*手作り詩集のはなし
ー数回、詩集を手作りして、友人にプレゼントしたことがある。
その人への想いをすべて注ぎ込み、
紙を、切ったり貼ったりして、頭と手をくるくると動かして作る。
それはとても楽しい作業だ。
ー数年前に、もっと広い所へ向けて、
できればパブリックに向けて詩集を作りたいと思った。
しかし、netで公開する勇気もなく、
出版なども非常にハードルが高い。
10部だけ手作りして、近い人に配ろうと決めた。
キンコーズに通い、順番を考えたり、言葉を削ったりしながら
ーそれはとてもつらい作業だった。
誰に向けて作っているのか分からなくなり、
こんなものを作って何の意味があるのかという、心の声に勝てず、
泣きながら作った。
なんとか印刷し、
自分でホチキスで製本したり、
封筒へ入れたりする作業は心躍るものだった。
完成後、せっかくなので、なんだかどんどん配りたくなってきた。
昔知り合った詩人の人を思い出し、
詩集を読んでもらいたいと、手紙を書いて会ってもらった。
ーそれが今の旦那さんである。
どんなに無駄に思えても、自分の本を作ると、新しい何かが開ける。
本を作るってすごい。
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