自然の悦楽2

自然の悦楽|自然の愛撫

  久しぶりに森の散歩道を歩く

  夏の終わりの森は薄暗く
  鬱蒼とした濃い緑が溢れる

  ゆらゆらと私を誘うヒマラヤスギ

  チクッと一刺しする葉に触れながら
  名残惜しく通り過ぎると
  一瞬にして世界が変容した

自然の悦楽3

  初めて出現する森の王国

  眼にする景色の全てが
  自然のオルガスムスをなぞる

  樹木の艶めかしいフォルム

  ねじれた幹
  葉の色が映る新緑に濡れる川
  鏡のように滑らかな水面
  艶めかしく接触する草と水

自然の悦楽1

  眼を閉じる

  一瞬の沈黙の後
  蝉の爆音が迫りくる

  肉体を震わせる蝉の声は
  体内を舐めまわし
  通り過ぎていく

  足元にまとわりつく
  弾ける水の音

  風で大きく揺れる
  樹木の葉音

  濡れて匂い立つ
  泥の匂い

  熱を持つ身体

  多重の振動は
  全身を這いまわる
  あなたの愛撫

  
  私は体を震わせて
  イく


  絶え間ない融合の中で
  イき続ける自然と
  人間の皮を脱ぎ捨てて
  イき続ける私は

  自然という
  エクスタシーの生き物

  名前も
  まだない

  まぐ合い続ける
  元素

自然の悦楽4

(Photo: Hawaii Maui ©Mikarin)



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