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食品添加物の話⑦添加物使えない店は潰れろ。

おはようございますmikamanです。
コロナだから飲食店は槍玉に挙げられて大変だ~~~!
というイメージがあるかもしれませんが、既にそれ以前から個人が経営する飲食店は大変なんです。
今回はその話をしてみたいと思います。

40年前の外食産業

私は50歳手前ですから、40年前~30年前の外食をそれなりに記憶しています。
当時、外食というのは本当にレジャーの1つでした。
月に1~2度外に食事をしに行く。
それが子どもにはとてもワクワクで楽しみの1つでした。
サラリーマンは昼食で外食していたはずですが、家庭で作った弁当が主流だったはずです。
※我が家が尺度になっていますが、友人と話していても似たような感じでした。
逆を言えば、食事がちゃんと作れない母親っていうのは稀だったんですよね。
そしてまだ大資本の会社も外食に目を向け始めたばかりの頃で、あくまで個人店が「商い」として飲食店を営んでいる時代でした。
そういえば当時はセブンイレブンは開店時間が7時~23時でしたね。
シャッター閉まっているセブンとか今無いですよね。

現在の外食産業

皆さんは外食は月にどのくらい利用されているでしょうか?
私は自分の店で食事する事を除けば5~6回ってとこでしょうか。
中には毎日って方もいると思います。
「家庭で調理」以外の中食なども含めれば

出勤日数=お金を出して食事する

という方も少なくないのでは?
凄いですよね。
その環境が整備されているのですから、いかに飲食関係の業界が頑張ってきたのかという話です。

毎日お金を出して食事となると価格も当然安いほうが良いに決まっています。
毎日3000円もかけて食事するのはどっかの社長くらいなもんです。
300円台~1000円で選べる外食。
300円台~500円台のお弁当
こんなんがランチの主流ではないかと。
中には100円台の弁当まで。
(それ考えるとコンビニの弁当は高いナァ!!)

大手と個人、作り手の意識の差

上記のように大手は消費者が驚くほどの価格で価値や量を実現してきます。
(今のチェーンの商品群を30年前の日本人に見せてみたいです。)
でもちょっと立ち止まって考えてみたいと思います。

飲食店って昔から長時間労働の代名詞ですよね?
しかし大手は今の時代はそうもいきません。
6時間越えたら45分の休憩は取るし、8時間越えたら残業代も出さなければいけない。完全週休二日も勿論です。
つまりは売り上げに対する人件費率が高い(はず)なんです。
でもちゃんと利益は上がっている。
個人店からすると「なぜ?」って思ってしまいます。
個人店がそれをやるってなると、色々なことを諦めなければ実現できないからなんです。

・冷凍品でないとんかつ食べてほしいよ!
・味噌汁のだしの美味しさが自慢です
・添えてあるポテトサラダも自家製で美味しいよ!
・うちのケーキは作ったその日に食べて下さい!

このような時間やお金をかけてやってきた、本来当たり前だった事を諦めて、添加物を多用することで解決することになります。
でもそれは出来ません。
「やりたいこと」
ではなくなってしまうからなんです。

そう、個人の飲食店は「やりたいこと」をやっているんですよね。
私の場合は「子ども達に本物の味を知ってもらいたい」ってのが仕事をする上で「絶対に譲れない」事。
他にも「俺のカレーでみんなを痺れさせる」とか
「安くて美味しい食事をみんなにしてもらいたい」
と心から思って自身の生活を犠牲にしている人も居ます。

つまりは個人店と大手チェーンでは飲食店をやる上でのスタンスがまるで違うのです。
「とにかく方法は何でもいいから利益を上げたい」
のが企業なら、
「人を幸せにしたい」
って思ってやっているのが個人店だと思っています。
(勿論個人でも「お金稼ぐためだけにやってるよ!」って人もいっぱいいますが・・・)

分かりやすく言えば「そこに愛はあるのか?」って事ですね。
当店のメニューには大きく「自分が食べたくないものは売らない」
と書いてあります。

消費者に選ばれる理由、選ばれない理由

消費者は「選ぶ側」ですから、選ぶ側の意向を汲んだ商品作りをした人が売り上げを確保していきます。
その「意向」というのが個人店との温度差を生んできているという問題があります。

皆さんが普段する外食に望んでいることっていうのは
「安くて美味しくて便利で綺麗でおなか一杯になって無添加」
このくらいではないでしょうか。
当然ながらこれを実現するのは不可能です。
それでは取捨選択する際に、優先順位はどこにある?
となると圧倒的に強いのが「安い」ってこと。
「便利」っていうのは「早い・近い」ですね。これも最強。
他は好みもあるかと思いますが「無添加」を最優先にして選ぶ人どのくらいいますか?
「気にはなるけどよくわからないからまぁいいか。」
ってとこで、やっぱり価格や便利さを優先していませんか?
気づいたらいつものおばちゃんの店に行く回数減っていませんか?
安くて便利な裏側にはどんな不安が潜んでいるのか、なんとなく気にはなるけど日常だから蔑ろになっていませんか?

「保存料不使用」→他の添加物は使っています
「素材選びからこだわって使用しています」→何のルールもなし
「お客様に安心して食事をして頂きたい」→言うのは自由
「化学調味料不使用」→表記として不使用なだけで「実質化学調味料」をバキバキに添加している(化学調味料は少量でめちゃ効くので、不使用の場合は「実質」のものを大量添加で補っている)


個人店は「意図的に添加物を使って商品を操作する」ということを基本やりません。むしろそんな知識持っていない人が殆どなのでは。
「手間暇かけて」をいまだにやっている店がたくさん残っています。
手間暇かければ当然時間もお金もかかります。

ちょっと考えてみてください。
あちこちのメーカーが出している、お弁当によく入っているポテトサラダ、1kgで相場は300円くらいです。
ジャガイモをスーパーで買うと400gくらいで200円くらいですよ。
1kgで500円ですよ。
冷凍肉団子が1kgで598円とかです。
豚ひき肉って1k1200円くらいですよね?
半分野菜って考えても1kg仕上がりで800円くらいじゃないですか?
598円の肉団子の人件費どこへ?
水道光熱費はどこへ?
どこにもいっていません。こんな激安でもちゃんと商品価格に転嫁されています。

こうして、添加物を選択できない個人店は、だんだんと消費者に選ばれなくなって淘汰されていきます。
たまに、長く営業していた店が「閉店します」ってなるとお客さんが殺到して「いや、昔よく通っていたんですよ。残念です。」
「もうあの味が食べられないなんて寂しいですね」
とか言っていますよね。
でも店が閉店しちゃうのって、顧客である皆さんがもっと安くて早く出てきて同じくらい美味しいと感じる大手を選択してきたからですよね。
本当はあと10年くらいできなくもないんだけど、売り上げこれじゃ仕方ないし、冷蔵庫壊れたからやめるか。
みたいな風になっちゃいますよね。

大切な店がある人たちへ

大切な店はいつまでもあるとは限りません。
「売り上げ」という支援があって成り立っています。
「コスパ」って言葉で何もかも判断せずに、
安さの裏側には何があるのか。
どうしてこんなに安いのか。
どうしてあんなにあっという間に出てくるのか。
なぜあんなに「サクッ」としているのか。
なぜあの店でカレーを食べると体が重くなるのか。

そして
なぜあの店は商品提供に時間がかかるのか。
どうしてあの店の唐揚げは隣の大手の唐揚げより高いのか。
どうしてあの店のごはんはあんなに美味しいのか。

そういうことを知った上で選択していくこともとても大切な事だと思います。
大手を選択し続けることで、結果個人店に行きたくなっても店が無いなんてなったらつまらないですよね。

一言も言及せずにきましたが、勿論店側の努力もあってこその皆さんからの支援なんですけどね。
そして、一つの角度からしか書いていませんので、別の角度からだと違う意見がたくさんあるだろうことも承知しています。

さて、朝ごはん作ろう。
今日はかますの炊き込みご飯です♪




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