見出し画像

【おうち時間を楽しもう】おすすめ"ディストピア映画"

ディストピア映画の舞台は大抵が近未来。「粛清がある」「表現の自由がない」「貧富の差が激しい」「出産制限がある」などがディストピア世界が持つ共通の特徴。そこは息が詰まりそうなほど徹底して管理された社会。貧しいものは食事すら自由には行かない。映画「ソイレント・グリーン」では、ひとびとはソイレント社がプランクトンから作ったという合成食品を食べて暮らす。

ここ数年、現実が「ディストピア」世界に近付いている気がする。マイナンバーによる国民の管理。ワーキングプア世代は、いつまでたってもそこから抜け出せない。出産制限や粛清こそないけれど、若い世代が安心して子供を持ち育てられるような社会かといわれたら疑問が生じる。さらに合成飲料も一般的になってきた。いつまでもディストピア映画を楽しんでいられるような世界だったらいいのになと願うばかり。

今回は、そんなディストピア映画の中から特に好きなものをピックアップ。

「ガタカ」

1997年、アメリカ。アンドリュー・ニコル監督。遺伝子操作によって優れた能力を持つ「適正者」が多く存在する近未来。自然妊娠で生まれた「不適正者」たちは「適正者」に劣る存在として扱われている。不適正者として生まれた主人公ヴィンセント。彼は子供時代から弟を含めた適正者たちに勝つことが出来ずに暮らしている。そんな彼の夢は宇宙飛行士。しかし宇宙飛行士は適正者にのみ許された仕事だった。

これは私の一番好きな映画。「ガタカ」について書きたいがために映画紹介を唐突に始めたといっても過言ではない。ストーリーを簡単に説明すると、努力は遺伝子を越えられるのか、というもの。ヴィンセントの夢にかける情熱と努力は激しい。夢のために努力したという記憶は自分にない。だからこそ余計に「ガタカ」が好きなのかもしれない。ちなみにガタカとは宇宙局の名前。ヴィンセントは元水泳選手ジェロームの血液や指紋などを買い取って適正者として宇宙局で働くようになる。本来は良くないことだけどヴィンセントの努力を知る人たちが彼を助けようとする。この感じが非常に好き。ラストのジェロームには見るたびに泣かされる。世の中は頑張っても思う通りには行かない。きれいごとだけでは生きられない。それでも頑張ろうって思うものの疲れることがある。そんなときに見返すようにしている。

「ハンガー・ゲーム」

2012年、アメリカ。ゲイリー・ロス監督。舞台は独裁国家パネムとなった近未来のアメリカ。そこでは12の地域から、12~18歳の男女が1人ずつ選ばれ、合計24人が殺しあう「ハンガーゲーム」への参加を強制されていた。妹のプリムローズが選ばれたことからカットニスは代わりにハンガーゲームに参加することとなる。

人気シリーズ。繰り返し見てしまう。最初は少し垢抜けない雰囲気のカットニスが時間を重ねるごとにうつくしくなっていくのが最高。ハンガーゲームは人間同士が殺しあうものだけれど罠も多い。ゲームっぽい要素が高くて、映像もうつくしく、バトルシーンも悪くない。いつか原作も読んでみたい。

「アップサイドダウン 重力の恋人」

2012年、フランスとカナダ。正反対に重力が存在する双子の惑星。上の星には富裕層、下の星には貧困層が暮らす。しかし交流は許されていない。ある日、下の星に住む少年アダムは、上の星に住む少女エデンに恋をする。密会を重ねるふたりだったが、ある日警備隊に見つかってしまう。

恋愛映画は苦手だけど、この映画は綺麗なので気に入っている。特に冒頭の警備隊が出てくるあたりまでがとても好き。

「12モンキーズ」

1995年、アメリカ映画。ウイルスにより全人類の99%が死滅し、生き残った人々も地下に住んでいる近未来から来たジェームズ・コール。犯罪者として服役していた彼は人類が死滅する原因を作ったといわれる「12モンキーズ」を探り、ワクチンを作るために必要である純粋なウイルスを探すために現代に来ていた。

最後に流れるのが「What a beautiful world」で、それだけで泣ける。以下ネタバレを含む。時間旅行も題材となっているうえに少し内容も複雑。主人公コールは要領が悪いので精神病院送りにされるうえ、自分の記憶にすら自信がなくしてしまう。真犯人を撃つものの警官に狙撃される。最初から最後まで可哀想な主人公。どんな結末を迎えるのか映画のなかでは明確にされていない。ただ最後に真犯人の横に座っているのは主人公を送り出した未来の科学者であるため何らかの方法で解決して人類が救われている可能性もある。救われていればいいなあと思っている。これも非常に好きな映画。ヒーローが現れて颯爽と解決する、というオチではないのが生々しくて良い。いま、世界中がウイルスに翻弄されているけれど未来人が本当にいるなら、どうかこの現状を解決してくれないものだろうか。Twitterや掲示板には出てこなくていいので。

「20世紀少年」

2008~2009年、日本。1997年、主人公のケンヂは、失踪した姉の娘のカンナを養いながらコンビニを営んでいる。しかし幼馴染の死などをきっかけに次第に世界に異変が起こり、それが自分が幼いころに空想した「よげんの書」どおりであることに気付く。

考えてみたらこれにもウイルスが出てくるなーと。登場人物全員が実写化してもひとつも違和感がなかった漫画は、これ1本だけな気がする。全然関係ないけどフクベエが映画でかぶっていたハットリくんのお面(実物)を持たせてもらったことがあって、その写真を今でも大事にしている。

おわりに

まだまだたくさん好きなものがあるけれど時間切れにて本日は終了。日々、世界の状況は深刻で本当にディストピア映画みたいな空気になりつつもあるけれど、どうにか収束してほしいと願うばかり。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集