繊細息子が行う大切な儀式なようなもの
我が家には、小学2年生の繊細息子がいる。
今回は、彼が出発する前の儀式を3つほど紹介しよう。
もしかすると、どれも繊細っ子あるあるかもしれない。
そして、これらの儀式が行われるにあたり
見守り隊の私たちにとって大切な『合言葉』があることを、最後にお伝えしたいと思う。
では、いってみよぅ。
【その1】荷物が多いなおぃ
とにかく、荷物が多いのなんのって。
隣のセブン行くにも、お気に入りのクマのぬいぐるみのポーラちゃんやトミカをわざわざ連れていく。
フリースクールに行く時も、毎回、3白4日のご旅行ですか?ってくらいの大荷物。
あれも、持ってく。これも、持ってく。
あれもそれもこれも持ってく。
車に乗って、さて出発するか!ってタイミングで、「あ、やっぱあれも持ってく!」
増えゆく荷物。
それに加え、息子が作った作品たちもわんさか持って行く。
毎回、車のトランクと大量の荷物が置いてある玄関を行ったり来たり何往復もする私。
雨の日とか、ほんっとに大変である。
【その2】どんだけ時間かかるねん
とにかく、出発するまでに時間がかかる。
行く間際に作り出す・・・LEGO。
行く間際に始める・・・工作やお絵描きやパズル。
行く間際にもよおす・・・う○ち。
行く間際に始める・・・花の水やりと観察。
行く間際に始める・・・腹筋。
絶賛、行く間際に色々始める。
【その3】出発直前にやっぱり行くのやめるって言う
とにかく、これが、本当、一番、困る。
特に、友達と約束している時とか、病院など時間が決まっている予定の時にこれ言われると、本当に困る。
でも、100%と言ってもいいくらい、行く間際に「・・・やっぱり行きたくない」って言う。
それが、どんなに楽しい予定でも。
荷物が多いことも
出発するのに時間がかかることも
「やっぱりやめる」って言うのも
息子にとっては、大事な儀式なのだ。
よし、行くぞ。
って、自分の1歩を出すための。
ここで、大切な『合言葉』がある。
同じ境遇の仲間達の間でも広まっている合言葉。
それは、
せぇ〜〜〜のっ!
お口チャックで!
「そんな荷物多すぎるよ!どれか一つにして!なくすよ?」って言いたい。
「何で今始めるの??あんなに時間あったでしょうよ!早くして!」っ言いたい。
「何で?行くって言ったじゃん!間に合わなくなるよ?どうするの?」って言いたい。
でも
お口チャーーーーック!
荷物が多いのは、お守り。
あれもこれも持って行きたくなるのは、不安だから、心配だから。
だから、心のお守りにしている。
それで安心して、一歩が出るなら、
持って行きましょうや!
あれもこれもそれも!!!
出発間際に何か始めちゃうのも、「やっぱやめる」って言うのも、それもやっぱり不安だから、心配だから。
気持ちが整うのに時間がかかる。
それを、「早く!」って急かしたって、「なんでどうして」と責めたって、彼の心をキューーっと締め付けるだけ。
そりゃ、こちらも人間ですし、急いでる時は、ジリジリ口のチャックが開いちゃって、「もうっっ!!」ってなることも多々ある。
でも、これは、儀式なんだと。
それはわかってあげたい。
こうやって綴りながら、自分に言い聞かせてる。
お口チャックで待ってあげれば、どうするか自分でちゃんと決める。
ちゃんと自分で動き出す。
必要なのは、「時間」だ。
だから、こちらもお口チャックができるように、待ってあげられるように逆算して、早め早めに時間を設定したりする。
たまに、案外スムーズに行っちゃって、出先で時間が余りまくって、文句言われることもあるけど笑。
これらは儀式なんだと、私がそう思えるまでに何年もかかった。
繊細な故に繰り広げられる息子のあれこれを理解したくて、学んできた。
でも、だからと言って、スパッと全部受け入れて対応できるわけじゃない。
たくさんたくさん悩んでしんどい思いをして
叫んで、怒鳴って、気が狂いそうになって
スリッパ床に叩きつけて、枕を壁に投げつけて
過呼吸にもなりながら泣いて泣いて泣いて
その日々があって
少しずつ
少しずつ
息子を理解し、受け止めてあげられるようになってきた。
でも、まだまだ全部じゃない。
私は、息子が大好きだ。
ほんっとに、全てがスムーズにいかないし、
ほんっとに、大変だけど、
息子が愛おしくて仕方ない。
きっとこれからも、儀式は続くだろう。
できるだけお口チャックで、たまにジリジリ開いちゃいながら、息子の大切なこの儀式を見守っていこう。
息子が、一歩を踏み出せるように。