正義中毒 人は、なぜ他人を許せないのか?/中野信子
ふらっと入ったコンビニで見つけまして、買ってみました。
正義中毒 あなたは、あの人は、なっていませんか?
読んでみると、少し「俺は/私【正しい】ゲーム」をしちゃう心理(諸説あり)がわかるかも。
そうすると、その「正義の戦い」という名の泥沼を見ても
「あっそ」「ふ~ん」 程度に揺れなくなるかも。
超概要
・不適切発言、スキャンダル、不倫、匿名性の悪口etc
「お前は間違ってる」を言いたくなる心理、その時の脳の動き って
…報酬系の活動と一緒かも?
・日本の風土・文化 が 関係しているかも
1:ルール、想定をやぶる異端=悪 としがち
例:空気を読む・同調圧力・みんな一緒・ふつうがいい
2:意見・思考と人を分けて考えられていない
例:意見交換、議論のはずが、エスカレートして、人格否定に発展しがち
Aさん:これは、今のやり方よりもXXXしたほうがいい。
Bさん:そんななことを言うなんて生意気だ!
…AさんのXXXという意見があるだけ。
そして、聞いたBさんが
(Bさんの経験・環境から勝手に)「生意気だなぁ、イラっとするなぁ」と感じただけ。
Aさんが、生意気な人か? や、
Bさん以外もソレを生意気と感じるかどうかは、わからない。
・脳の加齢かも?
…Oh…柔軟に考えられなくなっちゃうんだってさ
じいちゃん、ばぁちゃんが謎に頑固なのはこれなのかなぁ…
注意
「この手順で、これをしたら、正義中毒になりません!」 具体的なHOW toは、本書のどこにも書いてありません
著者の本のスタイルでもあるんだけど、
・諸説あり、著者の支持する説、体験談を紹介 あなたはどうですか? 系で終了。 のスタイルです。
まぁ「絶対的な事は」解らない からね。
オススメなのは、「未知」「未経験」と出会うことだそう。
いつもの道、いつものメニューだと、脳の使う領域も「いつもの」になってしまうそうな。
いつもと「違うの」に出会って、対処していく・刺激を与えるのが いいのでは?
とのこと。
「俺/私が正しいんだー!」系の怒りのおさめ方とかは、
この本<<アンガーマネジメント系の本がいいかも?
気になったところメモ
※転記ではありません。私なりに言い換え・解釈しているので、詳しくは本読んでみてね。
・私こそが絶対に正しい と思った時には、すでに正義中毒かも?
・人は、「私が正しい」と何か行動するとき脳では…
快楽中枢が刺激され【快楽物質:ドーパミン】が出る
例え、その行動が他人を攻撃・痛めつけるときでさえも…
・誰にでも正義中毒になる可能性がある
・ワイドショー、SNSでの炎上、赤の他人への攻撃は、大衆快楽劇、エンターテインメント
・その言い合いは、解決を目指している議論なのか?
ただ双方に正義の名のもとに攻撃しているだけなのか?
それって、相手を謝らせて、土下座させたら勝利なの?
・人類は賢くなっているハズが、なんでこんなことしているんだろう。
・そんなに色んなものに「怒りをぶつける」生き方ってしあわせなの?
・多様性こそが、種の繁栄戦略
・愚かさの基準は国ごとに違う
例:日本 一般的なルールに外れること
フランス みんなと同じこと 意見を言わないこと
だそう(著者の体験談より)
・日本では、前例踏襲、ルールに従う従順な人が優秀という傾向。
例:破壊的な天才に優秀な生徒、と、よく従う平凡な成績の生徒
学校教育では、よく従う生徒が「優秀」と判断されがち
これも、政府でも最高研究機関でもありがち。
・日本では、議論・ディスカッションの文化が疎い。
人と、意見・志向とを分けて考えられない傾向が高い。
・フランス語「Réfuter論破する」は、「人」を目的語に取らない。
(本書より)
→もう、「議論」の考え方が違うんだなぁ
人を、破しないんだよね。
主張・その論を「破る」んだよね
・俺/私が正しい のみなので、「議論」にならない
主張のすり合わせの余地すらない
・天才も芸能人も、ただの人
・これも正義中毒、批判快楽かも
例:悲しい事件、事故を見て
・こんなのかわいそう。警察は、親は何をしていたんだ!
・犯人はXXXすればいいのに
これも、事件、事故に直接関係ない安全地域から、
俺/私の正義で 関係者を 攻撃している状態、快楽になっている
・前頭葉の一部が衰えると思考、論理判断能力も衰える。加齢とともに保守派になる→キレる老人の原因なのかも?
・理性よりも直観が勝つ。SNS等では「ズバッと端的に言ったもん勝ち」で、事実かどうかは二の次。
正義中毒の予防・脱出には
1:もしかして、私の正義で批判しているかも?と気が付くこと
2:いつもの○○から、未知の経験をすることがおすすめ。
未知体験をすることで柔軟性を取り入れられるかもしれない。
3:人類みんな不完全、絶対的な正しさはないって考えを頭に入れとくこと
目次
○第1章 ネット時代の「正義」―他人をつるし上げる悦び
・SNSが隠れていた争いを「見える化」した
・著名人にとってSNSは諸刃の剣
・自分と異なるものをバカにしあう不毛な社会
・炎上ビジネスに踊らされる正義中毒者たち
・多様性を狭めた集団は滅亡に向かう …他
○第2章 日本社会の特殊性と「正義」の関係
・愚かさの基準は国によって大きく異なる
・日本は「優秀な愚か者」の国
・自然災害と閉鎖的環境が日本人の社会性を高めた?
・個人の意志よりも集団の目的が優先される
・「よそ者」は信用しない日本人 …他
○第3章 なぜ、人は人を許せなくなってしまうのか
・人間の脳は、対立するようにできている
・人は、なぜいとも簡単に他人を憎むのか
・不一致ゆえに惹かれ合い憎み合う人々
・どんな天才も近付けば「ただの人」
・集団の持続こそが正義 …他
○第4章 「正義中毒」から自分を解放する
・「許せない」をコントロールし、穏やかに生きるには
・「なぜ、許せないのか?」を客観的に考える
・「昔は良かった」」は、脳の衰えのサイン
・脳の成人年齢は30歳
・脳は経験で進化できる …他
最後に
いかがでした?
しょっちゅうしてるよ、これ。
なんだかなぁと思っちったのを、ぶつけたくなっちゃうもんなぁ。
個人的には、以下の2つが イラ! ムムム! を抑めるのに聞きました。
1:私も、あなたも、みんなそれぞれ正しい って考えを理解・納得する。
私は、〇と思った。 Aさんは、×と思った。
それぞれ、その人の視点からの意見としては、
「そう(〇とか×とか)思った」のは間違ってないもんねぇ。
2:正義の戦いしそうになったときに
私は何を「正しい」と思っているのかな?
それってホントにそうなのかな?
って考えだしたら、正義の戦い仕掛けなくなりました:笑
この辺は、日常の出来事とか、ほかの本の影響もあるんだけどね。
その話は、また今度。