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ウェブサイトの情報設計は「ライティング」で決まる
ウェブサイトの情報設計で、真っ先に思い浮かべるのはワイヤーフレームの作成だろう。「さぁ、情報設計を始めよう!」となったら多くの制作会社では、とりあえずワイヤーフレームを作成してクライアントに確認を求める。
しかしちょっと待ってほしい。この行為の意味は何だろうか?
ワイヤーフレームは確かに重要だ
このプロセスでは適当なレイアウトを定義し、飾りのない箱を配置していく。実に簡単ですぐにできる作業だ。
この単純な設計図をクライアントに見てもらいOKという返答が得られたなら、制作者にとってその案件は非常にイージーな仕事に早変わりする。くだらないYoutubeチャンネルに半分意識を取られながら作業しても十分にこなすことができる。
ワイヤーに何も意味がこめらていなくても、問題はない。
「最良のUX設計をしなければならない」という重い責務から解放され、都度クライアントからのコンセンサスを得さえすれば単純なデザイン制作に専念すれば良いのだ。
私が最もやっかいな問題と捉えていることは、ワイヤーフレームは多くの制作者にとって、レイアウトの大幅な設計修正を避けるための防護壁として機能したり、クライアントも含めて、その後のプロセスにおいても一度作成されたワイヤーフレームに疑いを持たないままサイトが完成に向かっていくことである。
「とりあえず」作成する怖さはおおよそ理解していただけるだろうか。
フレーミングよりも先に決めるべきこと
先述の通り、通常の設計プロセスで見られるのは、とりあえずワイヤーフレームを作って、そこに仮のテキストを入れるというアプローチであるが、これが大きなミスだ。
テキストの分量によって最適な余白や配置、視点動線が変わってくるし、キャッチコピーが決まらないとサイト全体のテイストやビジュアルイメージの方向性も曖昧なまま配置だけを決めるになる。
逆に言えばサイトの全体のページ構成やレイアウトは、詳細なコンテンツが決まって初めて考えることができるし、キャッチコピーが決まれば、それに合った画像やタイポグラフィのスタイルも自然と決まってくる。
即ち情報設計の初手はコンテンツの内容をすべて決定することがマスト。
プロセスの順番を見誤らないこと
念の為述べておくと、情報設計をする前提として、入念な戦略設計がなされている必要がある。
どのようなメッセージを伝えるべきか、ターゲットユーザーは誰なのか、どのような価値を提供するのかといった戦略的な要素が整って初めて、効果的なコピーライティングを考えることができるからである。
どれだけ表面的に綺麗な文章を書いても、あるいは書きたいことがかけたとしても、後で無駄にならないためにも、戦略設計のフェーズはしっかりと済ましておきたい。
まとめ
情報設計において、最初に決定すべきはライティングを含めたコンテンツの内容である。ラフや仮ではなく、しっかりと決めてブレがない状態でなければならない。
ワイヤーフレームを作るのはその後でも良く、むしろレイアウトは何度も試行錯誤して作り直さなければならない。
ウェブサイトでは、その伝えたい「メッセージ」とその「伝え方」にかかっている。