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93日後にネタバレする【雑学の本】#5日目──闘牛は「赤色」に興奮しているわけではない!?
闘牛士の赤い布に
興奮していたのは、じつは……
闘牛は、荒れ狂う牛と闘牛士との闘技である。闘争心にあふれた牛を布でさらりとかわしながら、最後は剣で仕留める。スペインでは国技となっている。
最後のステージで登場する闘牛士(マタドール)が持つ布は「ムレータ」と呼ばれ、決まって赤い布。青い布や黒い布は見かけない。
色彩心理学的に、赤には気分を高揚させる効果があるといわれるためか、牡牛の興奮を高める目的で赤い布が使用されていると思っている人も多いだろう。
しかし、哺乳類では霊長類と一部のサル以外は色を識別することができず、牛の目に映るのは「モノクロの世界」とされる。
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つまり、布の色が赤であろうと青であろうと興奮の度合いに差は生まれないのだ。
牡牛は目の前でひらひらと舞う布の動きや、観客の大歓声に反応して昂たかぶっているにすぎないのだ。
闘技場のなかで
赤色を認識できる生き物は……
じつはムレータが赤い色なのには別の理由がある。それは、赤い色で「観客」である人間を興奮させるためだ。
赤い布が舞うたびに、観客の交感神経は刺激され、ボルテージはいやが上にも高まっていく。
つまり、人間の熱狂を引き出すための舞台装置として、赤いムレータは機能しているのだ。
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★本書紹介
『身のまわりの「意外な勘違い」 なるほど雑学93』
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