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広告作り未経験の小学校教員が、60人の企画生に「おっぱいの人」といわれる広告を作るまで #1北島ひかるさん|第1回『自分の広告をつくる』

コピーライター・阿部広太郎さんが主催する連続企画講座『企画でメシを食っていく2023』(通称『企画メシ2023』)。

『裏企画メシ2023』では、『企画メシ2023』の課題に取り組んだ企画生(『企画メシ2023』の受講生)の裏側を、同じく企画生のエビアン(遠藤)が取材していきます。

『企画メシ2023』第1回の課題は『自分の広告をつくる』。今回紹介する企画生は、小学校の教員であり1児の母の北島ひかるさん

現在育休中の北島さんは、今年の4月から家族で八丈島にプチ移住。念願の島移住を叶えました。

一方、育休中の1年間を振り返ったときに「自分自身何も成長できないのでは」という焦りや不安を抱えていた北島さん。

そんなときに『企画メシ』に出会い、「育休を最高の期間にする」ために参加を決意。

今回は、「今まで小学校の仕事しかしてこなかった」北島さんがどのように企画の課題に取り組んだか、教えてもらいました。

授業も「企画」。プレイベントで気づいた企画の楽しさ

画像提供:北島さん

ー北島さんは今まで、企画作りや広告作りの経験はあったのでしょうか?


北島:企画は全くしたことがありませんでした。今まで小学校の先生の仕事しかしたことがなくて。

でも、『企画メシ』のプレイベントで小学校の先生や幼稚園の先生がお話しされているをみて、「自分もこういうことが好き!」と思ったんです。


ー先生の授業もある意味「企画」ですよね。


北島:はい。私は授業を0ベースから作るのがすごく好きで、だから教科書通りにやりたくないんです。

教員として生徒にはいつも、「自分たちでクラスを作るんだよ」と言っています。やらされる、ではなく、自分たちがやっているということを大切にしたいと思っています。


ー生徒の主体性を大切にされているんですね。


北島:今年1年の学級に対する想いを伝えたあと、子どもたちにも「1年後どんな自分になりたい?」「どんなクラスにしたい?」と聞いて、それを考える時間をつくっています。
だから、こういう企画を自分の仕事に繋げていけたら最高だなと思って、今回『企画メシ』に参加しました。


ー今回、『自分の広告をつくる』というお題でしたが、最初このお題を見たときぶっちゃけどう思いましたか?


北島:すっごく難しくなかったですか?!もうどうしようって思って……。特に「伝える」じゃなくて「伝わる」ようにとあって、まずそこからつまずきました。


ーたしかに難しかったです。「伝える」じゃないからね?と、念を押された気持ちになりました(笑)


北島:とにかく阿部さんの『心をつかむ超言葉術』を早く読まなきゃと思ってメルカリで注文したんですけど、島だからか、なかなか届かなくて……(笑)。

とりあえず、「伝わる」「伝える」のことばの意味をめっちゃ調べました。

「自分が読みたいか?」手書きの学級通信からの方針転換

画像提供:北島さん

ー今回この広告ができた経緯を教えてください。


北島:まずはどの媒体で広告をつくるかを考えました。ことば、写真、動画、音楽などからどれにしようかと。
その結果、最初は手書きの学級通信にしようと思っていたんです。


ー学校の先生らしいですね。


北島:はい。小学校で手書きの学級通信を出していたのですが、子どもたちにそれがウケていたので。
それで描き始めたんですけど、構成とかを考える時点で「違うな」と思って。


ーそれはどうしてですか?


北島:学級通信だとどうしても文字量が多くなるんです。だから60人以上の人たちがバン、と広告を見たときに読まないだろうなって思って。自分でも読みたくないなと思って辞めたんです。


ーそこから方針転換されたんですね。


とにかく広告を短くしようと決めて、何を伝えたいかを3つ絞りました。私の場合それが、娘がいること、八丈島に住んでいること、小学校で働いていることでした。

笑ってくれたことばを、どれだけ印象に残すか

ーその3つを組み合わせた結果、「八丈島で未来におっぱいあげてます。」になったんですね。


北島:文言はいろいろ考えたんですけど、決められなくて。主人に見せたらこの広告で笑ってくれたんです。そのとき「これっていいんだ」と思って、これでいこうと決めました

でも実は、文言を決めた後の方が時間がかかったんです。直前までレイアウトもすごく迷って、どこに八丈島を入れるかなど、いろんなパターンを作りました。
最初は手書きでイラストっぽく作っていたんですけど、インパクトないなと思って。


ーレイアウトも最後までこだわっていたんですね。


北島:手書きを辞めて路頭に迷ったので、テレビのCMをよくみるようにしました。自分がみてどのCMが印象に残るかな、って。

あとは本屋で本の帯をみて、どれが目に残るかみました。1時間くらい本屋うろうろして、何も買わないで出てきたんです(笑)。


ー本屋さんの人から見たらだいぶ奇妙ですね(笑)。1時間もいたら店員さんに顔覚えられそう。


北島:八丈島には、2軒しか本屋さんがないので(笑)。しかも本屋さんにいる間私1人しかお店にいなかったので、余計不思議に思われたかもしれませんね。

画像提供:北島さん

ーでも、そうやって自分なりに分析された結果、あのフォントと黒っぽい背景にたどり着いたと。


北島:あの背景、実は黒板なんです……


ーえっ!黒板なんですか!


北島:はい、実は黒板とチョークをイメージしていて。最初は緑にしていたんですけど、見づらかったので黒に寄せました。


ー気づかなかったです……。これ、何人の企画生が気づいていますかね?


北島:気づかれないかもしれないんですけど(笑)。自分の中では「学校」の要素は入れようと決めていました。

ーここまでお話しいただいて、ありがとうございました。最後に、これから半年間共にする企画生のみなさんにメッセージをお願いします。


北島:とにかく、みなさんと仲良くなりたいです!『企画メシ』ではいろいろな年代、職業の方がいらっしゃって。教員で働いているとこういう場所はまずないので、とても刺激を受けています。

みなさんと友だちになれたら、そして、自分のこれからの仕事に繋がっていけたら嬉しいです!


<取材・文=遠藤 美果(『企画メシ2023』企画生)>

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