欧米人を教えるときに英語はどの程度必要か(生徒さんの意見も聞いてみた)


さて、今日はオンラインレッスンをするにおいて英語力はどれだけ必要か、を自分なりの経験を基に書いてみたいと思います。

オンラインレッスンをしていると色々な国籍な人がきます。
私も最近はAmazing talkerよりitalkiでお客さんが増えてきて、欧米系の方が少しずつ増えてきました。もしくは欧米諸国育ちのアジア系。

彼らのレベルはだいたい初級。
0初級からはちょっと珍しいですが、だいたい問い合わせが多いのが、ひらがなカタカナは読めるよ、レベルとか独学で勉強したけど話す練習をしたいとか。いずれにせよ英語なしでは不自由な方達です。


全く話せないより中学英語レベルを話せるといい

結論から言うと、全くこちらが英語を話せないよりかは少し話せた方がこういう生徒さんを受け持つ場合お互い安心します。
だいたい目安としては中学英語レベルが話せたらいいと思います。
全く話せない場合は生徒さんの言っていることが聞き取れないという点でキツいかもしれません。

言いたいのは、こちらはあくまで日本語を教えているのであって流暢な英語はいりません。

むしろこちらが英語対応できることをありがたいと思っていただきたい、と感じることもあります(笑)

英語圏の方はおしゃべり好き(つか、一人喋り?)なので「あ、この先生英語できる」と思うと平気でナチュラルスピードで喋り出します。
あまり喋れない方が彼らもベラベラと話してくることはないかと思います。

そうは言っても英語ができないから一歩踏み出せない人もいるかもしれません。
確かに時々、文法の説明を英語で求めてくる人もいます。
私もすらすらと文法解説ができるほど流暢ではないので、そんなときは
事前に英語で解説している日本語文法のポイント部分の英文を確認します。

下手に英語で文法を説明するとだいたい自爆します。(よっぽど流暢な人やネイティブレベルの人は別)
一度、突然自動詞と他動詞について聞かれ、説明してみたら生徒さんの動きが止まりました。
画面がフリーズしたのかと思ったら、私の説明がわからなくて生徒さんが難しい顔をして止まっていた、ということがありました(笑)

英語力よりも大事なこと:場面設定とわかりやすい例文


「学生が頭の中で絵が浮かぶ様なわかりやすい例文をたくさん作って、言いたい気持ちにさせるのが大事」

これは私が勤務していた日本語学校でベテラン講師の方が言っていたことです。

その先生の授業を見学させてもらったことがありますが、先生は魔法使いのようでした。学生が次々に例文をスムーズに口から出していて、感動!
授業に全く無駄がない。流石ベテランと言える授業でした。

講師だからと言って全てを説明する必要はないことをあの荒れた学校で唯一この先生から学んだと思います。
文法説明を1から英語でしたら大変ですし、その間生徒さんの顔はだいたい曇ります。
あえて教えない、ポイントで教えるというのも講師の役割かな、と経験して思います。
全部話し出すとじゃあ、これは?このパターンのときは?とあれこれ質問が飛び出し、結局生徒さんは混乱します。

直接法にももちろん限界はありますが、私たち日本語ネイティブの講師は会話練習として、絵をたくさん使ってシチュエーションや例文をたくさん与えて頭にストン、と落ちる感覚を持ってもらうことが大事で、これは初級の人には伝えられないという部分を英語で話す程度でいいかな、と思います。

あとは変な質問が出ない様に、あいまいな例文やイラスト(わかりにくい変な絵をだすとツッコまれて、その絵のことでまた話が止まらなくなることも・・)も出さない様に注意が必要です。
脱線や誤用につながってしまいます。

ちなみに私は英語の説明はJapanese from Zeroのジョージのセリフを参考にしています。


ジョージが別のトピックで話してましたが、日本語の先生に完璧な英語は求めてない、と言っていました。
流暢だと先生がほとんど英語で話してしまうし、先生の日本語が聞きたいと言っていました。
私も一度そういう経験がありました。日本語が話せる韓国語の先生を選んだら、レッスン中の説明も雑談もほぼ全て日本語でかなりがっかりした記憶があります・・(私は初級じゃなかったのに)。

実際に聞いてみた。生徒さんの意見

自分でも気になっていたので生徒さんに日本語の先生にどの程度の英語力を求めるか聞いてみました。

生徒さんA(アイルランド・初級)
僕は初級だから、英語が全く話せない先生は厳しいと思う。文法のポイントの説明がほしいからね。でも、英語レベルは基本的なもので大丈夫だよ。
もし君が今よりも英語を話せなくても他の先生は探さないかな・・YouTubeや文法を説明したサイトで自分で調べるよ。君も英語を話せないなら他の生徒を探すかもね(笑)心地よく話せる相手が僕にとっては大事なんだ。


生徒さんB(マカオ(オーストラリア育ち)・初級)
指導する生徒のレベルやタイプによると思います。全くの初心者の生徒の場合、文法事項や指導方法、ルールを伝えるために、最初は教師が多少英語を話すことは有効かもしれませんが、生徒が基本をマスターしたら、教師は生徒のレベルに合った単語や構文を使い、適切なテンポの日本語だけで話すべきだと思います。

やはり私たちに完璧な英語は必要じゃないのですが、生徒さんのレベルやタイプにもよることがわかります。
アイルランドの生徒さんは意見が優しめと言いますか、先生との相性を重視していますね。

まとめ

英語は中学レベルで大丈夫。なんとかなる。文法のポイントや言葉の英訳を事前に確認する。
基本はイラスト(場面設定)と例文で理解してもらう。それでも質問してきたら下手に答えようとせずに「いい質問ですね」とか言って時間をもらって後日回答にする。

文法説明を英語で求められない様に、隙のないレッスンを持っていくこと、楽しみながらたくさん聞いて、話す練習をさせることが大事かな、と思います。これは自戒を込めてますよ(笑)

英語力だけがネックになって諦めるのはもったいないです。私も英語力で凹んだりしたときもあります。生徒さんには聞き苦しい英語を聞かせてると思う時もあります。でも、なんとかなってますしリピートもしていただいています。
まずはどんなものかやってみるのをお勧めします。それでもやっぱりまだ心配な人は漢字圏の生徒さんから教えてみるのもいいと思います。(初中級レベルが多いので簡単な日本語がわかるから)

それでは、また!









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