犬が病気になった話-6
8まで続きます。写真は爆睡している犬。病気になってからは、私にべったりでまったく離れませんでした。
犬が病気になった話-6
入院と手術。
手術は昼からだったけど朝9時に病院へ。
説明を聞いて、誓約書にサインをした。
そのあいだ、漣は、診察室の出口に向かって「お座り」の状態。
ああいう姿を見たのは初めてだった。
人間が好きなので、普段は、必ず人の近くにいる。
でも入院の日だけは、病院のスタッフにも獣医さんにも私たちにも寄らず、出口の前。
まるで手術されるのが分かっているかのようだった。
見ないようにして手続きを済ませて、
「頑張ってね」
と声をかけて、スタッフにリードを渡した。
そしたら、漣が鳴いた。
とても驚いた。
漣の前では泣かないようにしていただけど、さすがにこれには泣かされたので、いそいで診察室を出た。待合室にいても鳴き声が聞こえた。
さすがにそのあとは、かなり気持ちが落ち着かない日々だった。
手術で命を落とすかもしれないし、不安だらけ。
無事に退院してきて2日すぎて私も落ち着いたので、これを書いている。
漣を置いてきたあとは、家の中がとても静かだった。
普段は寝ていようが起きていようが「自分以外」の気配がする。
それが日常だったので、なんとも寂しい日々だった。
もちろん誰しも命には限りがある。
だから、いつかは別れの日は来るし、過去に犬を亡くした経験もある。
分かっていても犬と暮らしたい。
…とは思っても、こんなふうに、離れている日が長いと、やっぱり寂しいのだなーと。
手術はするけれど、悪性だし、覚悟はしておかなければならない。
その予行演習みたいだなーと思った。