異文化でもめる「時間感覚」
皆さんは、時間に几帳面な方ですか? 私は、とってもきちんとした親に育てられたせいか、時間にはかなり正確なはずでした。なぜに過去形かは今日の記事を読んでいただけたらわかります。
オーストラリア・メルボルンに到着した時、最初のカルチャーショックは時間に正確な人がほとんど存在しないことでした。
例えば、電車。毎月どのくらい正確に運行できたかが張り出してあって、80%とか書いてありますが「いやぁ嘘でしょう」が日本人の私の感覚。最初の電車が時間通りに来ないのに乗り換えを調べてもしょうがないので、向こうでは乗り換えアプリを封印してました。
11:00a.m が開店時間の高級ブティック、何度も強調しますが、「高級」ブティックです(笑)11時に友人と行ったら、当然のように開いておらず、店員さんは悪びれる様子もなく「まだ用意ができてないの。10分くらいしたら来て」と言い放って掃除に戻っていきました。友人と適当にぶらぶら歩いて11:15a.m.に戻ったら、さすがにお店は開いてましたが、店員さんが私たちの顔を覚えてない! もう苦笑を通り越して爆笑もんでした。「あらあなた達、本当に戻ってきたのね」みたいな扱いなのですから。
オーストラリアのSunday Market(日曜市)、とっても楽しいんです。蚤の市みたいでもあり、雑貨屋・食べ物や・いろんなものが売ってます。オーストラリアに到着したての頃、私は東京人っぽいことをしてしまいました。
9:30a.m.に開くSunday Marketで、友人へのギフトをお気に入りのお店で買い、朝ごはんを駅の近くで食べて、10:08 エルサム行きの電車に乗る。東京なら十分実行可能です。し・か・し、ここは東京ではありません。
まず、9:30a.m.に開いているお店が、30軒の店舗のうち4軒しかありません。「あぁそうだった、時間通りに開くわけないんだった」と後悔しましたが後の祭り。ぽつぽつと店主は現れるのですが、コーヒー片手に隣のお店の主人とおしゃべりしてて、お店に品物が並ばないとか、「本当にお店やる気はあるのだろうか。とっくに開店時間すぎてるし」と私だけが焦ってみても仕方ありません。結局、私がギフトを買いたかったお店は、9:50a.m.に開店しました。私は朝ごはんを諦めて電車に乗りました。始発なのでさすがに時間通りに出発します。38分あって、3つのことができないかぁ。東京人のため息です。
こう書くと、いいころ加減で適当な国に聞こえますよね。全面否定はしませんが(笑)、日本の時間に正確すぎるところは裏目に出ることもあります。
2005年に起こった福知山線の脱線事故は、乗客と運転士合わせて107名が死亡した痛ましい事故です。快速停車駅を含め停車時間が15秒など元々全体的に余裕のないダイヤだったところ、競争激化でダイヤに全く余裕がなくなり、遅れを挽回しようとして高速のまま曲線カーブに走行して事故を起こしたと言われています。
オーストラリア人には、「秒」を争って電車が脱線事故を起こすなんて事象は理解できないでしょう。時間の正確さを守るにもほどがあると言われそうです。
メルボルンは、私に世の中の「価値観」「常識」を考え直させてくれた素晴らしい人種のるつぼ街でした。これまで私は、オーストラリアの15分とか30分の遅刻の話をしてきましたが、上には上がいます。
学校のスペイン語圏のクラスメート達、悠然と1時間は遅刻してきます。ちなみに授業は2時間です。堂々と入室する様がすごくて、「あれ、私早く登校し過ぎた?」と自分を責めそうになるほどでした。
日本に帰国した時、私は「5分遅刻? 何か問題ですか?」みたいな価値観になってしまい、仕事の打ち合わせにも5分~10分遅刻して、なんとも思わない人になっていました。勿論それでは東京でやっていけないので、3ヶ月くらいで元の時間に正確なミッキーに戻りましたが。
「時間の感覚」は価値観の一つなので、生まれ育った環境に大きく左右されます。日本流だけが唯一正しいと思って外国人とつき合うと、ギャフンと言う場面に出くわすでしょう。多様性の時代、相手の価値観にも歩み寄れるといいですね。生きるのは緩い方が楽ですし。
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('O'*) 右脳の女王よりおまけ ('O'*)
ある会社に勤めていた時、派遣社員の方が、仕事モードの私とプライベートの私の落差がひどすぎるとあだ名をつけてくれました。ついたあだ名は「GAPの女」なんかスパイ映画見たいと喜んだ私は、いかがなものか。右脳の女王は今日も行く〜