デザイン学科第1回8/10(火)講義レポート
ミカタバ大学広報担当の長です。
今回は現在開講中のデザイン学科初回講義の様子をお届けします。
デザインに興味のある学生さんや大人の方はぜひご覧ください!
デザインの世界は奥が深く広い。
初回である今回は働き方や実践を学ぶ前にデザインってそもそもなんだろう?という問いから基礎知識を学んでいきました!
長いデザインの歴史や実例を振り返りながらの回なので少し情報量が多めですが、ゆっくり紐解いていきましょう。
デザイン学科とは
デザイン学科はローカルに密着しながら様々な場所やモノにデザインをされている現役のデザイナーさんが講師。
デザインの基礎知識のお話からデザイナーとして地域で働くことやフリーランスとして働くことにスポットを当ててデザインの歴史も振り返りながら学んでいきます。全国からデザインや建築に興味のある学生さんが集まって全4回にわたる講義が進行中です。
デザイン学科講師プロフィール
三木 奈津美 [ Natsumi Miki ]
1985年旭川市出身。アーティスト、グラフィックデザイナー。旧・札幌市立高専インダストリアルデザイン学科建築コース卒業。2015年より独立、北海道を中心に壁画、イラスト、ブランディングの仕事をされている。
WEB:http://www.sozoography.com/
デザインとは?
デザインの語源はデッサン(dessin)と同じく、”計画を記号に表す”という意味のラテン語designare。日本では図案・意匠などと訳されてたそう。
視聴覚、情報、絵画、彫刻、工芸、産業、環境、建築、音響などデザインは様々なもので構成され、分かれている。
デザインとはつまり
具体的な問題を解き明かすために思考・概念の組み立てを行い、
それを様々な媒体に応じて表現することと解される。
アート(リベラルアーツ)とは?
ギリシャ・ローマ時代。自由民と奴隷民がいた時代。
「自由民は果たして何を教養として学ぶべきなのだろう」という問いから基礎教養の学問として設定されたのが以下の7つ。
文法学:言葉を正しく使う方法を学ぶ
修辞学:他人を論破する方法を学ぶ
論理学:思考のつながりを明確にする方法を学ぶ
算術 :計算方法を学ぶ
幾何 :図形や空間の性質について学ぶ
天文学:宇宙の性質や法則を学ぶ
音楽 :音の性質や理論を学ぶ
ちなみにリベラルアーツの言葉を分解するとそれぞれ
ラテン語のliberが語源の「liberal」は「自由な」「自由主義の」
ラテン語の「ars」=「技術」「資格」「才能」
要するに
リベラルアーツ=『自由に生きるための技術』
と表すことが出来る!
Art(アート)とTechnology(テクノロジー)
講師は「現代におけるデザインの定義は工業化」と言います。
イギリス産業革命(18世紀半ば~19世紀)による工業化
産業革命をきっかけに18世紀頃から科学が発展していった結果、科学力を駆使して実用的なものを作る技術を「technology(テクノロジー)」と呼ぶようになり、「Art(アート)」と「technology(テクノロジー)」が分化していきました。
またガラスやコンクリートの登場により建築は発展していくことに。
バウハウスについて
バウハウスとは1919年、ヴァイマル共和政期ドイツのヴァイマルに設立された、工芸・写真・デザインなどを含む美術と建築に関する総合的な教育を行った学校。また、その流れを汲む合理主義的・機能主義的な芸術を指すこともあるそう。
そんなバウハウスを創った...
ヴァルター・グロピウス(建築家/バウハウス初代校長)
四大建築家の4人目。
「すべての造形芸術が最終的に目指すところは完成した建築にある」という言葉を残している。
講師の母校ともつながりが!
清家 清(建築家)
若かりし頃にグロピウスに弟子入りしバウハウスを直に体験した1人。
パウル・クレー(画家・美術理論家/バウハウス教師)
建築家・世界三代巨匠
ミース・ファンデル・ローエ
「Less is more.」(より少ないことは、より豊かなこと)
「God is in the detail」(神は細部に宿る)
などの言葉を世に残している。
また紹介したバウハウス初代校長グロピウスの推薦により、バウハウス3代目校長も務めていた。
ル・コルビジェ
「住宅は住むための機械である」
重苦しく、設計上の制約が多く、窓は小さくて室内が暗いという
組積造建築の弱点を覆すべく作られた建築工法”ドミノシステム”の発案者
人体の寸法と黄金比から作った建造物の基準寸法の数列”モデュロール(Modulor)”の生みの親でもある。
フランク・ロイド・ライト
「“建築”が本質的なものだからこそ、それが有機的であるというのだ。」
「内的な真実を最も豊かに明らかにするデザインが、最良のデザインである。」
「劣った精神は、比較だけによって解釈する。優れた精神は分析、即ち自然の探求によって解釈する。」
などの言葉を残したアメリカの建築家。
帝国ホテルをデザインし、親日家としても知られている。
アール・ヌーヴォーとアール・デコ
アール・ヌーヴォー
• デザイン:曲線的
• モチーフ:花や植物などの有機物
• イメージ:エレガントで装飾的
• 流行時期:19世紀末から20世紀初め
• 中心地:ヨーロッパ(ベルギーのブリュッセル、フランスのパリ)
日本ではアルフォンス・マリア・ミュシャが人気!
それに対し...
アール・デコ
• デザイン:直線的
• モチーフ:幾何学模様
• イメージ:機能的で合理的。装飾性は低い。
• 流行時期:1910~1940年頃
• 中心地:ヨーロッパやアメリカのニューヨーク
課題『100年後の車をデザインしてみよう!』
最後には任意の課題が出されました。
テーマは『100年後の車をデザインしてみよう!』
100年後ってどんな設定?日本?海外?
どんな形で提出すればいいの?文章?絵?製図?
様々な疑問が受講生の間で飛び交う中、講師は「その前提条件を考えるところからがデザインの課題」と言います。
講師の実体験としてデザインの学校の課題は大まかで抽象的なテーマを投げられることが多かったそう。デザインの裏側にある人々の生活やデザインの目的を自分で想像して組み立てることが大事なようですね。
ヒント
・100年後の世界はどうなっているだろう?
→都市構造は?
→人口、経済、産業、教育、福祉、ライフスタイル、エネルギーは?
・どんなデザインの車が社会に受け入れられるだろう?
・そもそもに車の定義とは?
読者の皆さんなら100年後の車、どうデザインしますか?
次回講義は第2回8/24(火)『アート・クラフト・テクノロジーとデザインの歴史から考えてみる 』
講義キーワード
・世界の芸術・工芸の歴史をちょっとだけ振り返ってみる
・デザインへの転換点と近代〜現代
・新しい技術とデザイン
・クリエイティブやものづくりを社会の中で
受講生の皆さんにはご案内のメールが届きますのでご確認ください!
また講義当日はTwitterで実況を行いますのでお楽しみに。
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