医師が陥る「減量」神話
日経サイエンス(2021 05号)を読んでいたら、「 医師が陥る『減量』神話 」という記事が目にとまりました。私は講師として睡眠・パフォーマンス・ダイエットなどに関して お伝えしています。その中で 「ストレス」が大きなキーワードになっています。今回の記事はまさしくその点について 医学的な観点から書かれていたので ご紹介したいと思います。
減量 ≠ 健康
病院へ 健康問題を抱えて通うクライアントの多くは、高血圧・糖尿病・など、体重を減らせば解決できると思われている方が多いそうです。中には 診断を受ける前に、「 なんとか痩せたい 」「 どうにか体重を減らしたい 」といきなり相談される方が多いと書かれています。
実際に 多くの医師はも糖尿病など いくつかの成人病は 標準体重になれば 解消されることが多いので 減量を進めているそうです。実は昔は私もそう思っていました。多くの成人病って 太り過ぎが原因なのでは? つまり痩せればよいのでは?って。
この記事のデーターによると、BMI数値による死亡予測値は 18.5~19.9以下の方と35~39.9の方では 変わらない。24.9~25付近が最も死亡リスクが低いことが 証明されています。( 世界保健機関(WHO)の基準の標準数値は 18.50以上〜25.00未満。)例えば 身長160cmの方のBMI値25.0は、体重64Kgです。これって痩せすぎも、太り過ぎもよくない事って納得できますよね?
しかし それ以上に興味深いのは、
すべてのBMIの数値に関係なく、健康習慣が0の方より 4っある方が 断然死亡リスクが低いことを示しています。(非禁煙・適度な飲酒・1日5皿以上の野菜や果物接種・毎月12日以上の運動)
4つの健康習慣を持っている方は、BMI値による死亡率の差が 見られない!
BMI値とは ボディマス指数と言い、BMI= 体重kg / (身長m×2)で計算します。1985年米国国立衛生研究所(NIH)が 体脂肪を評価する2つの公式法の一つに採用したのがBMI値です。この数値の設定により 普通もしくはやや太りすぎに過ぎなかった2,900万人の米国人が 肥満に分類されました。この頃から 体重を健康の危険因子として重視するようになった、と記事には書かれています。( マイアミ大学ハンガー助教 )
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
最新の研究では
「高体重の人に対する固定観念や偏見、あからさまな差別として表れる一連の否定的な姿勢や考え方」として定義される「体重スティグマ(体重バイアス)」は実際に害をなしていることが 明らかになってきていると指摘されています。誤診や診断の遅れから 患者に与える蔓延ストレスの影響は深刻である、と。
つまり『 痩せなきゃ!』と思うストレスによって、痩せても病状が改善されない事例が増えているとのことです。米国が抱えている健康問題を減量で解決しようという医学会の目標はほぼ達成不可能であることがわかった、と記事に書かれていました。
健康のために痩せなきゃ!と思う方、多いと思います。実際 痩せたら健康になった方、多くいらっしゃいます。けれど 痩せても病状が好転されない方も一定数いらっしゃるのもの事実です。私が思うに 良い生活習慣を身につけて 継続した結果、病状が好転していた、そして いつの間にか痩せていた のでは?考えます。
リバウンド
痩せた後、リバウンドされる方とされない方がいらっしゃいます。これも良い生活習慣を続けることができる方、そうでない方に分かれた結果だと思います。続けるには 意思の力より ストレスのない ひとりひとりに合った仕組みが必要だと 私は考えています。ストレスがかかるやり方は、ホルモンの力に負ける事がとても多いのです。なので私は長く続く方法を提案するようにしています。それには お一人お一人に合わせた、ストレスのないやり方が大切です。
長々読んで頂きありがとうございました!ご感想書いていただけると嬉しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?