東京暮らしで受けた苦難の洗礼|花粉症編②
かつては花粉症による鼻炎から、喘息、アトピー性皮膚炎へと発展し、「アレルギーマーチ(鼻炎+喘息+全身アトピー)」に陥っていた私ですが、今は花粉症シーズンの鼻炎はあるものの、喘息もアトピーは殆ど表れない状態を約15年キープしています。
巷には体質改善法なるものがあふれていますが、アレルギー体質の100%改善はとても難しいことです。
Aさんが改善した方法があっても、Bさんには全く効果がない。よけいに悪化してしまうといったケースも珍しくはありません。私自身、いろんな方法を試して入る中で、悪化したことが何度かあります。そして悪化した方法の提案者(医療関係者や健康食品事業会社など)へ問い合わせても「そんなはずはないんですけどね~・・・」だけで片付けられたこともありました。
それでも、手ごたえのある方法を続けていき、症状を極力抑えるようにコントロールしていくという術を持つことができました。
今のシーズンは「花粉症抑えるために何を使ってるの?」と聞かれることが多く、また、今年は花粉症の症状、アトピーの症状が悪化してしまったと困っている方も増えているようなので、ここにまとめて私の例を記録しておきます。
以下、あくまでも私の事例です。試される際は、自己責任の範疇でお願いいたします!
【現在のコントロール方法(アナフィラキシー時は除きます)】
①病院治療(西洋医学)⇒抗アレルギー剤「アレグラ」「キプレス」の内服(軽い日は処方の半分量)/抗アレルギー点眼薬「アレギサール」/点鼻薬「フルナーゼ」(局所ステロイド。人と会う日、講師登壇日のみ。休日やデスクワーク時は不使用)/顔にアトピーが出た時のみ、すこしだけ「プロトピック小児用(免疫抑制軟膏)」か「ネオメドロール(最も軽いステロイド軟こう)」を使用。※正規品名称ですが、ジェネリック薬でも効果は同じ。
②代替療法(病院以外)⇒肝臓の代謝を上げるサプリメント「ユビキノール」1日100mg摂取/ホメオパシーベースの鼻スプレー「クリアライフ」をムズムズが気になる時に。
③食品⇒市販の「べにふうき茶」を1日少しずつ飲む(量、回数は自由)/市販の「ペパーミントティー」を一日何度でも。特に就寝前は必ず。
④その他⇒市販の「花粉イオンでブロック」を顔と髪にシュッシュ(外出時、3~4時間おき)※効果は正直分かりませんが、お試し中。
⑤入浴時の工夫⇒「天然塩」(食品用の安いもので十分)を、握りこぶし1杯分くらいを湯船へ入れて、20分以上浸かる。半身浴でも、全身浴でも、特に決まりはナシ。汗ががーっと出て、鼻水や鼻づまりが治まり、肌がスベスベになります。アトピーの色素沈着もこの塩温浴で改善しました。
⑥オステオパシー(欧米式の手技整体)整体⇒2ヶ月に1回位のペースで全身の骨格や筋肉、筋膜の滞りや、血流を調えています。直接アレルギーに作用するというものではありませんが、日常生活の中でどうしても歪みが生じる全身を調整することで、重篤な症状を防ぐという予防的な意識で続けています。
以上が、現在でも続けている方法です。
①③④は、春の花粉シーズンと秋にちょこっと感じる花粉シーズンのみ行っています。それ以外のシーズンは、②⑤⑥だけです。⑤の入浴も、疲れた日はシャワーで済ませていることもあるので、がんばりすぎないこともポイントです。
そして、アトピーがひどかった時期に、重点的に行って効果を実感したのは以下の方法です。
【重篤症状の際に改善したと実感した方法】
①漢方薬⇒都内の「イスクラ薬局」にて、中医学の専門家に処方された漢方薬の内服/漢方の軟膏「神仙タイツコウ」
②病院処方(西洋医学)⇒ひどい炎症を起こしている部分にだけ「エキサルベ(軽いステロイドと感染予防剤配合)」という軟膏を、1週間以内のみうす~く塗る。治まったら使用を止めて、漢方の軟膏に切り替える。
③食事療法⇒デトックスと内臓を休めるため、除去食を半年間実施。指導は「イスクラ薬局」の中医。お酒、肉・魚・卵・牛乳・パン・ケーキ・麺類禁止。タンパク質は毎日納豆、豆腐、豆乳で補給。米飯と野菜、豆腐、厚揚げを中心に、腹八分目で1日2食。朝はバナナとトマトジュース、ヨーグルト(牛乳製品でもヨーグルトはOK)。甘味は黒糖で作ったお汁粉ならばOK。
ダイエットのためではなく、生きるためとかゆみを抑えたいという意識だったので、全く辛くありませんでした。3ヶ月で自然に10キロ痩せました。
半年後に普通の食事に少しずつ戻し、今はお酒もOK(けっこう強い^^)。そして体重も戻ってしまいましたが(泣)、アトピーはぶり返しませんでした。
④鍼治療⇒1年程、中国人の治療家と、日本人の治療家の鍼治療を受けていました。中国人の治療家に行ってもらった後は、全身の調子がとてもよくなり、体がかろやか~に感じられました。但し、皮膚の表面的なかゆみやジュクジュクがなかなかとれなかったので、日本人のアトピー専門鍼の治療を加えました。どちらも1回1万円~1万5000円ほど。3ヶ月は月に4~6回、それ以降は、月に2回、しっかり通いました。
アトピーに効果を実感したのは、「瀉血」という悪い部分の血を抜く治療です。痛い治療ですが、我慢の甲斐があって、1週間単位でぐんぐん改善していきました。
鍼は「痛くない」を謳うところも多くありますが、いわゆる本物のゴットハンドとされる治療家(メディアやSNSなどには出ない主義の治療院)の鍼はたいてい痛いです。重い症状は、痛いくらいの鍼(太かったり、打つ場所が爪のキワなど)じゃなければ効かないと先生方はおっしゃっていました。私は、そのほかにも10軒くらい鍼治療院の門を叩きましたが、この2軒の痛い治療がいちばん効果を感じました。
あまりにも痛すぎて、「やめでぇえーーー!」と叫んで先生を突き飛ばしてしまい、先生のメガネがぽぉーんと宙を舞ったことも。
その先生は何ごともなかったように、メガネをキャッチ。「今日は壊れなくて済んだなぁ。先月は壊されちゃったよ(・ω・)」と。
さすが。
以上が、しんどい時に救われた方法です。
次は、私には効果がなかった方法、詐○商法だったのか…の体験談です。
【過去に行った効果ナシ、ダマサレ体験】
①病院(新潟の某クリニック)⇒1999年頃ですが、アレルギー、アトピー治療に関する書籍を何冊か出されていた医師へ問い合わせ、藁をもすがる思いで新潟まで足を運びました。問診10分、自由診療(保険対象外)でのオリジナル製剤とやらの薬を2週間分処方されました。診療と投薬代は計5万円。
帰り際に患者がいなかったこともあり、院長が病気には関係の無い話を長々とされ、「ライターやらない?私の本書いてみない?」とのご依頼。丁寧に断り、なんとなく不審な思いを抱えたまま帰京。
内服後、2日で火が噴いたかのように顔、手足の発疹が悪化。かゆみも倍になり、全身の皮膚がまるでゾンビのような状態になりました。
すぐに新潟のクリニックへ電話をかけると、院長は「おかしいなぁ…そんなはずないんだけどなぁ…」とブツブツ。どうしたらいいかと聞いても、想定原因の説明もなく、改善策も言わず。みごとにすっとぼけられたようですが、あとの祭り。とても腹が立ちましたが、すぐに電話を切り、それ以来そのクリニックへは一度も行ってません。5万円と新幹線代はドブに捨ててしまったことになりましたが、書籍をうのみにした私の選択眼が間違っていた代償、厄落としと思うことにしました。
何年か経過後に、アトピー関連の詐欺商法を調べていたジャーナリストに聞いたところ、そのクリニックはもう閉院し、院長の所在もわからなくなったということです。
②病院(大学病院漢方薬)⇒某大学病院の東洋医学科で2週間で3万円ほどの漢方薬を処方されましたが、効果を実感できないまま、胃炎の副作用を起こしてしまいました。
担当医へ相談したのですが、あまり手ごたえを感じられず、悩んでしまわれているような様子を見受けましたので、1ヶ月ほどで通院を止めました。
若い医師だったこともあり、私のひどい症状は力量的にキャパオーバーだったのでしょう。担当医変更は可能でしたが、エライ医師になると3ヶ月待ち。特に腹も立ちませんでしたが、そんなに待てやしないのでとっとと去ることにしました。
おそらく希望する医師とのタイミングが合えば、良い病院なのかもしれません。看護師さんもケースワーカーさんもとても親切で、病院としてのホスピタリティは優れていました。しかし、自由診療は高い…。
③サプリメント⇒当時、アメリカのサプリメント販売企業のMNWビジネスを始めたという知人の勧めで、ノニジュースといくつかのサプリメントをその知人から買って摂取しました。そして1週間くらいで悪化。
知人へ伝えましたが、医療の専門家ではないのでお手上げです。真摯な態度で謝ってきましたし、知人のほうからちゃんと返金の申し出があったので、私も納得し、クレームなども出さず、事を荒立てるようなことはしませんでした。
悪化状態は辛かったんですけどね。。あきらかにノニジュースにアレルギー反応を起こしていると感じました。ノニジュースで体質改善された方もいらっしゃると思いますが、アレルギー体質の体は何に反応するかわかりませんので、事前に副作用データなどを調べるのは鉄則かと。場合によっては、アナフィラキシー症状なんて起こしてしまったら、取り返しのつかないことになりかねません。
④お祓いw⇒知人の勧めで、沖縄の祈祷師サンのお祓いも受けたことがあります。東京へ定期的に出張なさってるオジサンでした。その頃はとにかくふさぎ込んでいたので、信頼していた人の薦めということもあって試してみることにしたのです。祈祷を受けている方々は、有名人、一流企業の役員、華やかな職業の方など、錚々たる顔ぶれでした。
1回9万円。祈祷は30分ほど。その他は占い師のような質疑応答。
半信半疑なまま、帰宅。特になにも変わりなし。実感なし。
逆に体調が悪くなり、知人を通してその祈祷師へアドバイスを募ったところ、
「鍼か整体へ行ったほうがいいって、センセイが言ってた」
とのことでした……。
………。
さすがに目が覚めました(遅い)。
と、恥ずかしい体験をさらしてしまいましたが、世の中にはこんな輩もいるということです。私の場合は大金をつぎこむところまでいきませんでしたが、中にはどんどん洗脳されていく人もいるのでしょう。
「なんだかおかしい…」と感じたら、その直感はほぼ正しいと思います。
特に、相手へ不審を問いただした時の視線が泳いでいたり、最初はスムーズだった連絡のやりとりが途中からいいかげんになって滞ってきたり、問いただしたことへきちんと順序立てた説明がなされないといった状態は、詐○師の典型的パターン。
病気や大きな悩みで心が弱っている時は、こんなサインがあっても「そんなはずはない、あのひとは忙しいんだ」と自分の直感を否定する傾向があると思います。私自身がそうでした。でも、「そんなはずはない…」は、自分がそう思っているだけのことで、自分の正常な目利き感覚のフタを自分で閉じてしまっているということでもあるんですよね。
自戒の念も込めつつ、今はそう思っています。
そして、時には危ない藁にすがってしまったりするくらい、アレルギー体質とつきあっていくのはめんどいですが、それでも自分の大切な体、よく働いてくれる体だということに今は感謝し労っています。
まずは自分の体にとって効果を実感できる方法をコントロールするまでは、自分の体が実験台になり、途方に暮れることもあるかとは思いますが、良いとされる方法を試してみる勇気も大切だと思います。そして、「なんかちがうな」「へんだぞ」「なんだかおかしい」と感じたら、短いスパンでその療法は止めてしまうというのが私の方法です。
病院、代替療法にしても、選択権は自分にあるのですから。
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