袖丈
覚束ない足取りで改札を抜けて
人の少ない5番ホームに向かう。
地元密着の単線から見える景色はすっかり春になって
心躍る半面、桜を通して季節を見送ることに切なさを感じます。
似合わない厚底シューズに強がりを詰め込んで大きなカバンには不安を詰め込む。
抱え込むような性格でもないけれど、ひとになにか核心みたいなものをつたえるのは苦手だ。それなら無理に話さなくていいかなって思考で。
何を伝えたいって、何も伝えたくないからなあ。
素直じゃないんだ、わたしは。
届くなって思うけど届けよって思うちぐはぐあいまいな気持ちには
自分でも気づかないふりをして、夕方の少し冷たい風に吹かれます。
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