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食品添加物の話⑥外食の色々
前回の記事で「外食は高塩分だ!」と言いましたが少し補足を。
外食とひと口にまとめてしまうのはちょっと乱暴かなと思いまして。
外食を少し分けてみますね。
外食~ナショナルチェーン~
いわゆる「チェーン店」です。
ナショナルチェーンっていうのは分かりやすく言うと「色々な場所で何店舗も同じ店を展開している」事を指します。
母体が大きいですからメリットデメリット色々。
・仕入れのスケールメリット
・常時同じ味が求められる
・何か問題が起きた時に1店舗の問題ではない
・成功のノウハウ蓄積のコスト安
・情報一元化
常に同じ味にする。とありますが、これが「ちゃんと作る」と至難の業。
やってみればわかりますがほぼ不可能です。
何故なら素材は個体によって個性があるから。
「常に同じ味」にするためには、なるべくブレの無い素材選びから。
・外国産の冷凍野菜(国産だと品切れの可能性)
・外国産の冷凍魚の切り身(養殖で安定供給な上に管理養殖で素材の均一化)
・国産または外国産の冷凍肉(菌を繁殖させずにリスク回避の冷凍です)
・食品添加物を利用する事による味の均一化(工業食品に近くなればなるほど安定した味になる。)
つまりは「安定して同じ味のものを供給する」というのは「本物の美味しさを諦める」事でもあります。
その代わり、いつでもすぐに期待通りの味が食べられます。
添加物の専門家が会社にいて、完璧なまでの添加物の使い方をしています。
「驚きの安さ」の裏側にはそれなりの努力があるのです。
安い電化製品がすぐ故障してしまうのに理由があるのと同じですね。
外食~ローカルチェーン~
一つの商圏で複数店舗展開している飲食店です。
まだまだ組織としては力はそこまでないので、添加物を駆使して自社商品を開発なんてことはせずに、業務用の調味料などを駆使して同じ味を確保しています。
そして、地域に馴染むことでお客さんを集めることが可能です。
外食~個人店~
個人事業主が1店舗でやっている飲食店がこれに当たります。
こうなると個人ですから限界がすぐそこです。
添加物を添加しようにも、どこで売っているのかもわからず。
普通に皆さんと同じようにドレッシング買ったり、〇〇のモトとか使ったりする店もあると思います。
逆に無添加や有機にこだわることが出来るのもこの個人事業主のいいところ。
その代わり「安定した味」はある一定のラインまでしか望めません。
ラーメン店のような店や蕎麦店などは麺の原料もスープの原料も安定している場合が多いのですが、所謂「料理屋」の類は味が安定しない、言い換えれば素材が安定しないのを逆手にとって商売をしています。
「その日のおススメ」
がチェーン店にはなくて個人店にはあるのはその辺ですよね。
今、うちの店には地元の美味しい茄子「折戸茄子」が農家さんから直接入ってきます。
農作物ですから安定供給は不可能です。
ですが味がいいので獲れる間は使います。
それも個体差があり、全部同じ味わいにはなりません。
今日は長茄子はゼロでした。
いつもは30本くらい入るのですが。
安定しないんですよね。
というわけでまとめますと
◆チェーン店のようにいつも同じ味のためには犠牲になっているものがある。(加工材料や添加物の使用による素材の味の消失)
且つ一定以上の味は望めない。
けどいつでも安心して頼める。(価格や味についてです)
◆個人店は通年同じ味が難しい業種もある。
その代わりその時々の味が楽しめ、また添加物も少な目である場合が多い。
皆さんが利用する際に、それぞれの長所短所を天秤にかけて利用すればいいと思います。
ただ、個人事業主としては、個人店支えてもらいたいなと思ったりもしますが。
もちろん支えてもらうための努力をするというのが大前提です。
それでは。