肩身のせまい花粉症マン
わたしはアレルギー体質。
そしてちゃーんと花粉症。
今年はまだ病院に行けておらず、
薬なしの苦しい日々を送っている。
明日にはいく予定。いや、絶対に行く。
この鼻水、どこから出てるんだろう。
考えられない量の鼻水。
「ズーっすみません」
「ズーっすみません」
鼻をかむ音がうるさすぎて、
お部屋でかむのが忍びなくなったので、
外でかむことにした。
なんでこんなにもう申し訳なくなるんだろう。
なんだかふと思った。
例えば、鼻水をかむ音があんなに汚いあの音が、
ハーモニカみたいな音が出たなら良かったのに。
そしたら思いっきりかめるのに。
そんなことを考えながら、自分の席に戻った。
なんだか今日は静かだ。
こんな日に限って静かなんだから。
もう。
鼻をかみすぎて腹筋まで痛くなってきた。
「ズーっすみません」
「ズーっすみません」
なんだか自分が慣れてきた。
なんだか恥ずかしくないや。
なんだか申し訳ない気持ちもどこか薄れてきたよ。
そしたら姐さんが話しかけてきた。
「鼻つらそうですね」
わたしはハッとした。
また、恥ずかしさと申し訳なさが戻ってきた。
「ズーっうるさくてすみません」
「全然!みかんさんのね鼻かむ音、鳥のさえずりに聞こえる」
そんなわけないだろ、と思いつつちょっと気持ちがふわっとした。
わたしは今日1番の力で、鼻をかんだ。