眠る前の物語(お天気シリーズ)『雪』の物語
今年はいつ、会えるだろうか?
毎年、心待ちにしている。
とても寒い日のさらに寒い日、家の中を暖めているのに、何だか冷えると感じる日、それは、突然やってくる。
「雪」
静かに、静かに空から降ってくる、
とても真っ白な古くからの友人。
子どもの頃の私は、寒くなるとすぐ風邪を引き、熱を出して、学校を休み、窓の外の雪をずっと眺めていた。その時からの付き合いだ。
眠れない夜に再会した日は、朝まで外を眺めて古い友人と会話している。
長話はもちろん、時折、訪れる長い静寂も心地良くて、世界にたった1人きりにされてしまったような、寂しさの中にいても、いつも、雪だけはそっと私の側にいてくれた。
夜でも、雪明かりで明るい。
空から舞い降りてくる君との会話は、
とても優しくて、楽しい時間だ。
君は、楽しいだろうか?
君も楽しいといいな。