ミカマリー(1)
マリーアントワネットが、日本の漆、蒔絵を愛していたことは、よく知られているが、それは実は母后のオーストリア皇后マリア・テレジアの影響でした。
ハプスブルク家出身の賢明な君主として、マリア・テレジアは名声高かったのですが、その彼女が愛したのが、日本の漆。当時漆は、「黒いダイヤモンド」と呼ばれるほど高価で希少なものでした。漆を愛したマリア…テレジアは、多くの漆蒔絵の西洋家具を含む、素晴らしい漆器・漆蒔絵のコレクションを持っていたのです。そのマリア…テレジアのコレクションを引き継いだのがマリー・アントワネット。マリー・アントワネットの漆器コレクションの半分くらいは、母マリア・テレジアからの遺産のようです。
母と娘の2代に渡るコレクションを総称し「マリー・アントワネットCOLLECTION」と呼ばれています。
マリア・テレジアは、漆器をこよなく愛し「私はダイヤモンドより漆器よ」と言っていたぐらいだそうです。
今、日本人の私達が21世紀に見ても、惚れ惚れとしてしまう美しい漆蒔絵ですから、当時遠い異国からもたらされた漆蒔絵にどれだけ心奪われたことか想像以上であったに違いありません。
西洋では、この黒いダイヤモンド=漆蒔絵を自分達の文化に取り入れようとしました。家具に、日本から届いた長持ちなどから薄く剥がした漆蒔絵部分を、ベニヤ板のように自分たちの家具に貼り付けました。まさに「化粧板」です。
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