ハマってこそ、「面白い」のヒントがある|企画メシ第6回「脚本の企画」
私は昔から、テレビも漫画も映画もあまり観ない。
Youtubeは東方の曲をピアノ編曲で演奏している動画しか観ないし、「今人気の俳優は?」と訊かれても、吉沢亮と応えるのが精一杯。
けれど、好きじゃないわけではない。アニメは『進撃の巨人』も『鬼滅の刃』も好きだし、バラエティ番組では『世界の果てまでイッテQ』がいちばん好き。
私はハマるのが怖い。
夢中になってそれしか見えなくなるのが怖い。
そうしてその状態を「時間の無駄」だと思ってしまう。
高校生の頃、『進撃の巨人』にハマった。それまで観たアニメといえば小学生の頃のポケモンくらいだった私が、初めて2次元のキャラクターを本気で好きになった。人類最強の兵士、リヴァイだ。
一緒に観ていた母と初めてアニメイトに行き、リヴァイが出るまでガチャガチャを回した。それはもう夢中になった。私の頭の中にはリヴァイしかいなかった。
一方、同時に自己嫌悪も感じていた。
「英語の宿題が終わっていない」「古典の予習まだしてない」「物理の問題集解きたいのに」
当時の私は、「勉強=やりたいこと」。勉強の義務感が薄かった分、余計罪悪感があった。
それから社会人になって再びNetflixで『進撃の巨人』を見始めたら、それはもう止まらなくなった。
寝る時間になっても、続きが気になって眠れない。結局ベッドに入ったままイヤホンを付けて観る。次の日に支障をきたすとわかっていても、『進撃の巨人』には勝てないのだ。
まとわりつく罪悪感。どうしてこんなにハマってしまうんだ。もう嫌だ。ハマりたくないから、もう観ない。
あらゆるアニメやドラマをこうして自分から避けるようになってしまった。
けれど、それはすごく損をしているかもしれない。
『企画メシ』の講義で脚本家・政池さんからこう、何度も言っていただいた。
自分が「面白い」コンテンツを提供したいのならば、自分なりの「面白い」を確立しないといけない。
私がこんなに『進撃の巨人』に夢中になったのは、きっと自分なりの「面白い」があったから。入り口は「リヴァイかっこいい」だけど、Netflixで『進撃の巨人』を観続けてしまったのには、それ以外の理由があるはず。
ハマる、上等。
来年からは積極的にエンタメを享受して、積極的にハマっていこう。