
Photo by
09chiharu
眠る前の物語(お天気シリーズ)『雨の物語』
最近、僕はこのカフェの常連になりつつあるようで、オーナーから、このカフェには、雨の日に訪れる女性のお客さんがいることを、教えてもらった。
マスターの話を聞いて、僕もその女性のことが、段々、気になってきた。
僕は、このカフェには、天気に関係なく来るけれど、僕も雨の日は、大好きだったから。
「雨が大好き」が確定しそうな、彼女と雨のことを少し話してみたくて、彼女と何の接点もない僕だけど、
急に話しかけて嫌われるかも
しれないけれど‥
いつも、ただ待っているだけの僕だったけれど、
今日は雨。
僕は…
「マスター、今日もコーヒーありがとうございました。おいしかったです。」
カランコロン…
僕は、カフェの扉を開けて、
このカフェに向かっている彼女の元に、
彼女が怖くならないように注意しつつ、気が付くと、少し、駆け出していた。
「僕も雨が大好きなんです」と伝えたくて。