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はじめての伊東・後編 

さて、伊東旅行記もこれがラストである。
前編・中編と来て後編も全部読んだよ!という方がいたらとても嬉しい。最後も相変わらずとりとめのない文章だが、どうかご容赦頂きたい。


いい運動をしてしまった話


伊東駅からハトヤを繋ぐバス。大変便利。

さて、巡回バスにて伊東駅へと向かう。
2日目の目的地は、色々迷ったが「まぼろし博覧会」に行くことにした。

「能天気なバラダイス」まぼろし博覧会。私設テーマパークで、その大きさは東京ドーム1個分あるとかないとか言われている。おもしろ混沌スポットゆえ、伊東旅行に行く際行きたいところリストにいの一番に入れた場所だ。
姉妹館である「怪しい少年少女博物館」「ねこの博物館」にも行きたかったが、ちょっと時間が無かったので今回はまぼろし博覧会のみ行くことにする。

さて、伊東駅からまぼろし博覧会に行くにはバスで赴く必要がある。電車でも行けるには行けるが、駅からめちゃくちゃ歩く上に山の上にあると知り早々に諦めた。
ここで私の豪胆なのか神経質なのかよくわからん特性が発動する。夜っぴてまぼろし博覧会への行き方を調べていたのだが、どうも伊東駅から最寄り駅まで直通のバスが無さそう……?だったので(調べ方が間違ってるかもしれない、もしかしたら直通もあるかもしれないので、行く際は調べてね)、乗り換えで最寄り駅まで向かうことにした。
最初の目的地であるバス停まで移動、もう一度路線を乗り換えてバス移動。最初のバス停は伊東郵便局の前にあるそうだ。私はとりあえず郵便局まで歩いていくことにした。

知らない町を歩くのは純粋に楽しい。でもチキンゆえバスが出るまで20分以上あるにも関わらず、心は毎秒乗り過ごすことを危惧していた。だって1時間に1本なんだもん!焦るよ!
しかしナビのおかげで、全く迷わずに、かつ余裕を持って郵便局前に辿り着くことが出来た、が。

あれっ

ハトヤの真裏やんけ

そう、伊東郵便局はハトヤホテルのすぐ下にあり、なんだったらハトヤホテルの看板まで立ち並ぶ場所であった。なんてこったい。もしかしてバスに乗らずに降りて行ったら20分歩かなくても済んだのではないか。
運動になったのも観光が出来たのも良かったが、なんとなく解せなさを感じた私であった。ちなみにこの後降りるバス停を1本間違え、該当のバス停まで走って戻るなど旅の恥を丁寧に塗り重ねていったりした。

行くぜ!まぼろし博覧会


でけ~~~

まぼろし博覧会へ到着。バス停「梅の木平」のすぐ目の前であるが、めちゃくちゃ山の上だ。いないとは思うが、富戸駅から徒歩移動とかしちゃいけなそうなハードさだと思う。


クソデカまねきねこ

クソデカ招き猫に迎えられ、本館への道を上がっていく。まだチケットすら買っていないのに、その道中は鬼と桃太郎?がいちゃついている像や逆立ち金太郎、銚子電鉄などが立ち並ぶ。すでに像たちの混沌さ、山の風に吹かれてうすく積った砂埃などに圧倒される。

歩いた先でチケットを購入し、いざ突入。
本館手前に色んなメディアで取り上げられたよ、の紹介があり、中には大変よく見慣れた「落合陽平の10万ボルトTV」の姿もあった。
落合さん、いらっしゃってたのか……静岡と言う見知らぬ地で知り合いに会ったかのような安堵感を感じた。帰ってから少年少女博物館回とまぼろし博覧会回、見ました。ゾゾゾだいすき。


狂う

さて「まぼろし博覧会」、全体的に短冊が並ぶ。その願いは千差万別多種多様。色んな願いが渦巻く中で、なぜか入口付近では岩下の新生姜の曲がエンドレスで流れ続ける。よく言われる「まぼろし博覧会に行くと発狂する」は個人的にはそうかな~?と思うのだが、岩下の新生姜エンドレス再生はこう……すごかった。今もなお、ふとした瞬間に頭の中を流れる。いわしたの~しんしょうが♪


クソデカ聖徳太子

クソデカ聖徳太子に見守られながら順路を進んでいく。

癖(ヘキ)

個人が作ったもの、チームが作ったもの、大きいものから小さいもの、家にあったものやひな人形、古びた人形やおもちゃ、昔々に使われていた医療器具(?)や遠い未来に見つかるらしい謎の生物のミイラなど、本当に色んなジャンルのものが並んでいる。情報量が多く、一歩進むごとにドキドキが止まらない。

クマチャン
うすい埃とメルヘンの空気

本館(正式名称は大仏殿)を抜け、メルヘンランドなる場所へ。
この横には「おばあちゃんの部屋」という場所もあり、なるほど祖母の家(概念)を感じた。
それにしても、どこにカメラを向けても画になる場所だ。ちょっと埃っぽいものが苦手な人は難しいかもしれないが、そうでなければぜひ行ってほしい。特にこういったタイプのおもしろいものにときめく人はぜひ行ってほしい。

自然に還る馬たち


まぼろし島。鳥居とおっさんの首と女性の裸体が並ぶ場所。何????

多分順路的に大仏殿の次には別の場所に行くのがセオリーっぽいのだが、順路を間違えたのかこれはこれで正解なのか、先にこのメルヘンランドとまぼろし島の方を回った。
この選択が正しかったのかはわからない。
というのも、この後行くスペースの情報量が恐ろしいほどミチミチであり、最終的に脳がリアクションを忘れるという疲労ぶりを発揮してしまったのだ。こっちを後にした方が良かったかな……?

と書いておいてなんだか、まぼろし博覧会はどこ行ってもすごい情報量なのでどこが先でも最終的には頭がふわふわになると思う。次行ってみよう。

余談 謎のペンギン推し

催し物の種類に関わらず、なんかそこかしこにペンギンがいた。
可愛かったので皆には見て欲しい。

お土産売り場とかでよく見る水が入ったキーホルダーが置かれている。
ペンギンたくさん。
リアルめペンギンの群れ
いいえがお

昭和を足で歩く


なんで記念メダル出した

エロいもの、ナンセンス、子供のおもちゃに大人の遊び、可愛いものからちょっと怖いものまで並ぶまぼろし博覧会だが、その中でも特にすごいな~と思ったのが「昭和の町を通り抜け」というスペースである。

わーーーーーー!!

当時使用されていたポスターや庶民の暮らし、服装や流行りものなどが飾られており、さながら博物館だ。しかし博物館よりもきっちりしていない。いやきっちりはしているし真面目なのだが、そうではなく。なんというか、肩ひじを張らずに「昭和」という時代の胡乱さと空気を味わうことができる唯一無二のスポットである。近代史が好きなので数歩ごとに頭が爆発していた。

当時の流行りのファッションを着たマネキンも。かわいい。

ガラスケースの中をじっと見たり、置かれているマネキンを見たり、ストリップ劇場に入ったり。


せっかくなのでね


ちなみに売店コーナーにはヘルメットも売っていた

昭和の町を抜けると、「まぼろし神社」に辿り着く。
ここは世の胡乱を詰め込んだ場所である。ちなみに最後にこの場所に立ち寄ったため、完全に頭は破裂していた。ということでこちらの写真はほぼ無い。何が置かれているか、皆さんの目でぜひ確かめて欲しい。
なんかでっかいものがあると思ったらクジラのちんちんの骨だったり、変な病院があったり、遊郭があったり、お化け屋敷があったりする。破裂した頭だったが、きっちり遊郭の写真は資料用に撮らせていただいた。いいですね。いつか遊郭もの書きたいね。
ちなみにお化け屋敷は数メートルぐらいの暗い道を進んでいく展示スペース………らしい。らしい、というのは私は足を踏み入れていないからである。ホラーが好きなのにお化け屋敷はまったく入れない。怖い。女の子の声だけでビビッて散歩で踵を返した。これで他のお客さんとかいたら別なのだが、この時に限ってどこのお客さんグループともかち合わなかった。体験型ホラーや怖いの大好き人間の方々はぜひ足を踏み入れて頂きたい。


さらばまぼろし博覧会

ミッチミチになった頭が破裂した帰り道、セーラちゃんさんとお話をする機会があった。すべてを受け入れ、楽しいテーマパークを造り出した立派でキュートな館長の姿がそこにあった。ちょうどセーラちゃんさんの後ろで陽の光が降り注いでいて、二重に眩しさを感じた。モモンガの気持ちを知った。

まぼろし博覧会には「すべて」がある。好きなものもちょっと苦手なものも並んでいるかもしれない。けれど確実に楽しい場所で、かなり広いのでたっぷり時間も必要だ。
姉妹館である「怪しい少年少女博物館」「ねこの博物館」も行ってみたい。やはり二泊三日にすべきだったか……と思いつつ、博物館に別れを告げた。余談だが時計を全く見てなかったせいでバス停でめちゃくちゃ待った。それもまた思い出である。

さらば、伊東

まぼろし博覧会から伊東駅へ戻れば、もう14時くらい。
お昼ごはんを食べる時間が無かったので駅前でカレーパンを買い、熱海へ向かう電車の中で食べることにした。

駅で買ったカレーパン。おいしかった。

そういえば結局落ち着いてごはん食べたの、1日目のお昼ごはんと2日目の朝ごはんだけだったな……とふと思う。その分別のものに時間をかけたので良いのだが、次旅に出る時は色んなごはんをたくさん食べたいなあ、と思う私であった。
余談だが熱海まで向かう電車は、黒船電車という豪華な電車だった。黒船電車が来た瞬間、駅のホームの僕たち私たちが一斉にざわ……とした音が聞こえた。えっ電車間違えてないよね?Suicaで乗っていいやつだよねこれ?みたいな空気が漂う。乗っていいやつらしい。車内はかなり綺麗で、大きな窓から伊豆の海を見ることができた。すごい電車だったなあ。

その後新幹線に乗り、東京駅へ帰る。
ダッシュでアキバに行きドール用のお洋服を買い、東京駅で夕飯を食べる。
夕飯を食べた場所は東京駅構内にある台湾料理屋「ウーメイ」だ。

超おいしい台湾料理のお店

私はウーメイが好きで好きでたまらなく、本当に美味しいお店だと思っている。
そのため旅行の最後はウーメイで小籠包セットを頼み、シメとした。最高に激ウマだった。


伊東はよいとこ


知人たちの声援に背中を押され、突発的に旅に出た。

帰った時父から「もう一泊してくるのかと思った」と言われて、目から鱗が落ちた。
なんだ、なんか、良かったんだな。家を数日空けたって、ひとりになる時があったって、好きなものを食べても、食べなくても、お風呂でどれだけ寛いでも、どこに行こうが罪ではないんだなと改めて思った。
いや、考えてみれば当たり前なのだ。自分を縛っているものは自分自身でしかなく、大事にすべきものはあれどそれが枷になって自由にできないのは、なんだか悲しい。

この一回で旅への罪悪感がすべて払拭されたわけではないけれど、多分私はまたホテルの予約画面で1時間悩んだりするのかもしれないけれど、それでも前よりはもっと自由にどこかへ行けるんじゃないか……と思うと行った意義も意味もある。そんなもんとはまた別に、純粋に楽しかったのでまたどこかへ足を運びたい。

その時にはまた、旅行記でも書いてみようと思う。
ここまで見てくれてありがとう。皆伊東へ行こう。

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