法事と縁側と肌色のスパッツ
子どもの頃、年に数回は法事があって、母の実家に
家族で出かけていました。出かけるとは言っても、
自宅から車で10分程のところ。
それでも幼い頃は、歩いて行ける距離でもなく、呼
ばれごとがあれば行く程度でした。両親と共に出か
けたその場所には、縁側に足を放り出して座ってる
オバサンがいつもいました。
記憶では三人くらい並んでいたのですが、手を後ろ
につき、スカート丈は膝のあたり。何かスカートか
らチラリと見える肌色のもの。
それは足ではなく、ショートパンツのようなもので
した。子ども心に見てはいけないモノを見ているよ
うな気がしていつも目を伏せていました。
今思うと、冷えを防ぐためにパンツの上に履く、ハ
ーフタイプの股引レディース版みたいなものを履い
ていたのだろうと思います。
セクシーと言うよりは、何とも言えないラクダ色で
、トキに裾がフリルになっていたりして余計に気味
悪さを醸し出す代物。
わたしは、子どもながらに嫌だなぁ、見たくないな
ぁと思っていました。
その難所を通り抜けると、今度は子どもはオトナと
は異なる別室に集められていました。古い昔ながら
の家は木造平屋建て。わたし達が連れて行かれたの
は和室の納戸でした。
納戸は周囲が全て襖で光が差し込むこともない畳の
狭い場所。
そこに長机が置いてあり、子どもたちは座布団の上
に正座してご飯を食べます。お料理は決まってバラ
寿司と山の様に炊かれた煮しめ。
締め切られた和室の中は、寿司に使われてるお酢と
煮しめのマリアージュで何とも言えない香りが漂っ
ています。
わたしの家で集まりごとがあるトキは子どもも大人
も同じ部屋で同等に扱ってもらえるのに、母の実家
では違っていることがとても悲しく感じました。
そして薄暗い変なにおいのするお部屋でご飯を食べ
させられることにも。
そうこうしていると、最後の関所、お手洗いに行か
なくてはなりません。どんなにバラ寿司を口にしな
くても、数時間もいると一度は行きたくなってしま
います。
このお手洗いは家の外にあり、辿り着くまでの足場
が悪く、キレイな靴も泥だらけになっていました。
どうにかたどり着いても、このトイレが汚くて臭い
。いつもトイレに入る前にいっぱい息を吸ってから
入ってる間中息をとめていました。
トイレを済ませる頃には、祖母の家で過ごすことも
我慢の限界です。
「早く帰ろう・・・。」
いつもそう言って父の腕を引っ張っていました。
それでもすぐには帰ることは出来ません。30分くら
いはオトナ同士のお話が続き、やっと帰るコトが出
来ます。
自分の家では毎年法事なんてないのにどうして母の
実家では毎年法事があったのか?子どもの頃はニガ
テでした。
今では自分で車の運転もするようになり、頻繁に立
ち寄る祖母の家。スーパーで買い物をして珍しいも
のがあれば買って立ち寄ります。行けば、勝手に仏
間にあがり、手を合わせて帰ります。
あまり仲良くなかった従兄弟たちとも普通にお話も
します。それが血の繋がりなのか。不思議ですね。
~かおのことが気になるあなたへ~
分かりやすそうに見えて、
なにか掴みどころがないと言われるわたし。
他のnoteも手にとってみてくださいね。
そこにヒントがあるかもしれません。
大切にしてきたベースとなる考え方などお話して
います。どうぞこちらもご覧くださいね。