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無秩序という美が飛び込んでくるとき|【美加語録MikaGoRock】
森を歩いていた。
なんだか霧の中を歩いているようだった。
何を見ても焦点が合わず
ぼんやりとした印象が
通り過ぎていくばかり。
グルグルとあてもなく
森の中をさまよいながら
ふと目に留まった
無秩序に咲き乱れる
小さな花たち。
その時何が起こったのだろう?
私の心は突然に変異した。
美が私の中に飛び込んできた。
奇麗だなって
ちょっと思った。
まるで森の精霊が
美という矢を適当に放ったら
たまたま私に突き刺さってしまったかのように。
周りの景色が脱皮しながら
光が姿を顕し始めた。
世界が突然に魔法にかかったみたいだった。
全てが私から遠のいてしまった
何もかも私に属さない世界。
ああ、なんて軽くて何もないんだろう。
知らないうちに背負っていたものが
魔法のように消えていく。
自分の人生を
コントロールしようとしていたなんて。
そんな世界は
全てが答え合わせで
正しいというサインを
探し回るだけの
ワンサイドゲーム。
それで手に入れたいものは何だったのだろう。
目の前にある
輪郭がはっきりした
余りにも大きな世界を前に
私は世界を諦めた。
何にもない空っぽの世界。
所有することも出来ず
全てがあるようにあって
最初から何一つ私のものではない
美しい無秩序。
そんな世界は
どこまでも優しくて暖かい。
全てが赦され
何もかもが自由な
目の前に差し出される
不思議さを
私はただ味わっていれば
いいのだから。
そうして
世界は解き放たれ
一瞬の美は
次々と姿を変えていく。
(photo: ©Mt.Shasta MikaRin)
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