点に指揮官してたら政治的な陰謀とかなんやかんやに巻き込まれる」
という話である。で、同一世界を舞台としたシリーズ作品がいくつか出ており、これらを通して2030年代~2090年代くらいのできごとを描いている。
つまり「20XX年にこういう事件があった」「これがきっかけでA国とB国の関係はこうなった」「主人公の所属組織の政治的な立ち位置は~」的な設定が数十年分みっちりと考えられていて、時代ごとにシリーズの別作品として発表されているのである。
これは好みが分れるジャンルなので万人にお勧めできるものではないのだが、「設定のしっかりしてる仮想戦記が好き」な人にはハマると思う。
個人的に勝手に心配しているのが、なまじ3Dモデルのクオリティが高いせいで「叡智なゲーム」みたいにSNSで話題になっているのだが、女の子とのイチャイチャを楽しむ要素は全体の中の3%くらいの超オマケ成分であるためそれを求めて遊ぶと「思ってたのと違うじゃねーか!」ってなる気がする。
これからプレーヤーの要望を受けて方向性が変わってくる可能性はあるが、基本的にドルフロは女の子とイチャイチャするのがメインコンテンツの作品ではない。
高クオリティな3Dモデルの女の子とイチャイチャしたい人はスノブレをやろう!
【ご新規さんがドルフロ2から始めていいのか問題】
これがみんな気になってるところだと思う。うーん微妙。
というのも、ストーリー序盤では新たな職場で新たな仲間とともに指揮官の旅が始まるため前作の内容を知らなくても問題ない。
しかし、中盤で前作のメインメンバーと再会し作戦を共にすることになるので「久しぶり~!!」みたいなシーンでご新規さんが置いてけぼりになる。自分はすごく感無量だったんだけど嫌な人は嫌だと思う。(話の流れ的には「で、アンタ誰なの?」でも問題ない。)
難しい固有名詞が出てきて分からないという意見も見かけたが、これに関してはそもそも前作でもそんなにはっきりとは説明されてなくてなんとなく話の流れ的に察する感じだった。
今作でも「これは○○って意味なんだよ」と一から十まで解説してくるキャラはいなんだけど、明らかに初出かつ重要な単語に関してはすぐあとの会話を読めば察することができるように配慮されていると感じた。
このようなオフチョベットしたテフ問題について、自分が遊んでいるゲームの中では原神が最悪クラスに不親切だと感じているのだが、原神と比べるとかなりマシ。
今さらだが自己紹介をすると自分はドルフロ無印をリリース時から遊んでいて2020年くらいに引退してしまった元指揮官である。つまり根幹の設定は分っているけど細かいところまでは覚えてないし最近どうなってるのかもわかってない。たぶんこれくらいの知識量の指揮官が一番多いのではないかと思うけど、私はそれで十分楽しめました。
【戦闘について】
戦闘は前作とはガラッと変わりターン制で移動マスと行動を指定するタイプのやつである。
私はこのタイプのゲームがめっっっちゃ苦手
制限時間はないので、ゆっくり考えながら最適な手を探す詰将棋のようなゲームである。
正直なところ真面目にやってたら一面だけで超時間かかるのでコスパ主義の2024年にこのスタイルで出して大丈夫なのかなって思った。
ただ、救済措置として三倍速とオートがあるのでメインストーリーは全部使った。試しにちょっと手動でも動かしてみたけど自分が下手すぎてすぐ全滅した(笑)
一応CBTで遊べた6章まではキャラをちゃんと育てておけばオートでもなんとかなる。
また、画面の情報量が多いがキャラアイコンを押せばそれぞれのスキルの説明や属性、攻撃範囲などの必要な情報が全部表示されるので初心者でも根気よくやれば遊べる親切設計にはなっている。
育成素材などのデイリー日課に必要な周回箇所に関しては掃討(一回だけクリアすればあとは回数指定で自動でやってくれる)で一瞬で終わるため、普段はデイリーだけやってストーリーが更新されたらじっくりやるで大丈夫かなと思う。
女の子を操作して走り回ってバンバン敵を撃つゲームの方がいい人はスノブレやろ
そのほか、改善要望として意見を送ったもの
①UIがスッキリしていてとてもお洒落だがその分ホーム画面が寂しく感じる。代わり映えしないので一週間続けると地味に感じて飽きてくる。背景のエルモ号の窓の外が(天気や時間帯など)変わると楽しい。あるいはグローザに待機モーションがつくとか季節のボイスが出るとか。
②戦闘時キャラ選択アイコンの背景色をレア度ではなく属性(水とか炎とか)にして欲しい。全てのキャラの属性や性能を暗記するのはガチ勢でないと無理なので、敵の弱点を把握したあとにパッと見て適切な人形を選びやすくなると助かる。
③チュートリアル時にグローザが「ここを押して」と説明してくれるが、もともと白っぽいボタンが白く光るので分かりにくい。「え、どこ??」となってしばらく探すことが何度もあった。オレンジに光るとかもっとわかりやすくして欲しい。
④武器を展示できる部屋があるがそこに置いたところで何があるわけでもなく(わざわざページを開かないと見ないし)もったいないと思った。戦闘画面でも正直ほとんど見えないのがさらにもったいない。武器の造形が本当に素晴らしく、自分でパーツをカスタムできるのも楽しいので、人形に持たせた状態でホーム画面に設定できるようになったら嬉しい。「女の子×銃」の組み合わせが好きな人が遊ぶゲームだと思うので、一番目に入るホーム画面でこそそれを鑑賞できるようにしてほしい。ただの可愛い女の子だけなら他社作品でもある。
⑤必殺技の演出でキャラの背景がチープだなと感じてしまった…全キャラ共通でもいいのでなんかいい感じの背景を付けて欲しい。
(※CBT内容のスクリーンショット公開については運営さんに確認を取っています)