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マッサージ~上手に囁いて~

寝る前に部屋の明かりを落として

心地よい音楽を小さくかけ

マッサージ屋さんごっこをした。

マッサージ師は私と夫でそれぞれ長男と次男に施術。

今日は自転車を漕いだから手と足をいっぱいつかいましたね。

たくさん働いてくれてありがとう。

パソコンたくさん見て目が疲れていますね。

ゆっくり目を閉じて、そう休ませてあげましょう。

血流をよくして、身体をあたためて

心地よい眠りの世界に入りやすくなります。

こどもたちは当然とても気持ち良さそうに身を委ねているんだけど変な話、自分の語りかけに私自身まで癒されるというかリラックスするという不思議な体験をした。

中国にすんでいた頃、安いということもあってしょっちゅうマッサージ屋に通っていた。

体の相性(っていうの?)が合うマッサージ師に当たると「ィヨシッ!」ってなって、そうでないとガッカリしたなぁ。

ひと揉みされただけで相性がわかるから、はじめましてのマッサージ師に触れられる瞬間はその後の数十分が天国になるかどうかを左右する、緊張の瞬間だった(相性がよければその後指名しちゃったりもする)。

明るいところでおしゃべりしながらやることの多い足つぼマッサージと違って、ほの暗い部屋に横になる全身マッサージは寝かしつけみたいにウィスパーボイスで語りかけてくる人が結構いて私はそれが大好きだった。

「寝たいから黙っていて」

といえば無言でやってくれるけど、囁かれるのが好きだった。

背中、つらいのね。張っている

眠りも足りていない

ゆったりしてね、そう

あなたの肌はとても柔らかいのね

まつげも長い

お世辞まじりでも歌うような中国語で上手に囁いてくれるマッサージ師に出会えると極上の気分になれた。懐かしいなぁ。

人に囁いてもらう側だった私が囁いてみたらいつも「はーなーしーを聞いてっ!」って叫んでも耳に入らない息子たちが目を閉じて静かに聴いている。

「寝るときこわいのに、わすれてた」

「頭もやって」

「おかあさんの声、なにかに似ている」

と思い思いの感想を述べながら脱力状態でされるがままになっている。なんだか満足。

目を休ませたり、手足のちからを抜いてリラックスし、自分の体に感謝することを私自身が求めているのかもしれない。

語りかけのつもりが、自分の耳にも入り心に染み込んで行ったのかもしれない。

もっと心地よく、聞きながら相手が眠りに落ちるくらいに上手に囁けるようになりたいと思った。

ちなみに夫は、部屋の照明を落とすとすぐに寝てしまう。マッサージ師役だったのに途中で動かなくなりいびきが部屋に響いた。

「おとうさんが機能停止した!」と次男がいうので私が交代でふたりをマッサージすることになった。

夫、寝落ち…私のウィスパーボイスにやられた、ということにしておこう。

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