大地の鼓動｜自然の愛撫

　　雨の前の湿った空気。
　　朝露に濡れた芝生の上を裸足で歩く
　　時に柔らかく時に鋭い葉が突き刺さる
 
　　草原の真ん中で
　　風と空を受け止めながら佇む

　　足もとから誘惑を感じた
　　なまめかしい命の柔らかさ
　　私を足元から包み込む
  
　　あらゆる大地から
　　ゆらゆらと何かが広がる気配

　　あなたに抱きしめられるときの
　　安心と放心
 

 　　わたしはあなたに摑まった。。。

　　大地は私を抱きしめ
　　下から中から
　　ゆるぎなく支え揺らす

 
　　私は赤子の歩み
　　泡立つような
　　連続する不均衡の中で
　　微細なバランスを保たれながら
　　立たされている

　　不安定な私を
　　大地は決して見捨てない
　　
 
　　その喜びの中でたゆたうとき
 
　　大地と天のエネルギーが
　　私の中でまぐ合う
 
　　もうひとつの鼓動
 
　　ゆったりとして悠大な
　　地球の鼓動
 
　　重なり刻むふたつのリズム
 
　　あなたの鼓動
　　わたしの鼓動

　　やがてひとつの
　　命の鼓動

（Photo: Hawaii MaunaKea, ©MikaRin)